TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

山口百恵 赤いBOX 届く

昨晩、ようやく山口百恵のBOOK-BOX[完全記録「山口百恵」]が届いた

IMG_2914.jpg

白地の配送用段ボール箱には、背中に[山口百恵 MOMOE YAMAGUCHI]と書かれている

IMG_2915.jpg

LP大サイズ総重量6kg………重い
とりあえず梱包を解き、赤い箱を取出し、3冊に分かれた中身をぱらぱらと…………


IMG_2921.jpg

1冊目のレコジャケ未発表写真集は、そのアウトテイクの量に圧倒される
見たこともない山口百恵の表情にクラクラしてくるぞ

IMG_2922.jpg

2冊目はディスコグラフィで、レコード、カセット、CD、VHS、DVDなどの全作品(オリジナル、ベスト、企画ものなど)のグラフィックが、歌詞カードや付属写真集、ライナーノーツにいたるまで全頁が掲載されている

IMG_2923.jpg

3冊目は、レコード販促用のポスターやら、LP特典のポスターをはじめ、映画やコンサートのポスターとチラシ、CM関連のポスター等々…………

とにかくマニアックな内容 すべてに関して膨大 まさしく豪華写真集の極地 ディープな代物である
週末に 山口百恵の全音源を聴きながら ゆっくりと堪能させてもらおう



★山口百恵の全活動記録、BOOK-BOXで刊行★



スポンサーサイト

「ストロベリーナイト」#11:ソウルケイジ

★ソウルケイジ: part3★

 姫川玲子シリーズの最終回。連ドラが、このまま終わるとは思っていなかったが………。

 「親と子の情愛」というテーマが貫かれ、玲子の母親への意思表示もひとつのケジメとして成りたったわけで、原作のテイストを崩さず巧くまとめた最終回であった。
 原作ファンにとって、どこも不満はない展開だ。


 「人間って、そんなに利口じゃないんだよ」

 最後の最後で、任意聴取の場で見せ場を作り「いい奴じゃん」って思わせた鮫島(笑)……じゃなくて日下 守。遠藤憲一の渋みがキマってる。
 語り始めたとき、玲子の顔もいいアングルに治まり、「父親ほど、不器用生き物はいなくってな。自分勝手で、格好悪くて、うまく抱きしめることもできない」などと、日下は自分自身にハッパをかけ、玲子も父親や母親の情愛へ想像力が働き思いやる気持ちが沸き起こる。高岡の“父性”が、日下と姫川を目覚めさす流れとして巧く描かれていた。

 病室で母親を抱きしめ、クールに立ち去る玲子。
 父親の笑顔と、“あの日”から初めて涙を見せる母親の想いは、しっかり玲子の後ろ姿に届いているだろう。
 原作にない玲子の家族の愛情模様は、連ドラで見事に終結していた。これは、印象的で心に残るシーンとして気持ちいい。

 さて、途中、ガンテツが井岡と葉山に対して「腰巾着1号・2号・3号」と言い放ち登場。葉山には、トラウマである刺された家庭教師の名前が姫川と同じ「レイコ」だと知っていることを明かす………これ、続編への伏線じゃないの、と、大いなる期待を膨らませながら本編は進行していく。

 葉山に近づくガンテツ………第6話「感染遊戯」のところでも書いたが、原作と違う犯人の状況では、本当の闇は未だ解決していない状態だった。
 いつか、ここに触れていかないことには姫川玲子シリーズは終わらないと思っていた。
 オリジナル・ストーリーだったなら、シーズン2、3……と続いていってもいいくらい、濃いキャラクター満載のドラマだったが、あくまで原作重視。エンディングでダメ押しのガンテツ登場シーンを見せて、さあ、特報!
 まさに、当然の帰結としての映画化決定! 注目である。

 さて、そうなると何を原作にするのか………警察上層部を巻き込んだスキャンダラスな「インビジブルレイン」事件をメインに、ガンテツの葉山への思惑がある「感染遊戯」の闇の部分や連載中の「ブルーマーダー」を取り入れるか? 殉職した大塚巡査のエピソードも織り込まれるといいのだが……。

    ◇

原作:誉田哲也
脚本:龍居由佳里
演出:佐藤祐市
音楽:林ゆうき
主題歌:「ミセナイナミダハ、きっといつか」GReeeeN
出演:竹内結子、西島秀俊、宇梶剛士、高嶋政宏、小出恵介、丸山隆平、生瀬勝久、遠藤憲一、渡辺いっけい、武田鉄矢/手塚理美、大和田獏 /石黒賢、濱田岳、蓮佛美沙子、池田鉄洋

2012年3月20日放送


★「ストロベリーナイト」#10:ソウルケイジ: part2★
★「ストロベリーナイト」#9:ソウルケイジ: part1★
★「ストロベリーナイト」#8:悪しき実: part2★
★「ストロベリーナイト」#7:悪しき実: part1★
★「ストロベリーナイト」#6:感染遊戯★
★「ストロベリーナイト」#5:過ぎた正義: part2★
★「ストロベリーナイト」#4:過ぎた正義: part1★
★「ストロベリーナイト」#3:右では殴らない: part2★
★「ストロベリーナイト」#2:右では殴らない: part1★
★「ストロベリーナイト」#1:シンメトリー★
★「ストロベリーナイト」 レジェンド★
★Book Review「女の敵」★
★Book Review「感染遊戯」★
★Book Review「インビジブルレイン」★
★Book Review「ソウルケイジ&シンメトリー」★

姫川班最初の事件「女の敵」*誉田哲也



 現在『小説宝石』において最新作『ブルーマーダー』が連載中の姫川玲子シリーズ。
 先日発刊された誉田哲也の創り方本『All Works』に納められた書き下ろし短編『女の敵』は、『インビジブルレイン』の事件から7ヶ月経った現在の玲子と、「ストロベリーナイト事件」で殉職した大塚巡査と初めて出会った姫川班最初の事件の両方が描かれる。

 今泉係長と石倉巡査部長とともに大塚巡査の墓参りに来た玲子が、高校生のときに自分を救ってくれた佐田倫子や自分を庇うために刺された牧田勳に想いを馳せ、また、「インビジブルレイン事件」で解散した姫川班の菊田や湯田の姿がない一抹の淋しさと、あんなに毛嫌いしていた日下守が大塚の墓参りに来てくれたことに感謝の念を抱いたりする冒頭が、時系列通りに描かれる姫川玲子シリーズ(この『All Works』によると、他の誉田作品も同じ時間列上に展開するように書かれているという)らしくファンには堪らない。

 玲子が捜一殺人班十係の主任を拝命した5年前、所轄にいた大塚巡査と出会った事件を思い返す展開は、たった第1作で亡くなった大塚巡査がいかにインパクトの強いキャラクターだったかを証明しているようで、物語のなかにおいても、作者の思いにおいても大事な存在だったことがわかる。


 姫川玲子の着任3日目に変死体事案が起きた。橋田良という男が自宅ではないマンションで変死体で発見されたのだ。現場には女の足跡が2つ残されていた。
 帳場のたった野方署の大塚巡査とコンビを組んだ玲子は、早速現場に向かう。そこで玲子は、大塚のマメな性格を知る。
 橋田が死亡した当日に、マンションの近所の道路で通行人と車の接触事故が起きていたという管内記録を手帳に書き付けていたのだ。
 旅行代理店勤務の深町依子と名乗る被害者は、人身事故だというのに届け出を拒否していた。
 翌日、橋田の勤務先に出向いた玲子たちは、そこで社員旅行の話からこの会社を担当する旅行代理店が深町依子の勤め先と同じと知るが、橋田と面識のある担当者は深町依子ではなく安西恵美という女性だった…………。


 女の敵は……………オンナ
 トラウマを抱える玲子だからこそ、単なる当てずっぽうではない「確信的カン」で真実を明らかにするも、その先に自分の未熟さや危うさが潜んでいようと、玲子は進んでいくしかないと考える。
 ある意味口惜しい事件として玲子の心に残るこの事案が、「敵は容赦しない」という今の姫川玲子が形作られていく重要な一歩だったのだろう。

 大塚巡査の誠実な仕事ぶりを見抜いた玲子が、彼を一人前に扱うことでひとつの成果をあげ、以後、石倉や今泉をはじめ皆から可愛がられる存在になっていたことも伺い知れる。
 最後に石倉が語るエピソードからも大塚の人となりが見えてくるので、いつかまた、大塚巡査が絡んだ事案を掘り起こしてもらいたい。

    ◇

 さてこの『All Works』は、誉田哲也のファンブックであり、誉田氏自らの作家としてのキャリアと「姫川玲子誕生秘話」を語る、ファン必読の1冊となっている。

書き下ろし小説「女の敵」

Chapter1 姫川玲子 大解剖
スペシャルインタビュー「姫川玲子とそのキャラクターを語る:誉田哲也的 相関図」
姫川玲子シリーズ キャラクター図鑑
相関図
ブックレビュー

Chapter2 誉田哲也の創り方
作家・誉田哲也ができるまで
誉田作品黎明期とデビューへの軌跡
直伝! 誉田流警察小説の創り方
毎日の私生活のこと
作家としてのルーツとなったもの

Chapter3 全誉田作品ガイド
誉田哲也が徹底解説! シリーズ作品について
全誉田作品ブックレビュー ほか

Chapter3 メディアミックス作品ガイド
 ドラマ・映画レビュー 

All Works/誉田哲也
【宝島社】
定価 1,100円

ウォーレン・ヘインズのソウルフル・ライヴ



Live from the Moody Theatre / WARREN HAYNES BAND

 ウォーレン・ヘインズのライヴアルバムが、名門スタックスレーベルから2CD+DVDで4月にリリースされる。amazonでの予約は¥2,055!これは超お得だ。

 2011年11月3日テキサス州オースティン“ムーディ・シアター”でのライヴで、スペシャルゲストとしてイアン・マクレガンが参加。
 ソウル・ミュージックに傾倒したアルバム『Man in Motion』(2011)に伴うツアーなので『Man in Motion』から9曲、ウォーレンのファースト・ソロアルバム『Tales of Ordinary Madness』(1993)から3曲、そしてお得意のカヴァー曲は、ジミヘンの “Spanish Castle Magic”、 スティーリー・ダンのブルース “Pretzel Logic” 、サム・クックの “A Change Is Gonna Come”等々、Gov't MuleやAllmansとはひと味ちがう、ホーンセクションを加わえグルーヴの効いた渋いソウル・ミュージックになっているんだろうな……。


TRACKLIST

Recorded live in Austin, TX on 11/3/2011

Set 1:
1. Intro >
2. Man In Motion
2. River's Gonna Rise
3. Sick Of My Shadow
4. A Friend To You
5. On A Real Lonely Night
6. Power & The Glory (DVD Only*)
7. Invisible

Set 2:
1. Take A Bullet
2. Hattiesburg Hustle
3. Everyday Will Be Like A Holiday
4. Frozen Fear
5. Dreaming The Same Dream
6. Pretzel Logic
7. Fire In The Kitchen
8. A Change Is Gonna Come
9. Spanish Castle Magic
10. WHB Intro >
11. Tear Me Down

Encore:
1. Your Wildest Dreams
2. Soulshine

DVD Only Bonus Tracks
1. Patchwork Quilt (Soundcheck)
2. Hattiesburg Hustle (Rehearsal)


「ストロベリーナイト」#10:ソウルケイジ

★ソウルケイジ: part2★


 保険金詐欺と暴力団組長の隠し子だという戸部の登場、13年前の内藤親子の交通事故と意識が戻らず寝たきりの息子………はてさて複雑な様相を表してきた中編、展開がスピーディなだけに視聴者は推理しながらドラマを楽しむことができたのか………2度見は必須だろう。

 日下とガンテツの確執、そして日下の家庭環境やら彼の懐の深さやらが描かれてしまうと、玲子の勘だよりの行動や見た目で日下を嫌う大人げなさだけが気になってくる終盤だが、玲子の妄想を橋爪管理官がぶった切る快感や、玲子の悔しがる顔や仕草がお気に入りだからいいや。

 高岡が守らなくてはならなかったものは……耕介が守らなくてはならないものは………
 高岡を名乗る男の三島耕介に対する情愛と、耕介の絶対的な慈しみ。幻想的ではあっても、ここには家族が成り立っている。
 対して、玲子と家族の関係も、日下と息子との在り方も、日下が菊田に語るような家族の形になっていないから悲劇なんだな。

 さて、手首と胴体とのDNA鑑定の謎は…………高岡こと内藤は生きているのか………何処にいるのか。

    ☆
 
 GReeeeNの歌は「愛唄」から全部好き。クロージングテーマになった「ミセナイナミダハ、きっといつか」のPVが完成したようだ。和むなぁ……




    ◇

原作:誉田哲也
脚本:龍居由佳里
演出:佐藤祐市
音楽:林ゆうき
主題歌:「ミセナイナミダハ、きっといつか」GReeeeN
出演:竹内結子、西島秀俊、宇梶剛士、高嶋政宏、小出恵介、丸山隆平、生瀬勝久、遠藤憲一、渡辺いっけい、武田鉄矢/手塚理美、大和田獏 /石黒賢、濱田岳、蓮佛美沙子、池田鉄洋

2012年3月13日放送


★「ストロベリーナイト」#9:ソウルケイジ: part1★
★「ストロベリーナイト」#8:悪しき実: part2★
★「ストロベリーナイト」#7:悪しき実: part1★
★「ストロベリーナイト」#6:感染遊戯★
★「ストロベリーナイト」#5:過ぎた正義: part2★
★「ストロベリーナイト」#4:過ぎた正義: part1★
★「ストロベリーナイト」#3:右では殴らない: part2★
★「ストロベリーナイト」#2:右では殴らない: part1★
★「ストロベリーナイト」#1:シンメトリー★
★ストロベリーナイト レジェンド★
★「姫川玲子シリーズ」誉田哲也★

テケレッツのパッ「四角いジャングルで唄う」唐十郎

karajyuro_LP.jpg

 根津甚八、李礼仙の歌と続いたら、大トリは唐十郎……

 これは1973年2月8日後楽園ホールでの状況劇場の劇中歌リサイタルの実況録音盤で、自主制作(制作はキング・ベルウッドレコード)として発売された伝説のレコードである。歌詞カードの代りに当日の台本(シリアルナンバー付)がセットされていた。
 横尾忠則や金子國義と同じように状況劇場の公演ポスターを手掛けていた合田佐和子の、異界の妖艶さがスケッチされたジャケット画も素晴らしく、それもまた貴重な逸品となっている。

 昔は、合田佐和子をはじめ、横尾忠則や金子國義、宇野亜喜良、そして佐伯俊男……シュールでエロティックで不気味で幻想的なイラストに取り憑かれていたっけな。

 このイベント、後楽園ホールの特設リングで唐十郎、大久保鷹、不破万作、四谷シモン、李礼仙ら状況劇場の奇優たちが歌い演じた一夜の饗宴で、レコードはその模様を妖しく伝えてくれる。状況劇場の生の芝居を見られなかっぼくの、雰囲気だけだが感じることが出来た宝物のひとつだ。


SIDE A
01. 吸血姫のテーマ (唄:唐十郎)
02. ミドリのおばさんの唄 (唄:唐十郎+全員)
03. けつねうどん (唄:四谷シモン)
04. さすらいの唄 (唄:唐十郎)
05. 怒れる乙女 (唄:唐十郎)
06. お銀の唄 (唄:四谷シモン)

SIDE B
01. 犬殺しの唄 (唄:唐十郎)
02. あの人に会ったら (唄:唐十郎)
03. とらわれの姫 (唄:李礼仙)
04. オテナの塔 (唄:唐十郎)
05. 愛の床屋 (唄:唐十郎)
06. ほおづきの唄 (唄:李礼仙)
07. 月がかげれば (唄:唐十郎)
08. 時はゆくゆく (唄:唐十郎)
09. ジョン・シルバーの合唱 (唄:唐十郎+全員)
作詞:唐十郎/作曲:小室等(「お銀の唄」C.VALERY)

 

 「1970年初夏、キングレコードより発売した『愛の床屋』はなぜか放送禁止になりました。どうして放送禁止になったのか、その理由は定かではありませんが、おそらく床屋組合から横やりが入ったと言われてるみたいです。(会場爆笑) 唄が愛の床屋なら結果も愛の成り行きです」

 この口上で放送禁止曲「愛の床屋」が唄われるが、この曲が収録されているのも幻のレコードと言われる所以か。
 1970年6月に発売されたシングル盤「さすらいの唄」のB面曲が「愛の床屋」だった。

karajyuro-sasurainouta.jpg



ひとりぼっちの朝の鎮魂歌「情歌抄」李礼仙



 根津甚八のアルバムを聴いてきた流れで、李礼仙(現・李麗仙)のアルバムも紹介しておこう。

 状況劇場の看板女優だった李礼仙。
 残念ながら状況劇場の芝居を見る機会はなかったのだが、1971年頃名画座で観た大島渚監督の『新宿泥棒日記』('69)で状況劇場の様子を知ることはできた。
 映画は、新宿を舞台に横尾忠則と横山リエを狂言回しにしてセミドキュメンタリータッチでSEXを語る、いかにも当時のATGらしい実験的な映画だった。
 売り出し中の状況劇場の面々(唐十郎、大久保鷹、四谷シモン、不破万作、李礼仙ら)が、本人として登場するのだが、訳の判らない本編よりも彼らたちの存在の方が印象に残っている。
 インパクトある女優として認識したのが『女囚さそり けもの部屋』('74)での怪演と、圧倒的な存在感と鬼気迫る演技で目を見張った『任侠外伝 玄界灘』('76)の母娘二役。
 『ニワトリはハダシだ』('04)も良かったし、テレビのヴァラエテイ出演としては1999年に名古屋CBCテレビで製作・放送された『スジナシ』で、鶴瓶との台本無し即興芝居のラストで見せた沈黙の演技は実に見応えがあった傑作のひとつ。

 さて、このアルバムは1979年にリリースされたファーストアルバムで、2003年にCDで復刻化されている。
 夜明けの新宿裏通りの様々な情景を、独特の低い声で鮮やかに歌うやさぐれ歌謡の傑作として名高い逸品だ。


SIDE A
01. クレシェンド (作曲:クニ河内)
02. 淋しい新宿 (作詞:岡本おさみ/作曲:長谷川きよし)
03. 逢瀬 (作詞/作曲:加藤登紀子)
04. 眠れない夜は (作詞:岡本おさみ/作曲:山本幸三郎)
05. よどんで街角 (作詞:唐十郎/作曲:桜井順)
06. 無花果 (作詞:唐十郎/作曲:山本幸三郎)
07. 青の伝説 (作詞:唐十郎/作曲:山本幸三郎)

SIDE B
01. 気まぐれ女 (作詞:岡本おさみ/作曲:長谷川きよし)
02. 雨上り (作詞/作曲:加藤登紀子)
03. 櫻貝心中 (作詞:唐十郎/作曲:山本幸三郎)
04. ジュクに風が吹く (作詞:唐十郎/作曲:桜井順)
05. デ・クレシェンド (作曲:クニ河内)

 娼婦の朝より もっと淋しいよ 新宿 ~  〈淋しい新宿より〉

 クニ河内のオープニング曲にはじまり、岡本おさみ、加藤登紀子、そして唐十郎の世界を、李礼仙がまるで一人芝居をしているかのように、憂いを漂わせながら歌っている。心地よく耳に残るメロディと歌声なのである。

 どんよりした日常が、ふわぁ~と流れ、そして、70年代の空気が鮮烈に甦るトリップ感にあふれ、陰気な情景だが、李礼仙の芯のある強い声に身をまかせていれば、やさぐれ女の不幸な感じはない。


★任侠外伝 玄界灘★
★ニワトリはハダシだ★

「ストロベリーナイト」#9:ソウルケイジ

★ソウルケイジ: part1★

 多摩川土手の路上に放置された軽自動車から、ビニール袋に入った血まみれの左手首が発見された。
 臨場班は日下守(遠藤憲一)、姫川玲子(竹内結子)の両班体制で捜査本部が置かれる所轄署に赴く。
 指揮を執る今泉係長(高嶋政宏)の報告から、左手首の持ち主は指紋の照合とDNA鑑定により、高岡工務店を営む高岡賢一(石黒賢)のものと判明。従業員の三島耕介(濱田岳)が工務店のガレージに大量の血液を発見し通報、手首発見までの経緯を説明する。ガレージに残された出血量が致死量を超えていることなどから、高岡が殺害された可能性を考慮して死体損壊遺棄事件と認定された。

 第一発見者の三島耕介の事情聴取に名乗りをあげる玲子だったが、耕介の聴取は日下に取られ、玲子は耕介の交際相手でアリバイを証言した中川美智子(蓮佛美沙子)の聴取担当に回された。
 その夜、玲子の携帯に父の忠幸(大和田獏)から母の瑞江(手塚理美)が倒れたと連絡が入る。病院に駆けつける玲子だが、長く留まることは出来ない。よそよそしい父親の姿にも腹が立ち、埋められない親子の距離をあらためて実感するのだった。

 次の日、玲子は昇進で所轄に転属してきた井岡(生瀬勝久)と美智子のアパートへ向う。 事情聴取の途中、大きな物音に怯える美智子の態度を見て、姫川は13年前の自分と照らし合わせていた。

 13年前、三島耕介の父親は木下興業の建設現場で転落死している。父親の最後に立ち会った高岡賢一は、まだ小学生だった耕介を親代わりになって面倒をみ、中学を卒業すると同時に養護施設から引き取り、自分の下で大工の修行をさせていた。

 姫川班と日下班のそれぞれの聞き込み捜査で、関係者周辺の事実が浮かんできた。
 美智子の父親も、耕介の父親と同じ木下興業において転落事故によって死亡していること。木下興業の親会社中林建設は、広域指定暴力団のフロント企業だということ。高岡賢一の母親は中林建設の激しい地上げによる嫌がらせで自殺していること。
 そして玲子は、左手首の男・高岡賢一が戸籍上の高岡賢一とはまったくの別人であったことを聞き込む………。

 「(高岡賢一)あなたは誰?」

    ◇

 ソウルケイジ……魂の檻………親として、子として、もがき苦しむ姿が閉じ込められている檻。

 「ソウルケイジ」というタイトルは、スティングの3rdアルバム『The Soul Cages』('91)からインスパイアされたという。このアルバムはスティングが亡くなった父親への憧憬を綴った、実に内省的な、魂の呻きが聴こえてくるようなアルバムだった。

 この物語も、主題は“父性”の在り方だということがわかる。
 高岡賢一と名乗る男は、どうして三島耕介を実の子のように育ててきたのか。核心はそこだろう。

 この事件の当事者たちの父と子の関係は、事件を捜査する刑事たちにも波及し、日下は息子との関係に何かしらの思いを抱いていくであろうし、姫川玲子に関しては、母との閉ざされた心の確執は重い。よそよそしい父親の姿も、こんな風にはなりたくないと思うのだろう。それでも、絶対に切り離せない親子の宿命として、親の人生を思い浮かべる想像力と、親の思いを受け止める力と、それらを理解する許容心を備える玲子の姿を、最後には見せて欲しいものだ。

 さてドラマは、原作の約半分までを一気に進行。高岡賢一の過去、息子のように育てた三島耕介の過去。その彼女であろう中川美智子が抱えているトラウマ。彼らに絡む建設会社の黒い背景など、原作を読んでいる身には既に整理されている事案だが、第1章にしては情報量が多過ぎて混乱してる視聴者がいるのではないだろうか。

 今週の姫のチェックポイントは、食事会でクダを巻く玲子に井岡がそっと小皿を滑らせるものの、イライラする玲子が発するひと言「いらないっ」に決まり。
 ウ~、可愛いな。

    ◇

原作:誉田哲也
脚本:龍居由佳里
演出:佐藤祐市
音楽:林ゆうき
主題歌:「ミセナイナミダハ、きっといつか」GReeeeN
出演:竹内結子、西島秀俊、宇梶剛士、高嶋政宏、小出恵介、丸山隆平、生瀬勝久、遠藤憲一、渡辺いっけい/手塚理美、大和田獏 /石黒賢、濱田岳、蓮佛美沙子、池田鉄洋

2012年3月6日放送

★「ストロベリーナイト」#8:悪しき実: part2★
★「ストロベリーナイト」#7:悪しき実: part1★
★「ストロベリーナイト」#6:感染遊戯★
★「ストロベリーナイト」#5:過ぎた正義: part2★
★「ストロベリーナイト」#4:過ぎた正義: part1★
★「ストロベリーナイト」#3:右では殴らない: part2★
★「ストロベリーナイト」#2:右では殴らない: part1★
★「ストロベリーナイト」#1:シンメトリー★
★ストロベリーナイト レジェンド★
★「姫川玲子シリーズ」誉田哲也★

死ねば ただの 土くれに「ファーストコンサート」根津甚八

NEZU-LIVE.jpg

NEZU LIVE

 「ル・ピエロ」を引っさげてファーストコンサートを行った根津甚八の、8Pの写真集付きのライヴ・アルバムである。
 1980年1月29日の渋谷公会堂と1月31日の大阪厚生年金大ホールの模様を納めたもので、当然「ル・ピエロ」からの楽曲がメインではあるが、このコンサートのために泉谷しげる、永井龍雲、大野克夫らが贈ったオリジナル曲も多く含まれた全14曲、約57分のライヴを堪能できる。

 レコーディングブースの中での歌声とは違い、舞台という板の上で熱唱する根津甚八の様子は、静かに語るように、獣の如く叫ぶように、やはり役者の声。これが魅力だ。


 死ねば ただの 土くれに もどる だけだと 身にしみて いる

 アンコール、囁くように歌う「墓場の島」
 山田太一作詞ミッキー吉野が作曲したこの曲は、1977年のNHK土曜ドラマ『男たちの旅路』シリーズの第3部「第二話:墓場の島」の劇中歌で、この「墓場の島」でデビューをして一躍人気スターになった歌手という役に、状況劇場の若手役者根津が扮していた。

 スターになったが売るために自分の詞を改変されたり、厳しい管理下に置かれる境遇に自分を取り戻そうとする戸部竜作という若者。人気絶頂時にステージで引退表明をすると決意するが……。

 「型に嵌められたスターなんて柄じゃない」「嘘を続けたら本当の自分はどうなるんだ?」と、水谷豊と桃井かおりに訥々と語る若々しい根津甚八の優しい目が印象的だった。

 このライヴでは最後の曲でアンコールをせがむ女性ファンの黄色い歓声が入っている。テレビ(『冬の運動会』『黄金の日々』)で凄まじい人気を得てしまった根津が、状況劇場で自分の演じたい役を小林薫にキャスティングされたりして、そんな経緯もあり1979年に劇団を辞めていった。 
 
 アンコールの声に応えて歌う「墓場の島」は、あの戸部竜作という役を完結させていたのかもしれないな。



SIDE A
01. イントロ~キネマ横丁 (作詞/作曲:宇崎竜童)
02. 川崎 Blossom (作詞:島武実/作曲:宇崎竜童)
03. BYE NOW (作詞:島武実/作曲:宇崎竜童)
04. 泣くな わめくな 近よるな (作詞:浅野裕子/作曲:大野克夫)
05. まだ浅い別れ (作詞:浅野裕子/作曲:大野克夫)
06. 素面酒 (作詞/作曲:永井龍雲)
07. 狼になりたい (作詞/作曲:中島みゆき)

SIDE B
01. 野良犬 part II (作詞/作曲:泉谷しげる)
02. からっ風ブルー (作詞/作曲:泉谷しげる)
03. 乳と蜜と流れる土地 (作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童)
04. Don't Cry For Me (作詞/作曲:宇崎竜童)
05. ロシア詩人のように (作詞:浅野裕子/作曲:大野克夫)
06. 問わず語り (作詞/作曲:永井龍雲)
07. 墓場の島 (作詞:山田太一/作曲:ミッキー吉野)


狼になりたい「ル・ピエロ」根津甚八

NEZU_le-pierrot.jpg

Le Pierrot

 根津甚八の歌は、中島みゆき提供の「ピエロ」で初めて聴いた。
 1979年9月、同じレコード会社ということもあってか、みゆきの新曲「りばいばる」(B面に同じ「ピエロ」をカップリング)と同日リリースだった。
 このスロー・ワルツに乗って語るように歌う根津甚八のやさしい歌声を、とても気に入っていた。

 この年は5月に『その後の仁義なき戦い』が公開されていて、11月にこのアルバムが発売されたのだが、なかでも中島みゆきの「狼になりたい」のカヴァーにはそそられた。

 夜明け間際の吉野屋では~♪の歌い出しで、明け方の牛丼屋に集まる人間模様を綴った中島みゆきの名曲。

 みんな いいことしてやがんのにな
             ビールはまだか~♪

 みゆきの歌でもゾクっとくる箇所。たしかに、根津甚八では音程が不安定で荒削りな歌唱ではあるけど、その分『その後の仁義なき戦い」の相羽年男の姿にダブる情景になり、凄みある歌になっている。
 これ一曲聴くだけに買ったようなものだったが、いやいや、他の曲も素晴らしいものばかりで、A面トップのシンガーソングライター永井龍雲の「問わず語り」もその詞の感性にドキリとしてしまう。

 向かい風に逆らうようにして 今日まで俺は生きてきた 
 道の小石に足を取られても 黙って埃を払った~♪

 B面は全曲宇崎竜童。
 『その後の仁義なき戦い」で築いた友情を感じるのは宇崎竜童ばかりではなく、B面のラストを飾る「キネマ横丁」では、萩原健一がブルース・ハープとバックヴォーカルで参加している。「オ・レ、オーレェ!」と、ショーケンの声がアルバムラストに響きわたる傑作の一曲だ。

 この「キネマ横丁」は宇崎竜童自身、ダウンタウン・ファイティング・ブギウギ・バンドの『海賊盤』のトップの曲として、タイトルを「シネマ横丁」にして歌詞も少し変えて収録している。


SIDE A
01. 問わず語り (作詞/作曲:永井龍雲)
02. 狼になりたい (作詞/作曲:中島みゆき)
03. ピエロ (作詞/作曲:中島みゆき)
04. まだ浅い別れ (作詞:浅野裕子/作曲:大野克夫)
05. ロシア詩人のように (作詞:浅野裕子/作曲:大野克夫)

SIDE B
01. 川崎 Blossom (作詞:島武実/作曲:宇崎竜童)
02. BYE NOW (作詞:島武実/作曲:宇崎竜童)
03. Don't Cry For Me (作詞/作曲:宇崎竜童)
04. あるがまま、なすがまま (作詞:島武実/作曲:宇崎竜童)
05. キネマ横丁 (作詞/作曲:宇崎竜童)


★その後の仁義なき戦い★
★「海賊盤」ダウンタウン・ファイティング・ブギウギ・バンド★