TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

We Want SILVER TRAIN in All Show

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いよいよ今晩 

ROLLING STONES “14 ON FIRE” JAPAN TOUR 東京公演の初日

幻となった1973年1月の日本公演ポスターを眺めれば

今回のミック・テイラー同行は実に感慨深い



公式サイトで募っているリクエストには もちろん 

ミック・テイラーのスライドに聴き惚れる SILVER TRAIN

TOKYO参戦は3月4日

銀色特急で駆けつける

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「カポネ大いに泣く」*鈴木清順監督作品

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するのみです。

1985_カポネ大いに泣く
監督:鈴木清順
原作:梶山季之
脚本:大和屋竺、木村威夫、鈴木岬一
音楽:井上尭之
出演:萩原健一、沢田研二、田中裕子、チャック・ウィルソン、柄本明、樹木希林、加藤治子、梅宮辰夫、阿藤海、峰岸徹、常田富士男、ベンガル、たこ八郎、平田満

☆☆☆ 1985年/松竹/130分

 初見1985年2月。

 昭和初期、芸者の小染(田中裕子)は旅回りの役者・桃中軒海右衛門(萩原健一)と深い仲になり、サンフランシスコに駆け落ちをする。
 口入れ屋に騙され無一文になった二人は、小染は女郎になり、海右衛門は街頭で浪花節をうなる乞食生活。そんなとき、彼らの前に現れたのは横浜ハウスに巣食う日本人で、通称“ガン鉄”こと大西鉄五郎(沢田研二)。
 海右衛門とガン鉄は、当時シカゴからシスコに進出し始めたアル・カポネ(チャック・ウィルソン)に対抗するために密造酒作りをはじめるのだが、だんだんと追いつめられていく。
 そして、小染は自動車事故で死に、ガン鉄はフグの毒で中毒死。海右衛門は切腹するのであった。

    ◇

 ストーリーの滅茶苦茶なところが、清順映画の良い意味でのチープさだから楽しい作品である。
 破天荒に暴れるショーケンと、気っぷのいい姐さん田中裕子が見ものだが、ジューリーはちょいと損な役回りだったかな。でも、綺麗なジュリーが見られるので良しでしょ。


「冬の華」*降旗康男監督作品

1978_冬の華

監督:降旗康男
脚本:倉本聰
撮影:仲沢半次郎
音楽:クロード・チアリ
出演:高倉健、池上季実子、北大路欣也、田中邦衛、夏八木勲、三浦洋一、小池朝雄、峰岸徹、小池朝雄、岡田真澄、小林稔侍、小沢昭一、大滝秀治、藤田進、倍賞美津子、池部良

☆☆☆☆ 1978年/東映/121分

 初見1978年9月。
 倉本聰が大ファンである高倉健のために書き下ろしたオリジナル作品。


 関東の東竜会幹部の加納秀次(高倉健)は、会長の坂田良吉(藤田進)を裏切り、関西の暴力団に寝返った兄貴分の松岡(池部良)を殺さざるを得なかった。
 松岡には3歳になる一人娘がおり、秀次は舎弟の幸吉(田中邦衛)にその娘の面倒を託し、北海道の旭川刑務所に服役した。服役中、秀次はブラジルにいる叔父と偽り松岡の娘洋子と文通をつづけていた。
 15年の刑を終え出所した秀次は、彼の手紙を洋子に届けるうちに恋人となった竹田(三浦洋一)の案内で彼女と出会うと、洋子は美しい高校生(池上季実子)になっていた。

 「もう切ったはったの時代じゃねえぜ」
 やくざの世界も時代が変わっていた。自分の居場所がなくなり居心地が悪くなった秀次は堅気になる決意を固めるのだが、関西勢力との抗争が勃発し、坂田会長が刺客に殺される。
 秀次は、否応なく昔の世界に引き戻されていくのだった………。

    ◇

 前年に連続TVドラマ初主役となる「あにき」を高倉健に贈った倉本聰が、当時から既に説明過多のドラマや映画が多くなってきたなかで、今度は映画において健さんにひと言も喋らせない物語を想定して書き上げたという本作。それまでの東映やくざ映画にあった怒号と血しぶきがチャイコフスキーとシャガールに代わった、少しお洒落な任侠映画となった。
 実際には健さんに喋らせないという設定は実現しなかったが、全編通してフレンチ・フィルム・ノワールの如き、寡黙な男たちの目と目で分かり合う世界の連帯で貫かれている。

 また、シャガールを熱愛し蒐集する会長の藤田進やブランデーのミルク割りを好むインテリやくざ岡田真澄、アメ車好きの天津敏や息子の大学合格に破顔する小池朝雄、カラオケ命の小林亜星など、従来のやくざ像のイメージを壊した人間臭い人物像など、演じる役者を活かした脚本の妙が楽しめる。
 
 登場人物の台詞が少ないなかで、特に小林稔侍は当初の健さんの設定を踏襲したのだろう。一言も言葉を発しない役柄で男の美学を見せてくれる。「健さん命」の小林稔侍にとって、渾身の佇まいである。

 そして拙い演技の池上季実子だが、翌年の『太陽を盗んだ男』のゼロ役も同様にこの美貌があれば良しだろう。


「狼になりたい」にみる情景

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 ありふれた風景のなかに都会の静寂と不安、そして、孤独が浮き彫りになる中島みゆきの名曲「狼になりたい」は、1979年リリースの5thアルバム『親愛なる者へ』に収録されている。
 エドワード・ホッパーの絵画のような情景と言おうか、例えば、同じ1979年に公開された工藤栄一監督『その後の仁義なき戦い』を観ていても中島みゆきの歌は連想されずとも、中島みゆきが歌う「狼になりたい」を聴くと必ず、宇崎竜童や松崎しげるのチンピラ狼と、化粧慣れしない原田美枝子。そして、根津甚八の狼の成れの果ての姿が浮かんでくる。どこにも同じようなシチュエーションなどないのだが、歌を通して映画のワンシーンを透かしているかのようにみえてくる。
 それは多分に、『その後の仁義なき戦い』公開後にリリースされた根津甚八のアルバム『Le Pierrot』に「狼になりたい」がカヴァーされたのが起因であろうが、ライヴにおいても音程が不安定な歌唱であれ、彼独特な男の無様な色気がみゆきの世界を体現している。

 歌詞の世界から映像的イマジネーションを広げてみよう………


 シンプルなアコースティック・ギターの音色が聴こえてくる……夜明け間際の街のロケーションから、吉野屋へワンシーン・ワンカットでカメラがなめてゆくかのような歌い出し。
 “吉野屋”は“吉野家”ではなく架空の店であるが、時代的に24時間営業をする飯屋は一部のファミレスを除いて存在しなかったこの頃なら、ここはどうしても牛丼屋ということになる。
 店内には、化粧のはげかけたシティ・ガールとベイビィ・フェイスの狼たちが肘をついて眠っている。

 “ベイビィ・フェイスの狼たち”とは幼い表情を残す若者でもいいが、どちらかと云うと、裕福な家庭の粋がった若者の様のような気がする。
 “化粧のはげかけたシティ・ガール”は、都会に憧れて来た地方出身の化粧も様にならないような女がカッコつけていて、金を持った男たちにナンパされて遊びまわった後であろう。店がはねた後の水商売の女やソープ嬢では“化粧のはげかけた”と表現しにくい。

 ♪買ったばかりのアロハは どしゃ降り雨でヨレヨレ
 1979年当時はアロハシャツ=チンピラ、あるいは遊び人という図式があるのは歪めないので、この主人公はアロハシャツ=自由人に憧れる地方から出てきた若者。
 2番の歌詞で判るが彼の職業は客商売、明日は朝早い仕事が待っている。安い給料で朝早くから夜遅くまで働き、気に入らない先輩や上司ももちろんいる。そんな彼には、土曜の夜しか愉しみがない。それも、夢みたいに短い時間。行きつけないディスコで女でもナンパしようと意気込んでも、隣の席の若い“狼”たちのようにスンナリとはいかなかい。
 仕事をさぼったりすることもできない。始発電車を待つために時間を持て余している。

 ♪狼になりたい 狼になりたい ただ一度
 この境遇から一度だけでいいから抜け出したい叫び。誰にも束縛されず、好きなことをしたいように行動できる自分になりたいと……

 ♪向かいの席のおやじ見苦しいね
 ♪ビールをくださいビールをください 胸がやける
 日曜の朝方にひとりカウンターに座るおやじは、まるで社会に押しつぶされそうな惨めな自分を見ているかのようだ。酒でも飲んで、たった一度でもいいから荒ぶることがしてみたい………しかし上手くいかないのが現実だ。そんなこと百も承知。
 
 ♪昼間・俺たち会ったら お互いに「いらっしゃいませ」なんてな
 ♪人形みたいでもいいよな 笑えるやつはいいよな
 「俺たちみたいな奴は一生懸命働くしかないんだよな。なぁ、あんた」と、カウンターの中の牛丼屋の兄ぃに声をかけクサる。嫌な客たちに愛想笑いして、それを上手くできる奴らが羨ましい……

 ウトウトとしながら、夢想……

 憧れのナナハンでも持っていたら、隣りのナンパされた女にでも声を掛けて、ふたりでぶっ飛ばせるのによぉ。
 1979年当時の「ナナハン」は自動二輪中型免許の取得が難しく、若者には羨望と憧れの乗り物だった。
 ♪どこまでもどこまでもどこまでもどこまでも………
 実際に走り抜ける距離感イメージよりも、彼の夢が届きようもないほどの時間を要しているもどかしさに聴こえてくる。

 いつしか夜が明けてゆく………


★狼になりたい「ル・ピエロ」根津甚八★


「せんせい」*山城新伍監督作品


監督:山城新伍
脚本:重森孝子
撮影:鈴木耕一
音楽:津島利章
題字:佐久間良子
主題歌:「望郷」上田正樹
出演:松方弘樹、梅宮辰夫、渡瀬恒彦、千葉真一、北大路欣也、山城新伍、南果歩、沢田亜矢子、蟹江敬三、水島道太郎、室田日出男、冨士真奈美、倍賞美津子、地井武男、津川雅彦

☆☆☆ 1989年/松竹/119分

    ◇

 廃校が近い東京・下町の中学校を舞台に、型破りな教師と生徒たちとのふれあいを描いた作品で、松方弘樹、梅宮辰夫、千葉真一、北大路欣也、山城新伍、渡瀬恒彦の6人が立ち上げた〈トムソーヤ企画〉が製作した1本。

 東京・佃島にある創立100年の歴史を持つ佃二中は、土地開発のため夏休みにとり壊されることになっていた。
 一学期の終業式で教頭(室田日出男)がその報告をしたが、生徒も教師も真面目に聞いている者は少ない。そんな中で国語を教えている中島(渡瀬恒彦)は、夏休みを利用して落ちこぼれの生徒たちに正規の授業でできなかったことを教えようと提案。初めは誰も賛同してくれなかったが、若くて美しい音楽教師の桜井桃子(南果歩)が手伝うことになると、数学(松方弘樹)、理科(地井武男)、社会(千葉真一)、英語(梅宮辰夫)らベテラン教師も一緒にやろうと言い出した。
 授業の初日。教室には氷屋の娘で美人の礼子や、彼女らに引き連れられた落ちこぼれの生徒たち数人が集まり、生徒たちのリクエストで、先生たちはそれぞれ得意なことを教えることになった。女にモテる方法や喧嘩の仕方、ローラースケートやカラオケ、料理など、教える方も教わる方も喜びを感じ始めるのだった。
そんな楽しそうな雰囲気に、ほかの進学希望の生徒たちも集まるようになった。
しかし気に入らないのは塾の経営者(津川雅彦)と高校受験を心配する父兄たち。教育委員会に申し立て、委員(山城新伍)からクレームがついて授業は中止となる。
 落ち込んでいた中島は、癌で寝たきりの女子生徒の父親に祭りを見せてやろうと計画し、再び生徒を集めた。今度も町内会からクレームがついたが、神社の宮司でPTA会長(北大路欣也)の計らいもあり、先生と生徒たちは自分たちの意志で祭りの準備のため神輿づくり
に取り掛かる。そして、祭りは成功に終わるのであった。 

    ◇

 “奴らが泣かせる 大人のメルヘン”

 強面のメンツが学校の先生を演じるっていうだけで、そのギャップある設定が面白そうだったけど、これがベタベタなセンチメンタルなお話。
 古くさく、見え見えのお涙頂戴なのだが、心に沁みる。

 山城新伍の監督ぶりは4本目だけに手堅くオーソドックス。下町の風情から、人間味ある市井の人々を描きながら、日本の教育現場への注文、というより本来の教育者の姿とは何ぞやと問いかけ、理想の姿を求めるかたちになっている。
 まぁ理屈っぽい山城新伍らしい演出なのかもしれない。

 東映の朋友たちがさぞ楽しんで作ったろうなと想像したが、近年、松方弘樹がこの映画の裏話を語ったとこによると、やはり結構大変だったらしい。

 プロデューサーは千葉真一。金を集めるから出演者を集めてくれと松方弘樹に相談したところからこの企画が始まり、倉本聰が「トムソーヤの冒険」のような話を第一稿に書き上げたが各人のスケジュールの都合が合わずボツ……。そして脚本家が変わり、廃校を舞台にした下町ほのぼの物語になったのである。

 当初は千葉真一が監督するつもりだったようだが、監督経験者の山城新伍が名乗りを上げ上手くまとめて進行するはずが、撮影に入るとみんなが演出したがるのでテンヤワンヤ。
 興業的にも大コケした。赤字分を渡瀬恒彦除く5人で出演した入浴剤のCMでペイしたという。
 豪華競演で話題になった1990年の『バブルスター』CMはそんな因縁があったのだが、結局このスポンサーも如何わしい会社であったため薬事法違反に問われ、バブル景気とともに泡と消えたのであった。