TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「ゲバゲバ子守唄」渚ようこ


渚ようこ 魅力のすべて~BEST 1996-2008

    ☆

 ゲバゲバこそ昭和のアヴァンギャルドな一撃。
 なんてアナーキーな言葉だ。

 あの伝説的TVヴァラエティ番組『巨泉×前武ゲバゲバ90分』しかり、革命的ピンク映画『処女ゲバゲバ』しかり、少年漫画に登場した悪辣非道なヒーロー『銭ゲバ』しかり。
 まさに渾沌とした時代、1970年前後の象徴だろうか。
 “ゲバルト=暴力”が横行するヤバい時代に、その暗い空気を切り裂いたのが、人を喰ったようなナンセンスな言葉“ゲバゲバ”。
 魑魅魍魎な世界を吹っ飛ばすロマンさえ感じる。

 さて、ネオ昭和歌謡の歌姫・渚ようこ初のベスト盤『渚ようこ 魅力のすべて~BEST 1996-2008』に収録された新曲『ゲバゲバ子守唄』は、名古屋大須を拠点に活動するザ・シロップのドラマー松石ゲルが作った怪作。
 東映仁侠映画か、はたまたスケバン映画が甦る。新宿裏通りをうらぶれて歩く男の後ろ姿が見えてくる。

    ☆

01. ニュー・トーキョー
02. かっこいいブーガルー(クレイジーケンバンド)
03. 愛の逃亡者
04. シャム猫を抱いて
05. サイケでいこう
06. ブーガルー・ベイビー
07. この胸のときめきを
08. 伊勢佐木町ブルース
09. 二日酔い
10. 世迷い言
11. 哀愁のロカビリアン
12. OTOME
13. どうせ天国へ行ったって
14. かっこいいブーガルー(duet with 半田健人)
15. アマン(東馬 健 & 渚ようこ)
16. アダムとイヴ
17. ゲバゲバ子守唄

    ☆

 新曲も聴きモノだが、自らの選曲だけあってこのベスト盤は渚ようこの魅力が凝縮された1枚になっている。

 記念すべき1stアルバムからの2曲のカッコ良さ。
 阿久悠・宇崎竜童の傑作『哀愁のロカビリアン』『OTOME』阿久悠最後の名曲『どうせ天国へ行ったって』のドラマチック歌謡の重量感。

 昭和歌謡オタクのイケメン俳優半田健人や、謎のムード歌謡歌手東馬健(実はミッチー)とのデュエットは、横山剣にも増して昭和の香りがプンプン。
 『アマン』はムード歌謡なのに、アレンジが007の映画音楽みたいで、その奇妙な感じがいい。
 福岡のゴールデン・カップス“ザ・ヤング”をバックに歌う『アダムとイヴ』は、デイヴ平尾が乗り移っているかのよう。

 そして、レア・トラックとなるのが映画「ヨコハマメリー」の主題歌で劇場限定発売だった『伊勢佐木町ブルース』。
 映画を未見で初めて聴いたのだが、ジャジーなピアノに乗せた歌唱がイカしてる。


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マーサ・ヴェレス1st、遂にCD化!



MARTHA VELEZ / Fiends & Angels

    ☆

 エリック・クラプトンとジャック・ブルースが参加しているということで話題になった、1969年発売のマーサ・ヴェレスの1stアルバムがCD化された。
 60年代末、ブルース・ロックの女性シャウト系ヴォーカリストとして名前を刻み込んだ1枚だ。

 1969年のロックシーンは、女性ヴォーカリストとして君臨するジャニス・ジョプリンがホーン・セクションを加えたコズミック・ブルース・バンドを結成し、よりソウル・ミュージックを追求していた時代。
 そして、そのジャニスに続けとばかりに、アメリカ西海岸からはリディア・ペンス率いるソウル・バンドのコールド・ブラッドがこの年レコード・デビューを果たし、シャウト系白人女性ヴォーカリストが注目されていた。
COLD BLOOD : 1st


 ニューヨーク出身のマーサ・ヴェレスがソロ・デビュー作をレコーディングしたのはロンドン。
 英国ブルースロック界にこの人ありと謳われたマイク・ヴァーノンがプロデュースを務め、レコーディングにはブリティッシュ・ロックの有名ミュージシャンらが大勢参加したのだが、商業的には成功に至らなかった。
 ひとつに、どっぷりとブルーズやソウルに漬かってきたジャニスやリディア・ペンスのようなソウルフルさに比べ、クラシックとモダン・フォークを歌ってきたマーサには、ロック・ヴォーカリストの魅力にイマイチ欠けるものがあったのかもしれない。
 1stアルバムにしてマーサ・ヴェレスの名前が一躍ブルースロック界の間で有名になったのは、この参加メンバーらの演奏にあったというのが本当のところだろう。

Musicians
Eric Clapton(g)
Jack Bruce(b)
Brian Auger(org)
Stan Web(g)……チキン・シャック
Christine Perfect(kb)……チキン・シャック
Andy Silvester(b)……チキン・シャック
Dave Bidwell(ds)……チキン・シャック
Mitch Mitchell(ds)……ジミ・ヘンドリックス&エクスペリエンス
Paul Kossoff(g)……フリー
Chris Wood(flt)……トラフィック
Jim Capaldi(ds)……トラフィック
Johnny Almond(sax)
Chris Mercer(sax)
Keef Hartley(ds)
Duster Bennett(harp)
etc………

 この豪華なレコーディング面子だからこそ“英国スーパーセッション”と云われた所以だ。
 クラプトン、コゾフ、ウェブのギター、そして、クリス・ウッドのフルート、ジョニー・アーモンドのサックスなど聴き所は多い。

 当時日本盤は“悪魔と天使”と題して発売され、一時期中古レコード屋ではかなりの高値が付けられていた。
 残念ながら日本盤は所持していないが、20年くらい前にニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジの中古レコード店でUS盤を手に入れている。

 アルバムを5枚リリースしているマーサ・ヴェレスのCD化は、これまでにコンピレーション・アルバムの『Angels Of The Future / Past』1枚だけで、この『Fiends & Angels』からは4曲が収録されていた。
Angels Of The Future / Past


Fiends & Angels : UKジャケ写真

01. I'm Gonna Leave You
02. Swamp Man
03. Fool for You
04. In My Girlish Days
05. Very Good Fandango
06. Tell Mama
07. Feel So Bad
08. Drive Me Daddy
09. It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry
10. Come Here Sweet Man
11. Let the Good Times Roll

    ☆


「百万円と苦虫女」



脚本・監督:タナダユキ
出演:蒼井優、森山未來、竹財輝之助、ピエール瀧、笹野高史、佐々木すみ江、キムラ緑子、矢島健一、齋藤隆成、平岩紙、斉藤歩、堀部圭亮、石田太郎、嶋田久作、モロ師岡

☆☆☆☆ 2008年/日本・日活/122分

    ◇

 短大を卒業してバイト生活をしていた鈴子は、ちょっとしたことから警察沙汰になり前科が付いてしまう。腫れ物を触るように接する両親や、中学受験を控える成績優秀な弟の非難を浴び、鈴子は「家を出る」と宣言し実行する。

 人とコミュニケーションをとるのが苦手で、人との関わりを避けるように、100万円貯まるたびに誰も知らない土地へ旅をすることをルールに、“流れ者”として彷徨うヒロイン。
 
 蒼井優のゆらりとした佇まいと、その圧倒的な存在感が、最高に気持ちいい映画だ。
 こころの機微を丁寧に演じる蒼井優はさすがである。
 映画に流れるゆるさと、台詞に感じられるリアリティは、蒼井優のドキュメンタリーを見ているような気にさせられるが、タナダユキ監督は蒼井優を当て書きに脚本を執筆したというから道理ではないか。

 “自分探しじゃない…………探さなくても、いやでも自分はここにいるから”
 この、自分自身をしっかりと背負い自分と向き合っているヒロインの言葉は深い。

 からかう同級生に啖呵をきる鈴子の姿を見かけた弟が、鈴子と並んで手をつなぎ「家を出ても手紙を書いてね」と言葉をかける帰り道。
 二十歳そこそこの女の子が100万円を貯める非現実性が、この弟との手紙のやりとりで、お伽話のような旅と弟の現実世界がつながる。

 どこの土地へ行っても、鈴子が住むがらんとした部屋には手作りのカーテンが一対、常に持ち運ばれ掛けられる。ただひとつある住まいの香りと面影。このディテールがいい。

 そして、凡庸な青春映画を蹴飛ばすようなラストシーンは秀逸。
 蒼井優の表情が爽快だ。

ボンゾの妹、デボラ・ボーナム



DEBORAH BONHAM / Duchess

 60年代のサイケデリック・ムーヴメントを思わせるようなジャケットは、レッド・ツェッペリンのドラマー故ジョン・ボーナムの実妹デボラ・ボーナムの通算3枚目になる最新アルバム。

 2001年に行なわれた“スティーヴ・マリオット メモリアル・コンサート”に名前を連ねていた彼女は、ハンブル・パイ後期のレパートリーでもあったアン・ピープルズの「I Can't Stand The Rain」や、アイク&ティナ・ターナーの「Black Coffee」を披露していた。
 マリオットがブラック・ミュージックの解釈をロックバンドで示していたこの2曲を、堂々と歌いこなしたデボラもまた、英国が誇る白人ソウル・ヴォーカリストのひとりである。

 このアルバムは、ハンブル・パイのドラマー、ジェリー・シャーリーを含んだバンドをバックに、デボラのオリジナル曲で占められている。
 ブルース、ソウル、ゴスペルなどブルージーな世界を、R&Bシャウターの魅力にあふれた歌声で、素晴らしい傑作に仕上げている。

    ☆

01. Grace
02. Jack Past 8
03. Hole In My Heart
04. Hold On
05. Love Lies
06. Pretty Thing
07. Love You So
08. How Do You Feel
09. Chains
10. Duchess & The Shufflemeister
11. Waiting So Long
12. Had A Little Love
13. Blue

    ☆

 4曲目の「Hold On」では、ボンゾの息子で甥っ子のジェイソン・ボーナムがドラム担当。ポール・ロジャースとのデュエットも聴くことができる。 

 女性ヴォーカル、特にソウルフルなシャウト系が好きな人にはお勧め。
 
 レヴューによってはジャニス・ジョプリンやグレイス・スリックのスタイルを思い起こさせるとあるが、ハスキーなヴォーカルとシャウトの加減はストーン・ザ・クロウズからソロになったマギー・ベルに近いと思う。
 同じくらいの年齢ではないだろうか。
 マギー・ベル自身がストーン・ザ・クロウズ時代から“英国のジャニス”と云われていたこともあるが、ストーン・ザ・クロウズそしてマギーを育てあげた人物がツェッペリンの名物マネージャーのピーター・グラントだったことから、当時から何らかの影響を受けていても不思議ではない。

 雰囲気も似た貫禄のスタイルだ。



フラワー・トラヴェリン・バンド“We are here”ツアー



 フラワー・トラヴェリン・バンドが全国5都市を廻る“We are here”クラブツアーの詳細が、今月初旬に発表になっていた。
 先行予約は既に終っていたが、一般発売が20日(日)から行われる。

     ◇

【Yokohama】
2008.9.20sat 横浜BAY HALL
OPEN17:00
START18:00
ALL STANDING\6000(ドリンク代別) 

【Sapporo】
2008.9.22mon 札幌ジャスマックプラザ ザナドゥ
OPEN18:30
START19:00
全席自由\6000 

【Nagoya】
2008.9.26fri 名古屋DIAMOND HALL
OPEN18:00
START19:00
全席自由\6000(ドリンク代別) 

【Osaka】
2008.9.29mon なんばHATCH
OPEN18:30
START19:30
全席指定\6000(ドリンク代別) 

【Tokyo-TOUR FINAL!】
2008.10.5sun 日比谷野外大音楽堂
SPECIAL GUEST : Johnny , Louis & Char
OPEN15:30
START16:30 *雨天決行
全席指定\6500  立見\6000

     ◇

 フラトラと云えば野音。
 ファイナルの東京は凄いね。
 ゲストがJohnny , Louis & Charだ。


 名古屋はオール自由席のスタンディング…………
 さて、どうする…………。
 

清志郎、再び闘病



 今年2月に日本武道館にて『完全復活祭』を成し遂げたばかりの忌野清志郎の身に、新たにがん転移が見つかり今後の公演や活動スケジュールのすべてがキャンセルされた。

 先日『徹子の部屋』にゲスト出演したキヨシローだったが、画面に映っていたのは喉頭がんを克服して元気に復活した男の姿ではなかった。
 徹子さんの問いかけにも鈍い反応で、覇気のないキヨシローに何かおかしいと思ったファンは多かったはずだ。
 いやな感じが付きまとっていただけに、ショックなニュースだ。

 「覚悟してたんでぜんぜんヘコんでないから。ブルースはまだまだ続いているというわけだ」とコメントするキヨシローだが、ヘコまないはずがない。

 しかし、安易に「がんばれ」なんて言えない。

 いまは、先日発売された『忌野清志郎 完全復活祭 日本武道館』のDVDを観ながら、静かに見守るしかない。

マウンテンの紙ジャケ



 6月下旬に発売されたマウンテンの紙ジャケ8タイトルのうち5タイトルを購入。
 やっと、マウンテンの再評価などが始まったようなところがあり、ファンとしては嬉しい再発である。
 それも低価格で、USオリジナル盤を復刻したジャケットと最新リマスタリングされた音源は、とびっきり魅力的なのだ。

 フェリックス・パパラルディのアイデアや理論に基づく楽曲作りなどの才能と、レズリー・ウェストのメロディアスであり分厚いリフをくり返す独特のギターの音色で、ブリティッシュ・ロックに引けを取らないアメリカン・ハードロックを確立したバンドがマウンテンである。

 また、別の意味でのマウンテンの魅力は、5人めのメンバーとも云えるパパラルディの妻ゲイル・コリンズの作詞家とアート・ディレクターとしての創造性でもある。
 マウンテン2ndから全てのジャケットのアートワークを手掛け、いくつかの楽曲に詩を提供していた彼女が創りだす世界は、幻想的なイラストと相まってマウンテンの世界を構築していた。



 当時から、ゲイル・コリンズが描くジャケットに魅了されてアルバムを買っていたのだから、当然今回もジャケ買いになる。
 『レズリー・ウェスト/マウンテン』『栄光のマウンテン』『雪崩』は、音源的には手にしたものばかりなので買わなかった。

 今回の紙ジャケットの再現は、US盤オリジナル・ジャケットの復刻に加え、帯も当時の日本盤初版の復刻で、『勝利への登攀(CRIMBING!)』の帯は微妙な色合いだったシルバーブルーを限り無く近く再現してある。
 また、日本盤の読み応えあるブックレットを完全ミニチュア化してあり、『ナンタケット・スレイライド(NANTUCKET SLEIGHRIDE)』は、ポートレート2枚とオリジナル・ソング・ブック(16p)も付いてお得感いっぱい。



 但し『悪の華(FLOWERS OF EVIL)』のブックレットのように16頁にも及ぶと、これはこれで大変でルーペがないと読むには一苦労である。



 『勝利への登攀(CRIMBING!)』は、E式スリーヴでジャケの内側から盤を取出す形態を再現。
 英国盤にはよく見られた型式でUS盤としては割と珍しく、キャンドヒートのライヴ盤で初めて目にしている。

 1971年、映画『バニシング・ポイント』の挿入曲となった「ミシシッピ・クィーン」のインパクトは強烈なものがあって、その「ミシシッピ・クィーン」をA面1曲目に配したLP『勝利への登攀』を購入した友人宅で、何度も何度も聴き惚れていた想い出がある。

傷だらけの天使 最終回

ハイセイコーも引退  長嶋選手も引退

傷だらけの天使もいよいよ最終回

エマニエル夫人も アメリカン・ニューシネマも

蹴っ倒して華の宴

トルコのあけみも おカマのモナ子も 桜三月花吹雪

地震もあればスモッグだらけ 大東京で総倒れ

たまらん たまらん たまらんゼ

たまらんコケたら みなコケた

だけど

まだまだ墓場にゃあ 行かないゼ


    ◇


 ファミリー劇場で毎週2話ずつ放送されていた『傷だらけの天使』が終っちゃいました

 デイヴ平尾の『一人』で余韻を残しながら………

 暫くは 次なるショーケンの一手を 楽しみに待つ日々よ

ターコイズ・ブルーのツェッペリン




 これを見て「おおっ!」と声が出たひとは、かなりのツェッペリン・マニア。

 これは、泣く子も黙る『ツェッペリン1st』の幻の英国初回プレス盤で、たったの2000枚ほどしか流通されていない“ターコイズ・ロゴ”のジャケット。

 この蒐集家泣かせの“ターコイズ・ロゴ”が、いま流行の新フォーマットSHM-CDとして、再々度の紙ジャケットとして9月10日に復刻される。

 これまで2度(1997年&2003年)の紙ジャケット仕様が発売されたのだが、どちらも、US盤仕様のA式ジャケットに加えアナログ盤への忠実度が貫徹されていないことで満足のいく出来ではなかった。(2003年発売は帯をアナログ仕様に変更しただけのもの)



 今回は英国オリジナル盤のE式ジャケットが採用され、『1st』の“ターコイズ・ロゴ”盤に関しては一回り小さかったオリジナル・ジャケットのサイズとともに、ビニール・コーティングの光沢の美しさを手にとることができるわけだ。
 レーベル面の色、帯も“グラムフォンの初回帯”の再現はもちろん、それぞれのアルバムに施されていた特殊加工もしっかり再現されるそうだから、今度こそ、最高の紙ジャケット仕様と期待してもいいだろう。

 『III』の穴の数や『フィジカル・グラフィティ』の細い窓枠のくり抜きなど、一般から見たらどうでもいいようなことかもしれないけれど、ミニチュアを制作しようとするのなら、どこまでもオリジナルに近づけて欲しいのは当たり前のこと。

 さらに『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』の6種類のジャケットも再現され、限定ボックスのみの特典として、別ジャケット5種+『レッド・ツェッペリン1st』のオレンジ・インク・ジャケットの計6枚(ジャケットのみ)が封入される。

 5000セット限定の28000円…………
 嗚呼、今月から節制して間に合うかしら………。

 先日友人に「ジャケだけ集めるようなコレクションは辞めたよ」なんて云ったばかりなのになぁ。

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