TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「冬の華」*降旗康男監督作品

1978_冬の華

監督:降旗康男
脚本:倉本聰
撮影:仲沢半次郎
音楽:クロード・チアリ
出演:高倉健、池上季実子、北大路欣也、田中邦衛、夏八木勲、三浦洋一、小池朝雄、峰岸徹、小池朝雄、岡田真澄、小林稔侍、小沢昭一、大滝秀治、藤田進、倍賞美津子、池部良

☆☆☆☆ 1978年/東映/121分

 初見1978年9月。
 倉本聰が大ファンである高倉健のために書き下ろしたオリジナル作品。


 関東の東竜会幹部の加納秀次(高倉健)は、会長の坂田良吉(藤田進)を裏切り、関西の暴力団に寝返った兄貴分の松岡(池部良)を殺さざるを得なかった。
 松岡には3歳になる一人娘がおり、秀次は舎弟の幸吉(田中邦衛)にその娘の面倒を託し、北海道の旭川刑務所に服役した。服役中、秀次はブラジルにいる叔父と偽り松岡の娘洋子と文通をつづけていた。
 15年の刑を終え出所した秀次は、彼の手紙を洋子に届けるうちに恋人となった竹田(三浦洋一)の案内で彼女と出会うと、洋子は美しい高校生(池上季実子)になっていた。

 「もう切ったはったの時代じゃねえぜ」
 やくざの世界も時代が変わっていた。自分の居場所がなくなり居心地が悪くなった秀次は堅気になる決意を固めるのだが、関西勢力との抗争が勃発し、坂田会長が刺客に殺される。
 秀次は、否応なく昔の世界に引き戻されていくのだった………。

    ◇

 前年に連続TVドラマ初主役となる「あにき」を高倉健に贈った倉本聰が、当時から既に説明過多のドラマや映画が多くなってきたなかで、今度は映画において健さんにひと言も喋らせない物語を想定して書き上げたという本作。それまでの東映やくざ映画にあった怒号と血しぶきがチャイコフスキーとシャガールに代わった、少しお洒落な任侠映画となった。
 実際には健さんに喋らせないという設定は実現しなかったが、全編通してフレンチ・フィルム・ノワールの如き、寡黙な男たちの目と目で分かり合う世界の連帯で貫かれている。

 また、シャガールを熱愛し蒐集する会長の藤田進やブランデーのミルク割りを好むインテリやくざ岡田真澄、アメ車好きの天津敏や息子の大学合格に破顔する小池朝雄、カラオケ命の小林亜星など、従来のやくざ像のイメージを壊した人間臭い人物像など、演じる役者を活かした脚本の妙が楽しめる。
 
 登場人物の台詞が少ないなかで、特に小林稔侍は当初の健さんの設定を踏襲したのだろう。一言も言葉を発しない役柄で男の美学を見せてくれる。「健さん命」の小林稔侍にとって、渾身の佇まいである。

 そして拙い演技の池上季実子だが、翌年の『太陽を盗んだ男』のゼロ役も同様にこの美貌があれば良しだろう。


スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://teaforone.blog4.fc2.com/tb.php/1026-5c91736f
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。