TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「続・いそぎんちゃく」*臼坂礼次郎監督作品

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監督:臼坂礼次郎
脚本:長谷川公之
撮影:上原明
フォト:立木義浩
音楽:八木正生
挿入歌:「可愛い悪魔」「真夜中のテラス」渥美マリ
出演:渥美マリ、有島一郎、田中邦衛、森川信、平泉征(現・平泉成)、八代順子、高原駿雄、しめぎしがこ、中条静雄、炎三四郎(現・速水亮)

☆☆☆ 1970年/大映/81分

    ◇

 大映映画末期の新人女優からひとり、群を抜いて輝いたのが渥美マリ。
 彼女の主役デビュー作品『いそぎんちゃく』(’69)が大ヒットし〝軟体動物シリーズ〈全6作〉〟が製作され、本作は1970年2月公開のシリーズ第2作目。
 ヒロインの名前は1作目と同じだが、ストーリーは別物である。
 この〝軟体動物シリーズ〟ひと言で云えば、肉体を武器に男を利用して逞しく生きてゆく女のサクセス・ストーリー。
 
 東北のある高校。幼いときに両親を亡くした石田浜子(渥美マリ)は、罪作りな美貌ゆえにPTA会長の横田(高原駿雄)に犯されそうになるも、彼女が誘惑をしたということで退学になる。親戚の家にも居づらくなり、東京に出て来ることに。
 汽車のなかで知り会ったガソリンスタンドの経営者のところで住み込みで働くことになった浜子は、その美貌がお客を呼び店の売上が倍増、すっかり人気者になる。
 同僚の芳枝(八代順子)は、金持ちのボンボンを釣るためには自分の身なりにもお金をかけなくてはダメだと云うが、浜子は周囲の男たちには目もくれない。実は彼女は、両親がだまし取られた土地を買い戻そうとお金を貯めことに一生懸命だった。
 休日に芳枝とスケート旅行した浜子は、真面目な大学生の正彦(炎三四郎)に出会いヴァージンを捧げる。彼氏が出来たふたりだったが、芳枝の彼(平泉征)はホテル経営の息子と称していたが金だけせびって姿を消し、浜子の方も正彦との仲は続かなかった。が、資産家の実家から無理強いに手切れ金を渡され、それを貯金にまわすのだった。

 スタンドの主人の垣内(森川信)が浜子の入浴を覗いたことでひと騒動が起こり、垣内の義弟で山師の大森(有島一郎)の世話で偽霊感少女に仕立てられ、ここでひと儲けする。
 その後、アルバイトのスナックで歌を歌っていると、姉崎(しめぎしがこ)と名乗る女性からレコード出さないかと誘われるが、レコード会社のディレクター滝沢(中条静雄)には相手にされない。その帰り、たまたま出会った新進気鋭のカメラマン高井(田中邦衛)からモデルにと誘われ、写真展が催され浜子の写真は大評判を得る。
 高井に恋心を持った浜子だったが、高井がゲイだと知り失望…スタジオからの帰り、かつての同僚の芳枝が堅実な結婚をし八百屋の嫁ながら幸福な姿を目の当たりし、浜子はさらに失意の底に堕ちていた。
 写真展の会場、偶然にも高校を退学になったきっかけの横田に再会。彼の落ちぶれように同情し身体を許すが、横田は浜子の有り金から預金通帳一切を持ち逃げしてしまう。
 絶望のなかアパートに帰ると姉崎と滝沢が待っており、写真展が評判だった浜子にレコードを出さないかと持ち掛けてきた。浜子は最後の夢に賭けることにした。そして、大成功するのだった……。

    ◇

 有名になってもボロアパートに住むヒロインに「男関係とかいろいろなことしたみたいね。それで有名になるんだから……そういう時代なのよ、いまは」と、近所の主婦たちに陰口を叩かれ映画は終わるのだが、1970年、確実に時代は新しい時を迎えた。
 それまでのアイドルの概念を変え裸とセックスの〝セクシー・アイドル〟を確立した画期的女優渥美マリは、この年8本の映画に出演し、そのうち〝軟体動物シリーズ〟が5本。シリーズの残りすべてが1970年に製作されたが、大映は倒産の道を進んだ。
 日活ロマンポルノが開始されるのは1971年11月である。

 1950年生まれの渥美マリは、両親ともに大映の俳優だったこともあり、高校2年生のときに大映の演技研究所第19期生になり、1968年に高校を中退し専属女優となり『ガメラシリーズ』で映画デビューしている。
 南美川洋子、八代順子、八並映子、水木正子らとともに、大映末期の新人女優としてハレンチ青春映画などで出演作を重ね、1969年『いそぎんちゃく』で主役を果たし和製ブリジット・バルドーと称されていた。当時としては日本人離れしたグラマーな肢体と、どこかあどけなさを残した表情が妖艶さを醸し出し、いまだにファンが多いのもうなづけること。

 本作では裸になるシーンはあるがバストを見せることはなく、後半のヌード撮影シーンなどで観客をドキドキさせる。劇中で使用される渥美マリの数々のヌード写真は、フリーフォトグラファーとなったばかりの立木義浩の作品。
 当時、平凡パンチで目にした有名なものばかりで、この映画から生まれたデビューシングルのジャケット写真もこの中から使われていて、グラビアとして渥美マリというセックス・シンボルが確立された1作といえるだろう。

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★いそぎんちゃく★



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