TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

ザ・スパイダース/ムーヴィー・トラックス



 Hotwax Trax 第3弾として『ザ・スパイダース/ムーヴィー・トラックス』が発売された。

 数あるGSグループの中で、一番エンターテインメントだったのがスパダース。
 タイガースやテンプターズ、オックスらのような美形のフロントマン(オックスの赤松愛はKey Boardだったが)がいたわけではないのだが(井上順はカッコいい兄ちゃんでした)、お客を楽しませることでは群を抜いていた。それは、父親のコメディアン堺俊二の血を受け継いでいる堺正章がフロントマンだったことが大きいし、都会的でスマートな井上順のコメディ・センスも大きかった。
 当時中学生の男子には、かまやつひろしが音楽的に“オシャレ”で、井上順はスタイルが“オシャレ”。このふたりがカッコ良かったのです。

 さて本盤は、当時スパイダースを主演にして作られたGS映画のサントラ集。
 60年代に歌謡映画というジャンルがありました。
 石原裕次郎をはじめ小林旭、赤木圭一郎といったアクションスターが必ず映画の主題歌と挿入歌を歌う日活において、アクション映画とは別にヤング&フレッシュメンとして浜田光夫や山内賢らでその多くが作られた歌謡映画。それについては書籍Hotwax Vol.3や、路傍の石さんのブログ帝都熱烈音盤解放戦線の『日活歌謡映画の魅力』を読んでもらうことにして、その日活においてスパイダースは4本の主演映画を残しています。

 歌謡映画のなかにあってGS映画というのは当然バンドの演奏シーンが多く、なかには口パクで作られたGS映画もあったのでしょうが、このスパイダースの全作品は全曲映画用に別録音されていて、ほぼ初CD化の珍しい音源ばかり。
 これを聴いているとスパイダースというバンドの存在が、ただの歌やダンスや笑いをこなすだけのグループじゃなかったこと、バンドとしてのサウンドクォリティの高さも同時に兼ね備えていたことがよく分かります。
 音響的にはレコード会社のスタジオとは違い、映画会社のスタジオでは芳しい音ではないにしろ、逆にその劣った音響の中で鳴り響くギターサウンドは、オリジナルのレコードを聴くより面白く、カッコいいです。

 '66年と'67年の『フリフリ』などは、たった1年でこうも違ったギターサウンドになるのかと、その聴き比べが面白い。当時、ゴールデンカップスがいち早く取り入れたと云われるファズコントロールなど、めざましいサウンドの移り変わりです。
 『夕陽が泣いている 』のスローヴァージョンはとても珍しいし、「太陽にほえろ!」の原点らしきものも聴く事ができるし、大ヒット曲以外の映画用のオリジナル曲もふんだんにある好アルバムです。
 
収録曲
01. フリフリ[涙くんさよなら('66)]
02. メラ・メラ[ザ・スパイダースの大進撃('68)]
03 .バン・バン・バン[ザ・スパイダースの大進撃('68)]
04. あの時君は若かった[ザ・スパイダースの大騒動('68)]
05. ヒア・カム・スパイダース[ザ・スパイダースの大騒動('68)]
06. 暗闇にバラを捨てよう[ザ・スパイダースの大進撃('68)]
07. 夜明けの太陽[ザ・スパイダースの大進撃('68)]
08. ヘイ・ボーイ[ザ・スパイダースのバリ島珍道中('68)]
09. 真珠の涙[ザ・スパイダースのバリ島珍道中('68)]
10. なればいいザ・スパイダースのゴーゴー向う見ず作戦('67)]
11.ノー・ノー・ボーイ[青春ア・ゴーゴー('66)]
12.フリフリ[ザ・スパイダースのゴーゴー向う見ず作戦('67)]
13.青春ア・ゴーゴー[青春ア・ゴーゴー('66)]
14.涙のイエイエ[夕陽が泣いている('67)]
15.サマー・ガール[ザ・スパイダースのゴーゴー向う見ず作戦('67)]
16.なんとなくなんとなく[ザ・スパイダースのゴーゴー向う見ず作戦('67)]
17.あの虹をつかもう[ザ・スパイダースのゴーゴー向う見ず作戦('67)]
18.アヒルの行進[君は恋人('67)]
19.太陽の翼[ザ・スパイダースのゴーゴー向う見ず作戦('67)]
20.夕陽が泣いている slow version[ザ・スパイダースの大騒動('68)]
21.夕陽が泣いている[涙くんさよなら('66)]

スポンサーサイト

Comment

路傍の石 says... ""
文中にてリンクしていただきありがとうございます。
実は、拙は日活映画で主人公が劇中で歌う映画をすべて歌謡映画でくくっていました(笑)。なので、石原裕次郎も小林旭も主演しているその映画は歌謡映画だと思っていたんですねぇ。アクションシーンも素晴らしいけど胸にグッとくるのは歌のシーンだったもので(笑)。
でも、意外と当時のファンの半分くらいはいつ歌のシーンがくるのかドキドキしながら映画を観ていたと思われます。

スパイダースの映画も何本か観ていますけど、ストーリーはどれも他愛ないのですけど、いや荒唐無稽だからこそ際立つキャラといいますか、あの画面のなかで思いっきり弾けて輝く姿は最高です。このサントラ集も年内には手にしたいです。
2005.11.20 21:44 | URL | #3UG7ZRW. [edit]
mickmac says... ">路傍の石さん"
歌謡映画の分類って、ぼくもよくわからないのですよね。
確かに、劇中で唐突に歌を歌う小林旭のシリーズなどを歌謡映画と呼んでもいいけれど、当時の観客にはその意識は無かったでしょうね。
祐次郎やアキラの映画はリアルタイムじゃないのでよく分からないのですが、封切りで観た『二人の銀座』が歌謡映画だったなんて思ってもいませんでしたよ(笑)。

当時GS映画は観ていないのです。
GSの演奏を見たと云えば、当地のテレビ局の公開放送でジャガーズとカーナビーツのステージを見たぐらいでしたか………。
あ、バンドのステージを生で見たのはこれが最初かもしれないなぁ。このあと記憶はジョン・メイオールのステージまで跳んでしまいます(大笑)。
2005.11.21 12:57 | URL | #kuX..F9k [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://teaforone.blog4.fc2.com/tb.php/118-422ffcd9