TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

宇崎竜童、弾き語り「Just Guitar Just Vocal~Cry」

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Just Guitar Just Vocal~Cry/宇崎竜童

 音楽活動40thアニバーサリーとして御堂筋ブルースバンドとバンド活動をし、2枚のアルバム(「NOTHING BUT a BLUES BAND」「海賊盤 II BEAT of SOUL」)をリリースしてきた宇崎竜童が、初の弾き語りアルバムをリリースした。
 赤坂のプライベートスタジオにて約1年かけて録音した多くの楽曲を、初のプロデュースを任された阿木燿子が取捨選択した珠玉のヴォーカル集となっている。渋いアルバムである。
 先の2枚のアルバムが通販とライヴ会場での手売りだったのに対し、今回から大手CDショップでも手に入るようになり、価格も税込2000円と低価格になったのは朗報であろう。

 さて、ライヴハウスで聴いているような弾き語りはダウン・タウン・ブギウギ・バンドのセルフカヴァーナンバーとしてお馴染みの「裏切者の旅」「あゝブルース」「涙のシークレット・ラヴ」に加え、今回は「昼顔の朝」「 恋のかけら」をアコースティックギターでしっとりと歌い上げる。
 
 詩人で初代「週刊少年ジャンプ」編集長の長野規(ただす)の作詞で、宇崎竜童&R. U. コネクション with 井上堯之のベストアルバム『CHOICE』(’97)に収録の「風葬」や、伊集院静の作詞で同じく宇崎竜童&R. U. コネクション with 井上堯之の『SAY NO』(’98)に収録されている「FINGER」、竜童組の「永遠にTOO LATE」、岩城滉一/世良公則とのユニット〈GENTLE3〉で発表した「誰も居ない八月」など、いままでにない耳新しい選曲もうれしい。

 他アーティストに提供した楽曲としては、ジョー山中の「ララバイ・オブ・ユー」、大西ユカリの「このままあなたと」、内田裕也の「ONE NIGHTララバイ」のR&Bありロッカ・バラッドあり……そして聴きどころは、藤圭子のヒット曲「面影平野」。
 竜童歌謡の大傑作「面影平野」と、つづく「道行華」(映画『曽根崎心中』主題歌)の流れは、まさに漆黒のブルーズであり“怨歌”の道筋……絞り出すように歌う竜童節に聴き惚れてしまう。

    ◇

01. 裏切者の旅
02. 恋のかけら
03. FINGER
04. あゝブルース
05. ララバイ・オブ・ユー
06. このままあなたと
07. ONE NIGHTララバイ
08. 風葬
09. 誰も居ない八月
10. 涙のシークレット・ラヴ 11. 昼顔の朝
12. 永遠にTOO LATE
13. ハッシャバイ・シーガル
BONUS TRACK
14. 面影平野
15. 道行華

 宇崎竜童の公式サイトには、次回予告として7月発売の「NOTHING BUT a BLUES BAND II」が告知がされている。
 なかでも「煉獄のブルース」の再録が愉しみだ。


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「ル・バル」*エットレ・スコーラ

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するものです。

1985_ル・バル
LE BAL
監督:エットレ・スコーラ
脚本:ルッジェロ・マッカリ、ジャン=クロード・パンシュナ、フリオ・スカルペッリ、エットレ・スコーラ
音楽:ウラディミール・コスマ
出演:ジュヌヴィエーヴ・レイ=パンシュナ、マルティーヌ・ショーヴァン、レジ・ブーケ、エティエンヌ・ギシャール

☆☆☆☆ 1983年/イタリア・フランス・アルジェリア/112分

 初見1985年6月。
 パリのボウル・ルーム(ダンスホール)を舞台に、1930年代から1983年までの時のなかに生きてきた人々の人間模様を、台詞を一切省き(声をも発しない所謂パントマイム)、音楽とダンスで表現した映画である。
 オリジナルは舞台作品で、舞台のキャストがそのまま出演している。

 「待ちましょう」「そして、今は」「ラ・パロマ」「リリー・マルレーン」「イン・ザ・ムード」「バラ色の人生」「アンナ」「オンリー・ユー」「ミッシェル」………
 それぞれの時代に巷で流行った音楽にあわせ、女性9人男性11人の無言の俳優たちがダンスを踊りながら世情と風俗を雄弁に語ってゆく……。
 ブルジョワが優雅に舞う時代、ナチス占領下に苦しむ暗黒の時代、パリ解放と終戦の歓びの時代、反体制と学生運動の五月革命に揺れるロックな時代、ディスコティック全盛ファッショナブルに酔う時代………。
 開巻から20分くらい経つとカメラは壁の姿見に近づいていき、鏡に写るカウンターのエスプレッソの蒸気とともに画面はモノクロ映像となり、時代は1930年代に遡る……登場人物たちのキャラクターは同じままに、時代の移り変わりが俳優たちの表情と仕草で表現されいく趣向。
 フランスの歴史、ファッション、音楽の流行などに彩られた人間の活力が観客に伝わり、最後はホロリとさせてくれる。素敵な映画である。

 1984年セザール賞で作品賞、監督賞、音楽賞を受賞し、ベルリン映画祭では銀熊賞を獲得している。


◆[ル・バル]全編をご覧になりたい方はコチラで……

「ビギナーズ」*ジュリアン・テンプル

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するものです。

1986_ビギナーズ
ABSOLUTE BIGINNERS
監督:ジュリアン・テンプル
原作:コリン・マックィネス
脚本:リチャード・バーリッジ、クリストファー・ウィッキング、ドン・マクファーソン
音楽:ギル・エヴァンス
出演:エディ・オコーネル、パッツィ・ケンジット、デヴィッド・ボウイ

☆☆☆ 1986年/イギリス/107分

    ◇

 初見1986年6月。
 1958年のロンドン、ソーホーを舞台にスウイングに明け暮れるティーンエイジャーたちを群像劇で描いたミュージカル映画で、全編に流れるジャズやロックがゴキゲンだし、冒頭ではセット建てされたソーホー地区の街を7分間の長廻しで魅了させてくれる。

 監督のジュリアン・テンプルはミュージック・ビデオの世界では知られた鬼才。MTVが台頭、PV(プロモーション・ビデオ)の全盛でもあり、カラフルでテンポの早い映像を見せてくれる。
 音楽は、悪徳広告代理店の社長に扮して出演しているデヴィッド・ボウイをはじめ、シャーデー、スタイル・カウンシル、レイ・デイヴィスらのポップなサウンド。そして何よりも素晴らしいのが、当時70歳台の御大ギル・エヴァンスが編曲・演奏するスウィングするジャズの数々。

 同時上映は『エルム街の悪夢』だった。

◆シャーデー「Killer Blow」




「ファンダンゴ」*ケヴィン・レイノルズ

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するのみです。

1986_フアンダンゴ
FANDANGO
監督:ケヴィン・レイノルズ
脚本:ケヴィン・レイノルズ
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:ケビン・コスナー、ジァド・ネルソン、サム・ロバーズ、チャック・ブッシュ、ブライアン・チェザック、マーヴィン・J・マクインタイア

☆☆☆ 1985年/アメリカ/91分

 初見1986年3月。

 風がぼくらを追い越していく
 輝いていた、あの頃。

 ベトナム戦争最中の1971年。テキサスのある大学の寮生5人組「グルーバーズ」のリーダーでプレイボーイのケビン・コスナーに召集令状が来たことで、最後の「馬鹿騒ぎ(ファンダンゴ)」をやろうと旅に出るロードムービー。
 友情と別離、そして、人生を切り開いてゆく力を与えてくれる青春ストーリーである。

 無名時代のケビン・コスナー初主演映画であり、以後ケビンの朋友となるケヴィン・レイノルズの初監督作品。そして、S・スピルバーグが設立した「アンブリン・エンターテインメント」社の第1回製作作品というおまけがつく。

 オープニング曲にエルトン・ジョンの「土曜の夜は僕の生きがい」(’73)が流れ、エンディングはブラインド・フェイスの「マイ・ウェイ・ホーム」(’69)が使われる。
 劇中には、クリームやステッペンウルフ、キャロル・キング、アイアン・バタフライなど70年代の名曲、キース・ジャレット、パット・メセニーのインストゥルメンタルに彩られ、ある意味『アメリカン・グラフティ』の70年代版と云えるかも。
 残念なのは、権利上の問題で収録曲のサントラ盤がリリースされなかったことだろう。エルトン・ジョンとキャロル・キングはサントラ盤と名打ったシングル盤が出ていたが………。

「白ゆき姫殺人事件」*中村義洋監督作品


監督:中村義洋
原作:湊かなえ
脚本:林民夫
音楽:安川午朗
出演:井上真央、綾野剛、菜々緒、蓮佛美沙子、金子ノブアキ、貫地谷しほり、谷村美月、染谷将太、小野恵令奈、宮地真緒、大東駿介、秋野暢子、ダンカン、生瀬勝久

☆☆☆★ 2014年/松竹/126分

    ◇

 長野の国定公園内で、全身をめった突きされた化粧品会社社員の三木典子(菜々緒)の焼死体が発見された。彼女の指導を受けていた新入社員の狩野(蓮佛美沙子)から連絡を受けた大学の友人でTV局の派遣映像ディレクター赤星(綾野剛)は、早速取材を開始する。
 狩野によれば、美人で目立つ存在だった三木典子と同期入社の城野美姫(井上真央)が事件直後から姿を消しているという。城野に疑惑を抱いた赤星は、彼女の周囲を取材して証言を集める。
 会社のパートナー(小野恵令奈)や上司(金子ノブアキ)、大学時代の友人(谷村美月)、故郷の家族(秋野暢子、ダンカン)、同級生、幼馴染み(貫地谷しほり)らから城野がどんな女性だったかを語らせ、それをテレビのワイドショーで派手に放送して大きな反響を呼んだ。と同時に、赤星は取材で得た情報をTwitterに発信する。
 ネットは次第に匿名性を失い、憶測と中傷によって城野は容疑者となっていくのだが、彼女は行方をくらませたまま沈黙をつづけていた……。
 城野が犯人なのか………行方をくらませる理由は何なのか……

    ◇

 湊かなえの作品は、人間の(特に女性の)悪意を描くことで読者や観客の深層にある好奇心を刺激する。物語のなかに殺人が起きても、それは人間の悪意をすくい取るためのきっかけに過ぎず、犯人が誰とか、解明される動機や手段に重きを感じることがなく、それよりも、ちょっとした身に覚えのある事柄に読者や観客はゾクっとさせられるのだと思う。

 「記憶は捏造される」
 幼馴染みの谷村夕子が言うこの言葉が、本作の根幹となっているところだろう。
 メディアの暴走は今までも言い尽くされてはきたが、ネットでの「噂」と「無意識の悪意」の増幅の怖さをあらためて感じさせる作品である。

 取材対象者の証言の積み重ねだけで語られるストーリーは、それぞれの話が食い違い、何が本当で真相がどこにあるのかが見えてこない。原作では週刊誌記者だったところをTVマンに変えたことで、ネット以外のメディア情報のスピードも増大し、カメラやマイクの前では人間は自分を無意識のうちに正当化したり、話を大きくしがちになることがよく判る。
 カメラを構えた人間の思い込みと先入観による映像編集の怖さと、ネットではどんどんエスカレートしていく反応を字幕を駆使しながら見せていく映像手法が、城野美姫の過去を回想として織り込む多層構造で観るものの興味を離さない。

 証言者によって同じシチュエーションが何度も違う方向性で映されるが、その度に井上真央と菜々緒の演技に変化がつけられる。菜々緒は映画初出演だが、なかなか堂にいったもので、誰が見てもスタイル抜群の美人なのが一番説得力ある。適役。
 井上真央は、地味で孤独感にあふれた女性の憂いと優しさ、そして狂気を巧く演じ分けている。どんどんイイ女優になってきている。
 「無関係」とテロップ表記される赤星の軽薄で薄っぺらな人物像は、ラストにおいてもその人間性がよく現れていて、綾野剛にはぴったりな配役だ。

 なかなか面白く観ることができた作品だったが、しかし、終盤明かされる事件の真相は場当たり的で偶然の産物とも云え、かなり無理のあることに脱力感を覚えるのもまた確か。まぁこの程度は許容範囲であるが……。


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「ナイル殺人事件」* ジョン・ギラーミン

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するのみです。

1978_ナイル殺人事件
DEATH ON THE NILE
監督:ジョン・ギラーミン
原作:アガサ・クリスティ「ナイルに死す」
脚本:アンソニー・シェイファー
音楽:ニーノ・ロータ
出演:ピーター・ユスティノフ、ベティ・デイヴィス、マギー・スミス、ミア・ファーロー。ジョージ・ケネディ、オリヴィア・ハッセー、ジョン・フィンチ、デヴィッド・ニーヴン、ジェーン・バーキン

☆☆☆ 1978年/イギリス/140分

 初見は1975年12月
 大ヒットした『オリエント急行殺人事件』につづいてオールスター・キャストで映画化されたアガサ・クリスティのミステリ。
 灰色の脳細胞を持つエルキュール・ポアロ役を前作につづいてピーター・ユスティノフが演じるパート2的な傑作。しかし2作目(柳の下のどじょう)といってあなどるなかれ……原作アガサ・クリスティの推理劇の醍醐味がしっかりと堪能できる推理映画であり、ニーノ・ロータの美しい音楽とエキゾチックな風景に魅せられる逸品である。
 
 今回もクセのあるスターが勢揃いで、お気に入りは大女優ベティ・デイヴィスと彼女に仕える看護婦役のマギー・スミス。米国の強烈な性格女優と英国の知的女優との取り合わせ……このふたりの応酬は見もの。
 そして、オリヴィア・ハッセーは美しい。

「タワーリングインフェルノ」* ジョン・ギラーミン

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するのみです。

1975-14_タワーリングインフェルノ
The TOWERING INFERNO
監督:ジョン・ギラーミン
脚本:スターリング・シリファント
製作:アーウィン・アレン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン、ウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、フレッド・アステア、ロバート・ヴォーン、ロバート・ワグナー

☆☆☆ 1974年/アメリカ/165分

 初見は1975年
 70年代のパニック映画の金字塔と言っても過言ではないだろう。この手の作品は、パニックに陥るまでのサスペンスと人間模様が魅力になるわけだが、ストーリ展開が大雑把でアラが見えたりするとはいえ、ハリウッド映画のスター主義の真髄ともいえる豪華なスターの顔見せ興行が成されてこその醍醐味。その面白さを楽しめばいい。
 
 監督のジョン・ギラーミンはこの後、ダイナミックなアクション演出の腕を買われたのか『キングコング』のリメイク(’76)や『ナイル殺人事件』(’78)に携わった。

04/08のツイートまとめ

mickmac70

@hy1957koukeri @kaz12maru 主題歌を歌っているのは元大橋巨泉夫人マーサ三宅…お互いを出し抜きながらのトッポい男女4人組…「ルパン三世」連載前の映画だよ…共同脚本の山崎忠昭はアニメのルパン第一話を担当しているから言わずもがな…
04-08 15:22

@kaz12maru @hy1957koukeri ルリ子さんのパンツ丸見えを思い出した!
04-08 13:42

@kaz12maru @hy1957koukeri そうですよ………ポップでファンキーなクライム・コメディでした!
04-08 13:40

2011年の映画より断然面白い(笑)長谷部安春監督・佐治乾脚本……阿久悠作詞・森田公一作曲……峰岸隆之介は第一話で死んじゃうんだよね。懐かしのワイルド7: http://t.co/zdujdqES0G
04-08 13:36

不覚にもGOV'T MULEが来日していたことを知らなかった。東京3日大阪1日…各2回の8ステージのほとんどの楽曲にダブり無し__最終日ではアンコールにLittle WingとRed Houseか……
04-08 10:00

「勝手にしやがれ」*ジャン=リュック・ゴダール

 以下作品は、映画前売券(1987年リバイバル上映時のもの)のコレクションとして記録するのみです。

1987re_勝手にしやがれ
A BOUT DE SOUFFLE
監督:ジャン=リュック・ゴダール
原案:フランソワ・トリュフォー
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ラウール・クタール
音楽:マルシャル・ソラル
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ、ダニエル・ブーランジェ、ジャン=ピエール・メルヴィル、ジャン=リュック・ゴダール

☆☆☆☆ 1959年/フランス/90分

    ◇

 「パリ」「シャンゼリゼ」「モノクローム」
 「モーツァルト」「レコード」「ノイズ」
 「自動車泥棒」「ボギー」「死」

 「物語」より「場面」
 「感情」より「観念」
 「台詞」より「独白」

 ジャン=ポール・ベルモンドのスタイル
 「タバコ」「拳銃」「サングラス」

 ジーン・セバーグのインパクト
 「セシールカット」「ボーダーシャツ」「キュート」

 これで「映画」は成立する


 

「レニングラード攻防戦」* ミハイル・エルショフ

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するのみです。

1975-13_レニングラード攻防戦
БЛОКААА
監督:ミハイル・エルショフ
脚本:アレクサンドル・チャコフスキー、アルノルド・ビートル
音楽:ヴエニアミン・バスネル
出演:ユーリー・サローミン、エフゲニー・レベチェフ

☆☆ 1974年/ソ連/124分

 初見は1975年
 1941年から1945年にかけて、ヒトラー率いるナチス・ドイツによって完全包囲されたレニングラードの街。そのソ連軍の一代攻防戦900日を描いた70ミリ大作映画で、全4部作のうち本作は第1部と2部を併せたもの。
 

哀悼 ・ 個性派、蟹江敬三

突然ですよ

3月30日 蟹江敬三 胃がんのため亡くなった 
享年69

Twitterには多くの数のツイートがあふれている
TVや映画で数えきれないほどの“記憶に残る”芝居を見せてくれていた証であろう

役を“演じる”のではなく 役に“なる”と語っていた
訃報を聞き 思い出されたのは 古い映画の一場面ばかりだった

70年代の蟹江敬三の身体からは“やるせなさ”がにじみ出ていた

神代辰巳監督の『赤線玉の井ぬけられます』(‘74)
宮下順子の情夫で 彼女との激しいやりとりと その後の情話は忘れ難い

長谷部安春監督の『犯す!』(‘76)
リスを大事に育てるトラック運転手の暴漢魔 
映画の半分には登場するが ほとんど喋らない 感情の声さえ発しない
あの鮮烈さはいまでも脳裏にある

曽根中生監督の『天使のはらわた 赤い教室』(‘79)
それまでのギラギラした雰囲気を抑えた芝居
あの頃だと 蟹江敬三ほど しっとりと男の哀しさを出せる俳優はいなかったと断言しよう

柳町光男監督の『十九歳の地図』(‘79)
沖山秀子演じるマリアに想いを寄せる中年男
情けないほどやるせない男の姿は絶品!
「どういう具合に生きていったらいいのか……わかんねぇなぁ」名科白!



70年代 キネマ旬報連載の「ニッポン個性派時代」インタビュー
「天使のはらわた 赤い教室」を奥さんと映画館に見に行ったと…
ひとりじゃ危ないから一緒にと…
女が見ても面白かったみたいで、奥さん、涙を流していたと 語っていた

20代ではね 芝居ばかりやってきたでしょ 生活だのなんだの関係なく
30代ではね なんていったらいいのかナ…
ま、40代で花開きたいと思うわけですよ
いい仕事できたらなァって…
それまでのね 30代のうちに何でもやろうと思いますね


80年代 まだまだ言い尽くせないほどの作品があるが やめよう
作品は 観ることで成仏する
あした 何か観てみよう

ご冥福をお祈りします

「名探偵再登場」*ロバート・ムーア

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The CEAP DETECTIVE
監督:ロバート・ムーア
脚本:ニール・サイモン
音楽:パトリック・ウィリアムズ
出演:ピーター・フォーク、アン・マーグレット、アイリーン・ブレナン、ストッカード・チャニング、ルイーズ・フレッチャー、マデリーン・カーン、マーシャ・メイソン、ジョン・ハウズマン、ジェームズ・ココ、シド・シーザー、ポール・ウィリアムス、フェルナンド・ラマス、ニコル・ウィリアムソン、スキャットマン・クローザース

☆☆☆★ 1978年/アメリカ/92分

 初見1978年9月。
 1976年にエルキュール・ポワロ、ミス・マープル、サム・スペードなど往年の名探偵たちをパロディにした『名探偵登場』の姉妹編で、先の作品でピーター・フォークが演じたサム・スペード風クールな探偵を主人公にした作品。
 監督・脚本は『名探偵登場』と同じロバート・ムーアとニール・サイモンのコンビで、今回は『マルタの鷹』と『カサブランカ』をネタにした古き良きアメリカン・ハードボイルドのコメディだ。

 時は1939年。“架空の街サンフランシスコ”に事務所をかまえるルー・ペキンポー(ピーター・フォーク)は、降って沸いたような難事件に追われる羽目になる。
 連続殺人事件が頻発するなか、ペキンポーの相棒がホテルで何者かに殺された。未亡人のジョージア(マーシャ・メイソン)の証言で、不倫関係にあったペキンポーが容疑者にされてしまい、仕方なくペキンポーは犯人を捜し容疑を晴らすための捜査を開始する。
 レジスタンスのマルセル(ジェームズ・ココ)が経営する“カサブランカ・スタイル”のレストランで、謎の男から『12個のダイヤモンドの卵』と呼ばれる高価な美術品が関係しているらしいと聞きつける。そのレストランでペキンポーは、かつて愛した美しいマルレーヌ(ルイーズ・フレッチャー)と再会する。彼女はいまは結婚していたが、ペキンポーを見かけると二人の想い出の曲を弾いてくれとピアノ弾き(スキャットマン・クローザース)にリクエストするのだった。
 気分のいいペキンポーは、マルレーヌから夫(フェルナンド・ラマス)の国外逃亡の協力を頼まれる。
 はたしてペキンポーの周りには、ナチの大佐(ニコル・ウィリアムソン)やマルレーヌを恋敵にするセクシーな歌姫(アイリーン・ブレナン)、現れるたびに名前が違うミステリアスな依頼人(マデリーン・カーン)や大富豪(ジョン・ハウズマン)と彼の手下(ポール・ウィリアムス)、億万長者で美術蒐集家の老人(シド・シーザー)とグラマーで魅惑的な若妻(アン・マーグレット)、そしてペキンポーを慕ううら若き秘書(ストッカード・チャニング)らが、入れ替わり立ち替わり罠を仕掛けにくるのだった……。

    ◇

 タイトル・バックが洒落ていて、ジャジーな音楽も探偵ものの雰囲気を巧く醸し出していて好きな映画だ。
 探偵小説やハードボイルド、ヒッチコック作品などを引用しながら、ディテールに数々のギャグが散りばめられている。女性に大モテのクールな探偵が、元恋人や言い寄る歌姫のセックスを連想させる会話に耳を塞いで取り乱すシーンが面白い。
 そのピーター・フォークを取り囲む女性たちが、当時、個性豊かに脇を固めていた女優ばかりで、これもまた素晴らしい。

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 アン・マーグレットは、既に大女優としての存在でいたスウェーデン生まれのグラマー女優。『シンシナティ・キッド』('65)が最初に観た映画で、次に観たディーン・マーティンのスパイ映画『サイレンサー/殺人部隊』('66)は少年には悩ましい姿だった。本作では、その美貌にしてヘン顔を披露してくれる。セクシーヴォイスの歌唱もなかなかのものでシンガーとしても有名。

 アイリーン・ブレナンは、『ラスト・ショー』(’71)のダイナーのウエイトレスで見知った。『スティング』(’73)ではポール・ニューマンの情婦役も良かったが『スケアクロウ』(’73)はどこに出ていたのか覚えていないや…。
 日本の女優で言えば伊佐山ひろ子に似ているだろうか。狆クシャな顔だが、存在に貫録のある3枚目女優で、ゴールディ・ホーン製作・主演の『プライベート・ベンジャミン』('80)ではアカデミー賞にノミネートされた演技派だ。残念ながら昨年(2013年)膀胱癌で亡くなった。

 ルイーズ・フレッチャーと言えば、数々の女優賞を獲得した『カッコーの巣の上で』('75)での冷血看護婦であろう。世の中にこんなに嫌な女がいるだろうかと言わしめた怖い女の登場だったが、本作ではイングリッド・バーグマン風に一番綺麗に撮られている美人女優なのだ。

 マデリーン・カーンは、メル・ブルックス作品の常連女優としてコメディエンヌぶりを発揮していた。当時、ワイセツなスラングを平気で喋れる女優としても珍しい存在で、ピーター・ボグダノヴィッチ監督の『ペーパームーン』('73)では売春婦役で言いたい放題の忘れ難い女優である。

 ストッカード・チャニングは、ジャック・ニコルソンとウォーレン・ベイティの『おかしなレディ・キラー』('75)で注目。この頃からリズ・テイラーに似ており、素の演技でとぼけた感じが可愛いかった。

 マーシャ・メイソンは脚本家ニール・サイモンの奥方。『シンデレラ・リバティー』と『グッバイガール』で数々の賞を受賞しての本作品出演。

1978-名探偵再登場

「サード」*東陽一監督作品

197806_サード
監督:東陽一
原作:軒上泊「九月の町」
脚本:寺山修司
撮影:川上皓市
音楽:田中未知
出演:永島敏行、吉田次昭、森下愛子、志方亜紀子、島倉千代子、峰岸徹、片桐夕子、内藤武敏

☆☆☆☆ 1978年/日本・ATG/103分

 初見1978年6月。
 少年院を舞台に、高校野球の三塁手だったことから「サード」と呼ばれる少年が大人に成長してゆく姿を味わい深く描いた青春群像劇の秀作。
 映画は少年院の生活からはじまり、「サード」が事件を起こす顛末が回想となって語られていく。

 退屈な町に生まれ育ち「どこか大きな町へ行こう」と考えている高校生4人がいる。大きな町で暮らすための資金稼ぎに、援助交際を提案する「新聞部」(森下愛子)と「テニス部」(志方亜紀子)の女子と、二の足を踏みながらも客引きを承知する「サード」(永島敏行)と「2B」(吉田次昭)たちだ。
 4人ともが童貞とヴァージンだったので、準備として援交前に“儀式”を済ませてしまおうと話し合う。「サード」と「新聞部」が、「2B」は「テニス部」と、図書館でぎこちなく初体験をするが、一旦仕事を始めると性根が据わった少女2人と、なんだか少しやるせない少年2人。
 順調にいっていたある日、事件が起きる。「新聞部」が黒ふんどしに刺青の男(根岸徹)に執拗なセックスを強いられ、我慢できなくなった「サード」は男を殺してしまった。
 そして「サード」の少年院生活がはじまった。
 院内では優等生な「サード」だが、現実感のないつまらない毎日だ。彼の頭には「ここは人生の寄り道」という思いだけ。少年院に送られてくるときに見かけた町…九月の眩い陽光に照らされ祭りの賑わいにあふれていた町に行くことだけを考えていた。
 ある日、脱走する仲間に自分の自由を重ね願う「サード」だが、捕まって戻ってきた彼の目的の無さに失望する。
 辿り着くことのないゴールと判りながらも、“九月の町”に向かって延々とランニングする「サード」の姿がグラウンドにあった……。


 本作が映画出演2本目にして初主演の永島敏行が、閉塞感に包まれる青春期の悶々とした気持ちを朴訥と演じ、あっけらかんと身体を売ってしまう小悪魔的少女の森下愛子が尋常ならざる可愛さで、美しい肢体に魅了された作品だった。

 登場人物のキャラクター分けをニックネームで表し、登場人物に名前がない映画。
 近年の某ドラマにて「あだ名が子供たちに悪影響を与える」などとして執拗な抗議があったが、ドラマの中で人間を記号化することに意味があることを想像してみれば、いかに彼らが傲慢であり的外れな抗議だったことが判る。

「エアポート'80」*デビッド・ローウェル・リッチ

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するのみです。

1979_エアポート’80
THE CONCORDE …AIRPORT '79
監督:デビッド・ローウェル・リッチ
脚本:エリック・ロス、ジェニングス・ラング
音楽:ラロ・シフリン
出演:アラン・ドロン、スーザン・ブレイクリー、ロバート・ワグナー、シルビア・クリステル、ジョージ・ケネディ

★ 1979年/アメリカ/123分

 初見1979年12月。
 〈エアポート・シリーズ〉第4弾。日本公開が新春番組となったために邦題は「’80」表記となっている。
 これはコンコルドを見せたかっただけなのよね………戦闘機からミサイル攻撃を受けるなど荒唐無稽なマンガ的展開に陥り、これにて〈エアポート・シリーズ〉は打ち止め!
 併映作のドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演の『アルカトラズからの脱出』が目当ての年末鑑賞だったので、『エアポート'80』は途中で席を立ち最後まで観ていない………。

「エアポート'77/バミューダからの脱出」*ジェリー・ジェームソン

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するのみです。

1977-エアポート’77
AIRPORT '77
監督:ジェリー・ジェームソン
脚本:デビッド・スペクター
音楽:ジョン・カカバス
出演:ジャック・レモン、リー・グラント、ジョセフ・コットン、ジェームズ・スチュワート、オリヴィア・デ・ハヴィランド、クリストファー・リー、ジョージ・ケネディ

☆☆☆ 1977年/アメリカ/113分

 初見1977年。
 〈エアポート・シリーズ〉第3弾で、今回は、ハイジャックされたボーイングがバミューダ海域に不時着するも、乗員乗客を乗せたまま海底に沈没してしまい、そこからの大規模な救出劇。
 だから航空パニックというより、閉鎖された狭い空間での人間の耐久力と人間模様が描かれる密室劇となっている。設定としても面白い作品だった。

「エアポート'75」*ジャック・スマイト

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するのみです。

1975-07_エアポート75
AIRPORT 1975
監督:ジャック・スマイト
脚本:ドン・インガルス
音楽:ジョン・カカバス
出演:チャールトン・ヘストン、カレン・ブラック、ジョージ・ケネディ、リンダ・ブレア、グロリア・スワンソン

☆☆☆ 1974年/アメリカ/107分

 初見1974年12月。
 1970年の『大空港』の続編として製作されたが、ジョージ・ケネディが同じ役で出演したほかは空港も登場人物も別ものになっている。70年代にブームとなったパニック映画傑作の1本。尚、ジョージ・ケネディはシリーズ全4作に同役で出演している。
 前回が群像劇だったのに対し、本作はセスナ機と衝突したボーイングをスチュワーデスが操縦する救出劇。ヒロインとなるスチュワーデスに個性派女優のカレン・ブラック、乗客の映画女優にグロリア・スワンソン、難病の少女にリンダ・ブレアと見所いっぱいだったが、チャールトン・ヘストンはやっぱ好きじゃないなと思った映画であった。