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TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

マニアの愉しみ

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 今週は、グッと熱いゼョ。

 小春日和の今日はレッド・ツェッペリンのライヴ三昧。
 彼らの公式ライヴとして映画『狂熱のライヴ』とサントラ盤の『永遠の詩』。映画版DVDはリマスターされた映像と5.1chドルビーサウンドのド迫力で、CDは『永遠の詩(狂熱のライヴ)~最強盤』としてオリジナル盤未収録の6曲を加えての再登場です。
 これまでに数多くのブートレグで73年のライヴ演奏を聴いていても、たとえ編集された音とはいえ、公式に4人の奇跡的なステージを見聞きできるのだから、まったくもってこの上ない幸せ。

 昨日は、仕事場で昭和カルト歌謡三昧でした。
 先の Hotwax 歌謡★で紹介した、津々井まり『愛すれど心さびしく』、 南陽子『噂の天使』青江三奈『女の警察~ムーヴィートラックス』 の3枚。
 どれも極上の逸品です。
  津々井まりは、こうしてコンプリートでCD発売されることが奇跡。それほど待ち焦がれた歌い手なのです。
 南陽子は「スター誕生」の第4回グランドチャンピオンで、夏木まり、安西マリア、山本リンダらと同じアクション歌謡路線を目指した歌手ですが、スタ誕出身としては20歳過ぎの
シンガーとして歌唱力もあったのに売れませんでしたね。阿久悠・小林亜星コンビの楽曲は、カルトと呼ぶにふさわしい傑作です。
 青江三奈は、そりゃあもう貴重音源ばかりの正真正銘の発掘もの。


 さて、昨日今日と心熱くなるものばかり見聞きしてきたので、明日はエロスといきましょうか。
 『人が人を愛することのどうしようもなさ』のDVDは、特典満載の狂乱モノで、生写真まで付いてるんです(笑)。
 石井隆映画のreview として 「人が人を愛することのどうしようもなさ」  ★彷徨う名美ふたたび★を書いてきましたが、このDVDのコメンタリーやカットされた映像を観て新たに迷宮の道を歩むような予感………これこそ、石井作品の快感! そこに悦びを覚えている次第です。

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「オリヲン座からの招待状」



監督:三枝健起
原作:浅田次郎(集英社刊『鉄道員』より)
脚本:いながききよたか
メインテーマ:上原ひろみ
音楽:村松崇継
出演:宮沢りえ、加瀬 亮、宇崎竜童、田口トモロヲ、中原ひとみ、樋口可南子、原田芳雄

☆☆☆☆  2007年/日本・東映/116分

    ◇

 閉館する映画館の館主が、ゆかりのある人にしたためる最後の上映会の招待状。
 別居中のある夫婦(田口トモロヲ・樋口可南子)の心に蘇るのは、子供のころ遊び場にしていたこのオリヲン座と、そこを守り続けてきたふたりの男女のことだった。

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 昭和30年代初め、京都・西陣。映画隆盛のこの時代、小さな映画館“オリヲン座”も大繁盛していた。
 口数が少なくぶっきらぼうだが、誰よりも映画を愛している映写技師で主人の松蔵(宇崎竜童)と、甲斐甲斐しく働くトヨ(宮沢りえ)のところに、ある日、戦争孤児の留吉(加瀬 亮)が一文無しでやってくる。ただで映画を見せてもらった後、この“オリヲン座”で働かして欲しいと頼み込んできた。
 はじめは青年に訝しい思いのトヨだったが、松蔵の「心配いらん。あいつは大丈夫や」という言葉どおり、青年は一生懸命に働き、映画の魅力にのめり込んでいく。
 そこには、穏やかで、ささやかな幸せに満ちた三人の生活があったのだが、数年後、松蔵が病に倒れ亡くなる。

 映画館を閉めようと言うトヨに対し、留吉は「オリヲン座をほかしたらあかん」と、松蔵の意思を継ぎ映画館を再開する。
 しかし、口さがない周囲の噂と、テレビの急速な普及により、映画館へ足を運ぶ人も少なくなっていく。
 それでも、大事なものを愛し、先代との忠義を守るために、半世紀ものあいだ映画をかけつづけた留吉とトヨ。

 人とひとがお互いを大切に想い合うことの幸福感。人がものを大切に思い続けることの素晴らしさ。この映画は、そんな当たり前なことを、静かな口調で淡々と綴ってゆく。
 映画への愛と、映画を愛した人との約束を守るために、世の中に引きずられることなく、ずっと長い間、変わらず続けることの尊さが伝わってくる。

 儚げで、甲斐甲斐しく、健気に振る舞う女性を演じる宮沢りえが素晴らしい。CMでもお馴染みだが、京都弁の優しさがとても似合っている。
 そんな宮沢りえを見守る加瀬 亮もハマリ役。プラトニックな愛情表現を切なく演じてくれる。

 宇崎竜童もイイ。
 トヨが夕食の支度をしているそばで黙々と鰹節を削っている姿にしても、缶入りピースの煙をプカプカ燻らし(ぼくの父親が、生涯この両切り煙草を吹かしていたのを思いだした)、ぶっきらぼうにしゃがれた声で話す様にしろ、まるでブルースマンのような憂いさを醸し出しているのだ。

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 セットやディテールのノスタルジックさだけでなく、観るものの琴線に触れてくるものに“音”がある。
 松蔵が居る「鰹節を削る音」
 トヨのこころが弾む「自転車のベル」
 師弟の義が結ばれる「映写機の回る音」
 トヨのこころに刺さる「傘を叩く雨の音」…………
 そこに存在するひとの、息づかいが浮かび上がってくる音。
 胸を突かれる巧妙な演出となっている。

 老齢になり、現代に生きる留吉とトヨを演じる原田芳雄と中原ひとみの佇まいも見事。
 ラストの映写室のなかでのふたりに、もはや言葉もない。

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 原田芳雄が、ラスト上映会の舞台で挨拶する言葉に涙……………


日活名作Roman Series 最終期



 2005年10月から始まった『日活名作ロマンシリーズ』も、いよいよ12月21日発売の15本が最終期となります。
 2年あまりかけて、10期全150本の作品(リプライスシリーズを除く)に再び陽の目を当ててきたわけで、最後も気になる作品が目白押しです。購入予定のお好み作品の紹介をしてみます。

OL日記・濡れた札束('74)
 前年に起こった滋賀銀行9億円横領事件に題材を得た実録モノ。主役は、文学座出身の中島葵が初の主役で素晴らしい演技を披露している。名優森雅之のお妾さんの子として生まれた血筋は確かなもので、ロマンポルノ以後も、一般映画やテレビドラマの脇役で常に光る存在で活躍していたが、1991年に享年46の若さで病死しています。

新宿乱れ街・いくまで待って!('77)
 荒井晴彦脚本、曽根中生監督が描く、新宿ゴールデン街を舞台にした映画人たちの青春物語で、女優を目指すヒロインを山口美也子が好演している秀作。
 山口美也子も中島葵同様劇団出身の演技派で、彼女の出演している作品に傑作は多い。

堕靡泥の星・美少女狩り('79)
 どこまで人間は悪魔になれるのか……原作は70年代に爆発的人気を呼んだ佐藤まさあきの衝撃劇画で、東映から鈴木則文を招き脚本大和屋竺で映画化した作品。官能のSM世界とは違ったサディズムに溺れる青年の姿を描いている。菅原文太が運転手役で特別出演しています。

戦国ロック・疾風の女たち('72)
 これも大和屋竺の脚本で、日活ニューアクションの実績を誇る長谷部安春が、初めてロマンポルノのメガホンをとった記念的作品。当然タイトルは『野良猫ロック』を意識しており、戦国時代を舞台に、七人の女盗賊が暴れ回るアクションものなのだが、肝心の女優たちにアクションのキレがないのが残念。

ラブハンター・恋の狩人('72)
 山口清一郎監督と神代辰巳監督が共同ペンネーム(こうやまきよみ)で執筆した脚本で、近親相姦・ドラッグ・ホモセクシャルなどの性表現が時の権力の逆麟に触れた問題作です。処女作で「日活ロマンポルノ裁判」の被告になった山口清一郎監督は、無罪確定を受けるまでの8年間を国家と闘い続けました。

真夜中の妖精('73)
 風間杜夫三部作の1本だが見逃している作品で、田中登監督のインタビュー(書籍『田中登の世界』)を読んでいたら見てみたくなったものです。 

    ◇

 蟹江敬三と八城夏子の出演で長谷部安春監督のロマンポルノ最高作『犯す!』や、林ゆたかと松永てるほが切ない『赤い花弁が濡れる』、二条朱実のハイミス役が印象に残った『OL日記・猥褻な関係』、曽根中生監督・笹沢左保原作の密室劇『悪魔の部屋』、荒木一郎脚本で潤ますみの傑作『現代娼婦考』等々、まだまだ再見したい名作・傑作・話題作がいっぱいあるロマンポルノ。次なるシリーズを期待したいものです。


「恋の気分で」平山みき


Love and Passion

収録曲
01. Yesterday
02. マンダリンパレス
03. Pretend
04. Fly Me To The Moon
05. 真夏の出来事
06. I'm In The Mood For Love (恋の気分で)
07. You Are The Sunshine Of My Life
08. Over The Rainbow
09. 飛んでイスタンブール
10. そっとおやすみ


 『This is Miki Hirayama』以来、1年ぶりの平山みきの新作は、『CABARET GIRL』('02)同様のジャズ・アルバムです。

 前作がスウィンギー・タイプのミュージカル風のジャズ・アルバムだったのに対し、今回のアルバムはジャケットを見てわかるように、ジャズ・クラブでの趣いっぱいのアレンジが施されている。今後、この雰囲気のライヴを続けて欲しいと思わせる構成です。

 『This is Miki Hirayama』において、オリジナルのディスコ・タッチを思い切って4 ビートで聴かせた『マンダリンパレス』は、ここではよりジャズ・クラブ向けのアレンジで再レコーディングされている。

 平山みきの代表作となる『真夏の出来事』は、これまでアカペラをはじめ何度もアレンジされ直してきたが、ここではオリジナルのモータウン風リズムを排し、4ビートのグルーヴ感を生かしながらしっとりと歌われる。
 聴きもののひとつです。

 また、同じ筒美京平作品の『飛んでイスタンブール』のカバーも、見事なほどの歌唱で聴き惚れてしまう。彼女が歌うと、サビの「おいでイスタンブール うらまないのがルール~♪」の箇所は、より異国情緒なムードを醸し出し、さいはての地を夢想させてくれるのです。

 最後は、クニ河内作詞・作曲で布施明が歌った『そっとおやすみ』で締めくくられます。
 テーブルを回りながら歌う平山みきの姿を思い浮かべながら、ストレンジ・ヴォイスの魅力に惹き込まれ、秋の夜長を過ごすとしましょう。

 ところで、今回のジャケットはどこもかしこもブルー系です。淡ブルーのドレスで写る平山みき。JAZZYな雰囲気に、イメージカラーのイエローを封印したのか………?


人の気も知らないで~沢知美とあなたの夜



 コロムビア・レコードの“昭和アーカイヴス”シリーズと云えばこれまで、いしだあゆみの「アワー・コネクション」や雪村いづみの「スーパー・ジェネレイション」、平山三紀、弘田三枝子、ヒデとロザンナらの名作アルバムをCD化してきたが、ここにまた素晴らしい作品が初CD化された。
 沢知美の2ndアルバムに、シングル作品8曲をボーナストラックとして収録した強力盤だ。

収録曲
01. 知りすぎたのね
02. つめ
03. 思案橋ブルース
04. 素敵なあなた
05. ロンリー・ブルー・ナイト
06. メランコリー
07. 人の気も知らないで
08. 夜にとけたい
09. ポート・ヨコハマ
10. ウナ・セラ・ディ東京
11. 夢の終り
12. あいつ

【ボーナストラック】
13. 私にいわせて
14. アンブレラのブルース
15. ひと夏の恋だった
16. モーニング・ブルース
17. 私はかもめ
18. 罪ある女
19. 夏の女
20. ブルー・モーニング・ブルース


 沢知美………ファッション・モデルから女優。中野味和子の名前で日活デビューをし、1967年の松原智恵子主演のテレビドラマ『あいつと私』に出演しながら、同時に歌手として『私にいわせて』でデビューをしたことで、ドラマの途中から沢知美に改名をしている。このドラマは見てた記憶があるのだが、まだ沢知美を知るまでには至っていなかった。
 初めて認識したのは《週刊平凡パンチ》のグラビアで、立木義浩氏のモノクロフォトの印象が強い。深夜ラジオのアシスタントや、11PMのカバーガールでも人気が出ていたね。

 このアルバムは、タイトル曲の『人の気も知らないで』をはじめ、ロミ山田の大ヒット曲『知りすぎたのね』などのシャンソンや、アメリカのコーラス・トリオ“アンドリュー・シスターズ”が大ヒットさせた『素敵なあなた』などのポピュラー・ソング、そして、ナイトクラブで歌われるムード歌謡などで構成した選曲で、大人の歌謡曲に仕上がっている。
 まずは、歌がうまい。イメージは、エロティシズムで男性を虜にしている感じなのだが、ヘタなテクニックを使わないので歌唱がしっかりしている。

 ボーナストラックのシングル曲は、アルバムのトータル性と違いなかなかヴァラエティある作品ばかり。
 西田佐知子やいしだあゆみタイプの、クールな歌謡曲シンガーとして大成できたと思える。そんな実力を感じずにはいられない。
 やさぐれた『モーニング・ブルース』、なげやり歌唱の『私はかもめ』は名曲。
 阿久悠作詞の作品が3曲あり、いしだあゆみばりの『罪ある女』とアクション歌謡路線の『夏の女』も見事だが、井上忠夫作曲の都会的なポップ歌謡『ブルー・モーニング・ブルース』も傑作。
 これだけシングル曲を並べるのだったら、ジャケット写真も掲載してほしかったなぁ。


11.1 歓喜!ドラゴンズ

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111 ナンバーワンだらけ

うれしい! うれしいよ~
53年ぶりの日本一!
おめでと~ 
そして ありがと~

思えば ぼくにとっては
1974年のジャイアンツのV10を防いで見せたあの年から
長い長い夢が実現したのです

1982年の“野武士野球”の勝利
1988年には燃える男・星野仙一の負けじ魂
  あの時の打線の核にいたのが落合博満
開幕11連勝で幕開けした1999年のドーム野球の基礎
2004年に落合監督を招いての一年目の快挙
山本昌のノーヒットノーランなど“守り野球”の2006年

そんなリーグ優勝の快挙を上げながら
日本一だけは遠ざかっていた

だから 今夜だけは男泣きを許してもらおう

泣いた 泣いた 本当に泣いた
福留が 立浪が 山本昌が
彼らの姿がTVに映ったとき
涙が止まらなくなった………

それにしても
クライマックス・シリーズに入ってから無敵のドラゴンズでも
最後の最後に誰がこんな試合を想像しただろうか

メインをかっさらった山井投手の驚異の投球 
そして
9回の投手交代劇は賛否を呼ぶだろうが
あれは
勝負師落合監督の冷静な采配だと思う
完全試合の記録より 日本一の記憶に残った
こんな試合
やはり完璧なるリリーフ投手 岩瀬がいるからだろう
これが 落合野球 ドラゴンズ野球

次なる目標は 連覇だ!




中島みゆき Concert Tour 2007

 10月31日、中島みゆきのコンサートへ出かけた。
 みゆきさんのコンサートは、実に1985年の“のぅさんきゅう・ツアー”以来、その間“夜会”へ出かけたきり。
 90年代に入ってからユーミンやサザンへの興味が薄れるなか、デビュー以来すべてのアルバムを揃え何度もライヴを見に行っていたのだが、チケットを手に入れるのが困難になり出してからは、すっかり、コンサートには遠ざかっていた。“夜会”と違ってコンサートは、まったく別のみゆきさんに出会えるのだなぁ。
 今回は、幸運にもチケット抽選で当選したから、本当に嬉しい鑑賞となった。

    ◇

 ステージセットは廃工場の中をイメージ。MCでハロウィンの話が出た時に「お化け屋敷みたい」と表現するように、不気味さも漂う雰囲気。
 みゆきさんが歌うスペースが一段高くなっていて、上手にふたりのギタリスト、下手にキーボード奏者ふたりとサックス奏者、そして3人のコーラス。みゆきさんの真後ろにドラムとベース。曲によって、ステージ後方の雛壇にヴァイオリンとチェロ奏者が並ぶ構成だ。
 
 18時35分、ステージにミュージシャンが上がり開幕。みゆきさんの衣装は真っ赤なドレス。
 新作アルバム「I Love You, 答えてくれ」が、かなりロック・テイストにあふれた楽曲揃いだったので、ステージもロック色が濃く、オープニングはダイナミックなイントロの『御機嫌如何』。
 
 1曲目のあと、お得意の喋りでNHK紅白歌合戦(2002年)での裏話が語られる。さだまさしか、やしきたかじんか、そのステージでの喋りが楽しみなのも中島みゆきのコンサート。
 そして前半、最初の衣装替え(白のブラウスに黒のベストとスラックス姿)のあと「オールナイトニッポン」よろしく“お便りコーナー”が行われる。会場に設置された便箋にお客が近況を投書して、みゆきさんが舞台で読み上げコメントする。
 今回の名古屋公演は、ドラゴンズvsファイターズの日本シリーズの真只中。お便りもそれに関連するものがあり(実はぼくも投書をしたのだが、残念ながら読まれなかった)、歌の前に試合の途中経過がスタッフから届けられた。
 「えらい時に名古屋に来たもんだ。2回の裏を終了して…………2対0で中日ドラゴンズ!!」と、力強く読み上げられ、会場は割れんばかりの拍手と指笛。「逆でなくて良かった~。このあと何歌っても暗いよ~」のみゆきさんに大笑い。

 この“お便りコーナー”の合間には懐かしい古い歌を聞かせてくれるのだが、今回のツアーでは、この前後の3曲が2パターンの日替わりになっている。今日は『with』『ホームにて』『命の別名』で、もうひとつのパターンは『EAST ASIA』『蕎麦屋』『』ということらしい。
 このあと歌われた『ララバイSINGER』には、レコード・デビュー曲の『アザミ嬢のララバイ』が挿入された。

 TOKIOに贈った『宙船(そらふね)』では、ジャニーズから依頼があった時の面白話につづき、デモ・テープに歌を吹き込んだコーラス担当の宮下文一さんが長瀬風ヴァージョンを披露。みゆきさんは2コーラスから参加するといった、ステージならではのヴァージョンだった。

 新曲『昔から雨が降ってくる』は、太古から流れる悠久の時間の中に浮かぶ感じでしっとりと歌い、そして退場。

 薄いクリーム色のロングドレスに着替えて再登場し、デ・ジャヴの話から吉田拓郎の『唇をかみしめて』を歌う。なんと、みゆきさんがステージで他の人の曲を歌うのは初めてのこと。“つま恋”の裏話もあり、拓郎氏へのエールも込められていたのでしょう。

 ♪人が生きとるねェ 人がそこで生きとるねェ

 そして、つづく曲は『ファイト!』。ベースの単音が響いただけで大きな大きな拍手。そりゃ、そうだろう。この曲の凄さを生で体感できるのだから。

 ♪ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう
  ファイト! 冷たい水の中を 震えながら昇ってゆけ


 静かな歌い出しから、力強い最後の“ファイト!”まで、まさに、鳥肌が立つ思い。山口百恵の『曼珠沙華』の生歌声以来の興奮だろうか。

 メンバー紹介のあと、ドレスを脱ぎ捨て真っ白なタイトドレス姿に変わり、新曲のロック・チューンで、無償の愛の『 I Love You, 答えてくれ』と、歌作りの歌い手として言葉の重要性を人一倍大事にしているみゆきさんが、言葉の限界を歌う『ボディ・トーク』を激しく歌う。
 
 今回のツアーのテーマ“同じ時代に生まれてありがとう”を観客に贈り、最後の歌。

 アンコールは、黒のタンクトップに白いジャケット、ラメの入ったジーンズ姿でアコギを持ってロックナンバーを熱唱。つづく『地上の星』も、ハードロック・ヴァージョンのドスを効かせた歌い方だったが、3コーラス目からはギターを後ろに置き、本来の歌声で歌い上げた。

 そして、ジャケットを脱ぎタンクトップ姿も眩しく、スケルトンになっている赤いエレキ・ギターを抱えた姿で歌う、男たちへの応援歌『背広の下のロックンロール』でコンサートの幕を閉じた。
 終了時間21時13分。
  
 久々のみゆき節トークに笑い、変わらぬ歌唱とステージングに感動をし、今後も機会があれば出かけるようにしたいという思いの帰路、我がドラゴンズの日本シリーズ王手を知った。
 なんとも気持ちのいいハロウィンだったなぁ。

 尚、このツアーの模様はDVD化発売されるようだ。

    ◇

◆公演:2006年10月31日 中京大学文化市民会館 27列37番
◆上演時間:160分

10/31 演奏曲目
01. 御機嫌如何
02. 1人で生まれて来たのだから
03. あなたでなければ
04. 一期一会*
05. with
  ★おたよりコーナー[1]
06. ホームにて
  ★おたよりコーナー[2]
07. 命の別名
  ★おたよりコーナー[3]
08. ララバイSINGER~アザミ嬢のララバイ
09. 宙船(そらふね)(with 宮下文一)
10. 昔から雨が降ってくる*
11. 唇をかみしめて(作詞・作曲:吉田拓郎)
12. ファイト!
13. 誕生
 ~メンバー紹介~
14. I Love You, 答えてくれ*
15. ボディ・トーク*
16. 重き荷を負いて*
 ~アンコール~
17. 本日、未熟者*
18. 地上の星
19. 背広の下のロックンロール*
* 新曲