TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「女はブルース」中原マキ


ONNANO BLUES / SUBETEWO WASURETE
中原マキ◆ 女はブルース/すべてを忘れて 1970年

 女性ジャズ・ヴォーカルにのめり込んだ70年代後半から80年代、笠井紀美子をはじめ中本マリ、安田南、阿川泰子、アンリ菅野、金子晴美のレコードを集めるなかで、伊藤君子を知った。
 その伊藤君子が、歌謡曲歌手として下積みをしていたのは周知のこと。
 このシングルは、伊藤君子が中原マキ名義で1970年8月にリリースした、たぶん最後の歌謡曲だと思う。

 小節を廻し、微妙なヴィブラートも効かせた演歌調なので驚いたのだが、A面「女はブルース」の発声は青江三奈。B面「すべてを忘れて」は藤圭子的演歌フォーマットを踏襲する歌謡ブルースで迫ってくるのだが、歌謡曲としては平凡か、名前も知られずに次から次へと消えていった歌謡歌手のひとりとなるのは致し方ないか。

 1970年辺りはブルース・ロックを夢中で聴いていた傍らで、ディープな歌謡曲を聴くのも愉しみだった。藤圭子はもとより、緑川アコなどはジャニス・ジョプリンを初めて聴いたときくらい衝撃的な歌謡曲だったりして、「レコードマンスリー」というレコード店向けの新譜情報誌を片手に、こっそりディープな歌謡曲を探す日々が楽しかった。
 このシングルが発売された8月前後には、太田とも子サンとロペを買ったと記録にあるのだが、当時は中原マキには食指が動かなかったようだ。伊藤君子の愛称〝ペコ〟は当時からのものらしく、ジャケットにその感じが表れているようなのでジャケ買いもしなかったのだろうな(笑)。


 さて、歌謡曲を歌うことに嫌気が差していた中原マキは、人からジャズを歌えばとアドバイスを受け、本格的にジャズを勉強したというのである。歌の世界で上手く方向転換できた希有な女性が彼女だったであろう。
 1982年にジャズアルバム『BIRDLAND』で再デビューしてから現在まで、ジャズ・ヴォーカリストとして素晴らしい歌声を聴かせてくれている。

KimikoIto_birdland.jpg



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