TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

《ママ・ブルース》から《名美のブルース》へ

 来週は池田敏春監督の命日。クリスマスが近づくと監督を思い出すようになるのは哀しいことだな。
 折しも、kuzumochikuzukoさんから池田敏春監督の傑作『天使のはらわた 赤い淫画』に関して、挿入曲のことで質問があった。
 『天使のはらわた 赤い淫画』には《名美のテーマ》ともなるブルージーなJazzヴォーカルが流れるのだが、これは石井隆ファンの間でも気になる事案で、誰の何て曲なのか判らないままに30年以上が過ぎている。この曲のファンは多くいる。
 8年ほど前に、石井隆作品(映画・劇画)で使用される音楽(主に歌謡曲だが)に関してのレヴューを書いたおりにも、この曲に関しては書くことが出来なかった。
 今回、kuzumochikuzukoさんへの返事としてコメントを記したが、ぼくも確かな情報を持ち合わせていないために、もっと多くの情報を募る意味でブログ本文に書き起こすことにする。

 『赤い淫画』に流れるこの切ないBluesは、名美の心情を静かに捉える。何者かに追われる不安なアパートの部屋に……名シーンとなる雨のジャングルジムに……そして、無常なるラストシーンに。
 実はこの曲、1970年製作の長谷部安春監督の傑作『野良猫ロック セックスハンター』の《ママ・ブルース》としても有名な曲。音楽担当は鏑木創。
 『赤い淫画』が『野良猫ロック/セックスハンター』のストック・テープを使用したのは明白で、黒人ヴォーカルみたいに聴こえるのだがどこか日本人の発声のようにも聴こえたり……。案外ジャズ・ナンバーに原曲があり、著作権の関係で日本人が録音し直したものと考えていた。このBluesは鏑木創さんのオリジナルだとぼくは思っているのだが…。

 ロマンポルノにおいては予算の問題で使い回しをすることはよくある。『赤い淫画』の音楽担当の甲斐八郎という名も、実在の人物ではなくオリジナル曲を使用しない場合の名前として使われる架空の人物名だ。
 ただ、鏑木創氏もロマンポルノでは月見里太一というペンネームを使用していたのだから、何も甲斐八郎名にすることもないのかと思ったり。うむ、考えれば考えるほど判らないことになるのだな。
 鏑木創のサントラ盤として『野良猫ロッ/セックスハンター』がリリースされているのでライナーノーツに何かしら明記されているのかもしれないが、不覚にも所持していない。どなたか、所持されている方のお話を聞きたい。

 どちらにせよ、《ママ・ブルース》を名美のテーマに使用した『赤い淫画』は、池田敏春監督のセンスが光った傑作ということになるのである。



[池田敏春作品]
★天使のはらわた 赤い淫画★
★人魚伝説★
★ハサミ男★
★魔性の香り★


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