TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「ずべ公番長 ざんげの値打ちもない」*山口和彦監督作品



監督:山口和彦
脚本:宮下教雄、山口和彦
撮影/仲沢半次郎
音楽:津島利章
主題歌:「ざんげの値打ちもない」北原ミレイ
挿入歌:「棄てるものがあるうちはいい」北原ミレイ
出演:大信田礼子、賀川雪絵、橘ますみ、集三枝子、市地洋子、片山由美子、伴淳三郎、左とん平、南利明、笠置シヅ子、金子信雄、中谷一郎、渡瀬恒彦、北原ミレイ

☆☆☆ 1971年/東映/86分

    ◇

 大信田礼子の当たり役〝ずべ公番長〟シリーズ第4作にして最終作。


 不良少女たちの更生施設「赤城女子学園」に四度入所中の〝はまぐれおリカ〟こと影山リカ(大信田礼子)は、背中に紅薔薇の刺青をしたみどり(片山由美子)と出会う。

 一年後。出所して新宿に戻ったリカは、みどりを訪ねて父親の鉄五郎(伴淳三郎)が営む自動車整備工場に顔を出し、そこで住み込みで働かせてもらうことなった。
 その工場は、みどりと同棲している不良学生の浜田の借金のために、新宿一帯を取り仕切る大矢組から脅迫を受けていた。大矢組は土地乗っ取りのためにイカサマ賭博を仕掛けていたのだった。

 リカはかつての仲間たちに再会。朋友のヤオチョウこと八尾長子(橘ますみ)、センミツこと千本ミツ子(集三枝子)はキャバレーのホステスに……おゆき(市地洋子)は実家のラーメン屋で働いていた。そして、冬木マリ(賀川雪絵)は、内縁の夫で病床に伏せるヤクザの荒井(中谷一郎)を看病するためにヌード・スタジオのモデルをしていた。
 ひょんなことからトラック運転手の竜二(渡瀬恒彦)に出会うリカ。竜二は荒井の弟で、兄の身を案じ堅気になるように進言するが、頑な兄に心を痛めていた。

 工場の件で大矢組の組長(金子信雄)に頭を下げに行ったリカとみどりが捕まり、助けに来た鉄五郎の過去が明かされる。
 マリの妊娠で足を洗う決意をした荒井に大矢は鉄五郎の殺しを条件に出すが、不意打ちを喰らいふたりとも殺害されてしまう。
 喪章を付けた深紅のマキシコート(特攻服)に身を包んだ5人の女衆(真面目になったおゆきに代わってみどりが仇討ちメンバーになる)は大矢組に殴り込み、さらしとホットパンツ姿になり復讐の刃で鮮血を流すのだった……。

    ◇

 〝ずべ公番長〟シリーズは、以後、東映の看板となる池玲子と杉本美樹の〝スケバン〟シリーズへと発展してゆくのだが、まだこの頃のずべ公たちにはエロやヴァイオレンスは少なく、どちらかと言うと歌謡映画の人情ドラマとして成立している。
 陰鬱で情念の池玲子や杉本美樹たちと違って、天真爛漫な大信田礼子の、情に厚く無鉄砲だが威勢のいい明るいキャラクターが魅力になっている快作である。

 ストーリーは全4作とも同じようなパターンで、お約束通りの展開はマンネリズムの開き直りでもあるが、コメデイ・リリーフとしての左とん平や南利明、笠置シヅ子、シリアスな伴淳三郎の芝居や金子信雄のおカマの役づくりなど、脇の固まったプログラム・ピクチャーに怖いものはないのだ。

 お気に入りは賀川雪絵。彼女が最初に登場するシーンでは荒んだメイクに少し引いてしまうが、長身を持て余す健気な女の子ぶりにはドキドキしてしまう。

 北原ミレイが「棄てるものがあるうちはいい」をGO GO クラブでたっぷり歌ってくれるのも嬉しいシーンだったが、タイトルバックに流れる主題歌「ざんげの値打ちもない」はレコードとは違う別ヴァージョンだった。〝鉄の格子の空を見て〜〟と映画にはピッタリの歌詞でありながら、レコーディングは劇伴用だけのものしか存在しておらず、北原ミレイのレコードでは一切使用されずにいた。
 そして、長いこと封印されていたこの幻の四番の歌詞のことが明かされたのは、阿久悠没後1年に放送されたNHKの生放送においてだった。それ以前には、山崎ハコが阿久悠トリビュート盤でカヴァーをしていたが、オリジナルの北原ミレイが38年ぶりに初めて歌ったことは感動ものであった。

zubekou-zange_card.jpg
左から、集三枝子、賀川雪絵、大信田礼子、橘ますみ、片山由美子

★ざんげの値打ちもない 幻の歌詞のこと★
★ハコが唄う ざんげの値打ちもない★


スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://teaforone.blog4.fc2.com/tb.php/1140-5abafe97