TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「平凡パンチ」no.282:1969年11月3日号


 1969年11月3日号
 「消えた《時差》レコード界に異変」のタイトルで、秋冬のレコード商戦を見据えての音楽情報が掲載されているが、いま読み直してみると、可笑しくもあり中々興味深い記事だ……
 いわゆる国内プレス盤の発売がスピードアップされ、いち早く最新盤を耳にできた直輸入盤のメリットを脅かす存在になってきたということ……

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 1968年に設立された新興レコード会社CBSソニーレコード(現・ソニー・ミュージックエンタテインメント)が、当時まったくの無名だったビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニー(ジャニス・ジョプリン)の実質デビュー盤『チープスリル』をリリースしたことを皮切りに、ニュー・ロックのレコード攻勢が始まったように感じた……

 CBSソニーレコードの第1回新譜は『卒業』のサウンド・トラック盤サイモンとガーファンクルの「サウンド・オブ・ライセンス」、LPはアンディ・ウィリアムス、ブラザース・フォアだったと思う……『チープスリル』の発売は1968年11月で、CBSソニーのロック分野では、1969年5月から12月まで毎月4~5枚のニュー・ロックが1800円でリリースされていた。
 音楽好き(シャンソン、タンゴ、映画音楽、ポピュラーミュージック)の父親が馴染みにしていたレコード店が通学途中にあったので、頻繁にその店に出入りしていた環境から新盤に目敏くなった感はある。

 1969年クリスマス・イヴに開局した民間FM放送局第1号のFM愛知の試験放送では、ロックやブルースを延々と流してくれていた……(時間帯でクラシックやジャズの時間もあった)
 新興CBSソニーの戦略もあったのだろう、CBSソニー系のアーティストが多かった覚えがあり、ジョニー・ウインターやタジ・マハール、スピリット、モビー・グレイプ、ブラッド・スウェット&ティアーズなどを初めて聴きエアチェックに勤しんでいたのを思い出す……

    ◇

《記事抜粋》
「ビートルズの話題の最新盤『アビー・ロード』が、ファンの予想をみごとに裏切って、もう日本国内プレス盤で登場した。
 この『アビー・ロード』という、ビートルズの最新LPアルバムは、最近、レコード界の最大の話題となったもの。
 それというのも、百数ページのカラー・テキストとレコードが、木の箱に入った、超デラックスのLP『ゲット・バック、ドント・レット・ミー・ダウン、アンド、ナイン・アザー・タイトルズ』が急に発売延期となり、それにかわって、発表されたアルバムが、この『アビー・ロード』。
 急場しのぎの、旧テープを集めたものだろう、とか、いや、スゴイ新作ばっかりサ、とか、いろいろウワサに取り巻かれながら、このLPは、都内のほとんどのレコード店に、直輸入盤の予約が殺到。
 それだけに、直輸入盤が都内のレコード店に出まわった直後に、サッと登場した、国内プレス盤は、ビートルズ・ファンだけでなく、一般の音楽ファンにも、チョットしたショックをあたえた。
 これも、輸入盤が売りつくされたころ、やっと日本盤が発売されたところで、ファンはもう直輸入盤でとっくに満足している、という事態を恐れた、レコード会社の賢明(?)な作戦のせいらしい。
 今回のように、本国盤とほとんど同時発売に成功した、というわけ。

 ビートルズにかぎらず、大物タレントの最新盤は、いつも直輸入盤が奪い合いとなるものだが、ひところにくらべて、最近は、国内プレスが急激にスピードアップしてきて、なかには直輸入盤に、ホンのちょっとおくれただけで発売される日本盤というのも、急増の傾向にあるようだ。
まず、相変わらず人気の高い、ニュー・ロックの分野を見ると、アメリカで十月にされたばかりの、『マイケル・ブルームフィールドの冒険』、『ジャニス・ジョプリン・コズミック・ブルースを歌う』が十一月に…『アル・クーパーの孤独な世界』、ドノバンとジェフ・ベック・グループの『バラバジャガ』が十二月に…アル・クーパーとマイケル・ブルームフィールドの『スーパー・セッションVOL2』も年内に発売される……………(略)…………さらに十二月には、ストーンズの変型LP『ホンキー・トンク・ウィメン』も出る。本国の指令とあって、日本でも苦情を訴える工場を説得して、八角形のジャケットで店頭に出る予定。
 さて、こうも急激に、国内プレス盤が攻勢に出てくると、直輸入盤の魅力も、微妙となってくるようだが、日本でも、最も代表的な直輸入盤中心のレコード店、日本楽器では、中間業者を通さず、直接オーダーシステムを採用。その利点を応用して、もっか年末にかけて〈ロックンフォール・セール〉のサービス中。ロックの輸入盤が二千円という、国内盤並みの価格で売られている。
 なかには、日本での人気がパッとしないのに、輸入盤が、いつもすごく売れる、というのもあるらしく、レターメンがその典型。
 輸入盤ファンのあいだでの、奇妙な人気に驚いた、日本発売元の東芝では、急に本腰を入れはじめ、もっか、『レターメン・アンド・ライブ』という実況録音盤が、五千枚売切れの、ベスト・セラーを記録して、再プレス中だというからおもしろい。
 輸入盤の人気が、やっと国内でも、〝効力〟を発揮した例だろう。
 ……………………(略)…………………(原文ママ)



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