TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「せんせい」*山城新伍監督作品


監督:山城新伍
脚本:重森孝子
撮影:鈴木耕一
音楽:津島利章
題字:佐久間良子
主題歌:「望郷」上田正樹
出演:松方弘樹、梅宮辰夫、渡瀬恒彦、千葉真一、北大路欣也、山城新伍、南果歩、沢田亜矢子、蟹江敬三、水島道太郎、室田日出男、冨士真奈美、倍賞美津子、地井武男、津川雅彦

☆☆☆ 1989年/松竹/119分

    ◇

 廃校が近い東京・下町の中学校を舞台に、型破りな教師と生徒たちとのふれあいを描いた作品で、松方弘樹、梅宮辰夫、千葉真一、北大路欣也、山城新伍、渡瀬恒彦の6人が立ち上げた〈トムソーヤ企画〉が製作した1本。

 東京・佃島にある創立100年の歴史を持つ佃二中は、土地開発のため夏休みにとり壊されることになっていた。
 一学期の終業式で教頭(室田日出男)がその報告をしたが、生徒も教師も真面目に聞いている者は少ない。そんな中で国語を教えている中島(渡瀬恒彦)は、夏休みを利用して落ちこぼれの生徒たちに正規の授業でできなかったことを教えようと提案。初めは誰も賛同してくれなかったが、若くて美しい音楽教師の桜井桃子(南果歩)が手伝うことになると、数学(松方弘樹)、理科(地井武男)、社会(千葉真一)、英語(梅宮辰夫)らベテラン教師も一緒にやろうと言い出した。
 授業の初日。教室には氷屋の娘で美人の礼子や、彼女らに引き連れられた落ちこぼれの生徒たち数人が集まり、生徒たちのリクエストで、先生たちはそれぞれ得意なことを教えることになった。女にモテる方法や喧嘩の仕方、ローラースケートやカラオケ、料理など、教える方も教わる方も喜びを感じ始めるのだった。
そんな楽しそうな雰囲気に、ほかの進学希望の生徒たちも集まるようになった。
しかし気に入らないのは塾の経営者(津川雅彦)と高校受験を心配する父兄たち。教育委員会に申し立て、委員(山城新伍)からクレームがついて授業は中止となる。
 落ち込んでいた中島は、癌で寝たきりの女子生徒の父親に祭りを見せてやろうと計画し、再び生徒を集めた。今度も町内会からクレームがついたが、神社の宮司でPTA会長(北大路欣也)の計らいもあり、先生と生徒たちは自分たちの意志で祭りの準備のため神輿づくり
に取り掛かる。そして、祭りは成功に終わるのであった。 

    ◇

 “奴らが泣かせる 大人のメルヘン”

 強面のメンツが学校の先生を演じるっていうだけで、そのギャップある設定が面白そうだったけど、これがベタベタなセンチメンタルなお話。
 古くさく、見え見えのお涙頂戴なのだが、心に沁みる。

 山城新伍の監督ぶりは4本目だけに手堅くオーソドックス。下町の風情から、人間味ある市井の人々を描きながら、日本の教育現場への注文、というより本来の教育者の姿とは何ぞやと問いかけ、理想の姿を求めるかたちになっている。
 まぁ理屈っぽい山城新伍らしい演出なのかもしれない。

 東映の朋友たちがさぞ楽しんで作ったろうなと想像したが、近年、松方弘樹がこの映画の裏話を語ったとこによると、やはり結構大変だったらしい。

 プロデューサーは千葉真一。金を集めるから出演者を集めてくれと松方弘樹に相談したところからこの企画が始まり、倉本聰が「トムソーヤの冒険」のような話を第一稿に書き上げたが各人のスケジュールの都合が合わずボツ……。そして脚本家が変わり、廃校を舞台にした下町ほのぼの物語になったのである。

 当初は千葉真一が監督するつもりだったようだが、監督経験者の山城新伍が名乗りを上げ上手くまとめて進行するはずが、撮影に入るとみんなが演出したがるのでテンヤワンヤ。
 興業的にも大コケした。赤字分を渡瀬恒彦除く5人で出演した入浴剤のCMでペイしたという。
 豪華競演で話題になった1990年の『バブルスター』CMはそんな因縁があったのだが、結局このスポンサーも如何わしい会社であったため薬事法違反に問われ、バブル景気とともに泡と消えたのであった。


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