TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」*スティーブ・クローヴス

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The Fabulous Baker Boys
監督・脚本:スティーブ・クローヴス
製作総指揮:シドニー・ポラック
音楽:デイブ・グルーシン
出演:ジェフ・ブリッジス、ミッシェル・ファイファー、ボー・ブリッジス

☆☆☆☆ 1989年/アメリカ/109分

    ◇

 ホテルのラウンジや場末のバーでピアノを弾いているベイカー兄弟。15年のプロ生活でもかなりの落ち目。起死回生を願い女性ヴォーカリストのスージーを加えたことで人気が出るが、徐々に三人の関係がおかしくなっていく………。
 ふたりの男とひとりの女の洒落た大人の物語。恋愛映画のような音楽映画のような、ちょっぴりほろ苦く、それでいてスウィートなドラマ。役者と脚本そして音楽が見事にマッチした映画だ。脚本が素晴らしく、三人の人物像がはっきりしているからそれぞれの人物に対して共感を覚える。若くはない男たちと女は、人生を知ってしまっている分お互いに本音を言えないもどかしさがある。それは兄弟の愛でも男女の恋愛でも同じで、その不安と焦りのようなものが三人三様のこころの機微として描かれていく。
 ベイカー兄弟をボー・ブリッジスとジェフ・ブリッジスの実の兄弟が演じていることと、ミッシェル・ファイファーが劇中で見事な歌唱力を聴かせてくれたことでも話題になり、この映画でゴールデン・グローブ賞の主演女優賞を獲得した。実際、ミッシェルの唄声には聴き惚れる。

 兄のフランクは、妻子と郊外に家を持つ中流意識が染み付いた堅実派。現状をなんとか無難に過ごすことを優先し、新しいことへのチャレンジをしようとしない。
 弟のジャックは、人生の目的も見いだせないまま日々無気力に過ごす無頼派。ピアノの腕は兄より上だが、人間関係の術は上手くない。唯一自分が生きていると実感できるのは、飲みにいくジャズクラブでのアドリブ演奏。しかし、それもスージーに逃避だと指摘されてしまう。
 スージーは、学歴もなく蓮っ葉で妖しくセクシーな女性だが、上昇志向が強く冒険的で、自分に正直に生きている“タフ”な女性。自分の意見をズバズバ云う彼女はたびたびふたりと衝突をするのだが、選曲の打ち合わせでフランクと「フィーリング」がパセリ以下だと云い合うシーンなんか面白い。

 クールだけど、少し情けないジェフ・ブリッジスが凄くいい。酔いどれ役(例えば「800 万の死にざま」でのマット・スカダー役)と同じくらい彼にはこういった役がお似合いで、男からみて、格好悪いことのカッコ良さみたいなものを醸し出す男優だ。


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