TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「大病人」*伊丹十三監督作品

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監督:伊丹十三
脚本:伊丹十三
撮影:前田米造
音楽:本田俊之
出演:三國連太郎、津川雅彦、木内みどり、高瀬春奈、宮本信子、熊谷真美、田中明夫、三谷昇、高橋長英、左時枝、渡辺哲、村田雄浩、清水よし子、南美希子、櫻井淳子

☆☆☆★ 1993年/東宝/116分


 初見1993年6月。

 暴力団に襲われ全治三ヶ月の重傷を負った伊丹十三が、事件が生々しいままに撮りあげた監督作品第7作目のテーマは「死」。
 大病人と医者と看護婦と妻と愛人の人間模様を巧みなユーモアで編み込み「死生観」を描いたが、興業的にはヒットしなかった。

 病院を舞台にするコメディなら「病院へ行こう」とか「ガンと闘う○○の方法」とか、もっと前向きな言葉でテンションを上げるタイトルを付けるだろうに、伊丹十三は「大病人」の「大=大病=癌」という負のアイコンでデリケートなテーマに堂々と切り込んできた。
 本作が製作された頃はまだ「本人への癌の告知」は一般的ではなかった。この映画は「人間にとって理想的な死に方」「人間の尊厳とは何か」を、往生際の悪いエロおやじを主人公にして語るところが実に生々しく面白いのである。
 実際に誰もが往生際を良くするなんて難題だが、「死」を見つめることで「生」を感じる実感はよく理解できる。

 三國連太郎の子供みたいにダメ男ぶりの熱演。
 臨死体験のシーンは、当時日本映画初のデジタル・エレクトリック・オプティカル・システムによる合成画像。三國連太郎が異次元を飛び廻るが、ここは、新しもの好きの伊丹十三が4分間遊んでしまったってこと。

 裸になることを拒みランジェリーのままでラヴシーンを演じた愛人・高瀬春奈は十分に「性」の官能が豊かだったし、自転車に乗った溌剌とした美少女・櫻井淳子の姿は、まさしく美しいものに「生」を感じさせる素晴らしいシーンだ。

 

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