TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

D4-F2

今晩は中島みゆきのコンサートだった
コンサート前半の“お便りコーナー”で
みゆきさんの口から2対0の途中経過
観客から大きな拍手を受けながら
「ホームにて」を歌唱
160分の感動のステージの帰り道 ドラゴンズの勝利を知った


そろそろ こんな試合がなるかもしれない
と 思ったとおりの接戦でした
それも エラー(暴投、悪送球)が絡んでの試合かぁ

テレビで観戦してなくて良かったかも………
イライラしただろうな

さて 53年ぶりの頂点に王手だが
ダルくんを打ってこその優勝
好ゲームを期待しよう

そして
ドラゴンズ・ファンのロックシンガー忌野清志郎氏の
完全復活とともに祝いたい



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D9ーF1

1回裏の先制
猛打でファイターズを圧倒したドラゴンズだが
全得点 ホームランは1本もない
これこそお得意の繋ぎ野球

第1戦における 13個の三振の山も
この第3戦での7打数連続安打の記録も
同じレベルなのがドラゴンズ

2回表の守り
前進守備による井端のバックホーム
楽々遂行する鉄壁の内野陣の成せる技
とにかく 大量点を得ていようが
1点も与えない守りこそ
最強の攻撃なのだ

油断はしない…………


F1ーD8

ドラゴンズの暴れ馬は
伊達にエース背番号20番を背負ってるんじゃない

セ・パ両リーグでダントツの
四死球記録を持つ中田賢一の快投は
きれいなフォームで見ていて気持ちいいね

試合展開も
昨晩と同じ“アライバコンビ”の好走塁で先制点
中村紀の中押しに李炳圭のダメ押しホームランと
理想のドラゴンズ打線

心配はウッズの復調だけど
舞台が名古屋に変わるのだから
やってくれますよ

F3ーD1

立ち上がりの制球難を突かれた川上だが
被安打2なんだから責められないよ
13三振も あのダルビッシュでは仕方がないか
已む無し………

“アライバコンビ”の好走塁で得点もしたのだから
今後は何も心配することはない

それにしても
札幌ドームのお客さんの声援は甲子園以上のものだよな
この声援を感じていると札幌ドームでの試合が多い分
明日を勝っておかないとマズイよ

まあとにかく 見応えあるゲームでした

Hotwax 歌謡曲

 Hotwax の歌謡曲紙ジャケ・シリーズ第2弾として、強力な3枚が11月23日に発売されます。
 グラマー・アクション歌謡の津々井まりと南陽子の2枚。そして、青江三奈のムーヴィートラックスです。

 津々井まりは、唯一のアルバムに未収録シングルA/B面などを加えた最強盤です。これ以上の音源はないでしょうね。
 南陽子は津々井まり同様、百花繚乱のビート・アクション歌謡時代に咲いた、グラマー歌謡路線のアイドルですね。
 青江三奈は「Hotwax vol.8」の特集からの流れで、映画の劇伴・劇中歌集です。これ、貴重な音源でしょう。
 カルト歌謡の再発時代……いやはやうれしい世の中です。
 ぜ~んぶ、買いでしょ。


愛すれど心さびしく+5/津々井まり
01. 愛すれど心さびしく
02. 女は小さなチャンスに賭ける
03. 人魚の恋
04. 女は恋して夢を見る
05. 首ったけ
06. 恋は地層の果てに
07. さすらいのギター
08. 希望
09. 経験
10. 悪女のためいき
11. 別れてあげる
12. 例えば貴方ともういちど
13. 悪なあなた
14. 夜霧はあなたの涙
15. 鳩よ、わが愛
16. 五月雨の京都
17. 四つのお願い



噂の天使/南陽子
01. 噂の天使
02. 二十歳の恋
03. ジョニーへの伝言
04. コーヒーショップで
05. 赤い花まつり
06. 赤い満月
07. 誘惑
08. 人間模様
09. 恋は燃えている
10. 愛のヴィーナス
11. ジェット最終便
12. 月夜のいたずら


女の警察~青江三奈ムーヴィートラックス
※#3,6,7,11.13,19,20,22:インスト 音楽:佐藤允彦

01. 酒場人形「女の警察」より
02. 国際線待合室(インターナショナル・ロビー)
03. 女の市場 M5-2
04. グッド・ナイト
05. 上海帰りのリル
06. 女の市場 M9
07. 女の市場 M4
08. 船頭小唄
09. 無情の夢
10. 夜の瀬戸内 part.1
11. 女の市場M10A
12. 夜の瀬戸内 part.2
13. 女の市場 M14
14. 三人の女 part.1
15. 三人の女 part.2
16. 三人の女 part.3
17. 昭和おんなブルース
18. あなたに泣いた
19. 女の警察テーマ
20. 続・女の警察テーマ
21. 酒場人形~「女の警察・国際線待合室」より
22. 女の市場テーマ



燃えつきろ!

今夜からプロ野球の日本シリーズ

リーグ完全優勝したファイターズと
リーグ優勝を惜しくも逃しながらも
クライマックス・シリーズを完全勝利で終ったドラゴンズ

リーグでの優勝にこだわった落合監督率いるドラゴンズが
日本シリ-ズへ進出を決めたあと
リーグ優勝のジャイアンツに敬意を示し
胴上げももビールかけもしなかった

その謙虚さこそ大人の球団になった姿

さあ 最後の決戦 アグレッシブなプレーで魅せてくれ

the very best of MICK JAGGER


ヴェリー・ベスト・オブ・ミック・ジャガー
DVD付2枚組【限定デラックス・エディション】

DISC 1 : CD
01. ゴッド・ゲイヴ・ミー・エヴリシング
02. プット・ミー・イン・ザ・トラッシュ
03. ジャスト・アナザー・ナイト
04. ドント・テア・ミー・アップ
05. チャームド・ライフ * 未発表曲
06. スウィート・シング
07. オールド・ハビッツ/withデイヴ・スチュワート
08. ダンシング・イン・ザ・ストリート/withデヴィッド・ボウイ
09. トゥー・メニー・クックス * 未発表曲
10. メモ・フロム・ターナー
11. ラッキー・イン・ラヴ (edit version)
12. レッツ・ワーク
13. ジョイ/withボノ
14. ドント・コール・ミー・アップ
15. チェッキング・アップ・オン・マイ・ベイビー/withザ・レッド・デヴィルズ * 未発表曲
16. ドント・ルック・バック/withピーター・トッシュ
17. イヴニング・ガウン

DISC 2 : DVD
01. ビデオ・インタビュー(2007)
02. ゴッド・ゲイヴ・ミー・エヴリシング(PV)
03. ジャスト・アナザー・ナイト(PV)
04. スウィート・シング(PV)
05. レッツ・ワーク(PV)
06. ラッキー・イン・ラヴ(PV)
07. ドント・テア・ミー・アップ(PV)
08. ダンシング・イン・ザ・ストリート(PV)/withデヴィッド・ボウイ
09. ジョイ(映画「ビーイング・ミック」より)/withボノ
10. ドント・ルック・バック(TV「Saturday Night Live 978」より)/withピーター・トッシュ


    ◇

 ミック・ジャガーのソロ名義での初のベスト盤です。
 どんなベスト盤にしろ、ファンの想いがそれぞれにあるから、みんなが満足のいく選曲にならないのが常であって、このアルバムも、こんなもんかなぁと云った選曲。ほとんどがアルバム・ヴァージョンであり、一時期あふれていた12inch別ヴァージョンなども一切入っていない。

 で、目玉は何かというと、3曲の未発表曲だろうか。
 『チャームド・ライフ』は「Wandering Spirit」辺りのアウト・テイクで、ユーロ風ラテン・ビートの佳曲。
 あとの2曲は、コアなファンにはお馴染みの『トゥー・メニー・クックス』と『チェッキング・アップ・オン・マイ・ベイビー』だが、一応は正規発売だし、当然音質は最高なわけだから、全てのファンにおススメです。
 
 ジョン・レノンがプロデュースした幻の未発表曲『トゥー・メニー・クックス』は1973年の録音で、ジェシー・D・デイビス、アル・クーパー、ジャック・ブルース、ジム・ケルトナーら豪華なメンツで演奏されるファンクの傑作で、特に、ボビー・キーズのサックスが最高!
 
 『チェッキング・アップ・オン・マイ・ベイビー』は、LAのブルース・バンド“Red Devils”を従えて1992年に録音された15曲の中の1曲で、ミックのインタビューによると原点回帰な雰囲気のなかで、昔ながらの録音スタイルで録音されたようだ。
 アルバムとして正規発売されなかったことは、ファンとして残念な思いをしたわけだが、所有するブートレグ「Blues with a Feeling」では12曲22テイクを聴くことができる。
 1995年に行われたストーンズのクラブ・サーキットで、Amsterdam の Paradiso で演奏されたマディ・ウォーターズのブルース『Still a Fool』は、この“Red Devils”とのブルース・セッションでも録音されており、このセッションがストーンズへ与えた影響は大きい気がする。
 だからこそ『チェッキング・アップ・オン・マイ・ベイビー』1曲だけでも、とりあえずきれいにミックスされて正規盤に収録されたのはうれしい。

「夜の分水嶺」志水辰夫

【徳間書店】定価1400円 1991年8月初版

【徳間文庫】定価 620円 新装版2007年9月

    ◇

 極上の冒険小説が、究極の恋愛小説になった!

 刻々と追いつめられてゆく男と女。夜が動く。山が退き、谷が消え、天地がひとつになった……。ふたりは旅立つ。地の果てまで。官能に抱かれて。

元警部補の青野淳一郎は仕事先でトラブルに巻き込まれ、殺人容疑者として追われる羽目に。逃げ込んだ軽井沢の山荘で、秘密機関と闘争中の男から、彼の妹を脱出させるよう頼まれた。
 ふたりの未来は……世界は恋人たちのためにある。 (惹句より)

    ◇

 この『夜の分水嶺』は、圧倒的な権力から男と女が逃避行するだけの話。
 大事なひとを守るために、ただ、逃げるのみ。誠実に生きるために、誇りを失わないために、逃げて、逃げて、逃げきってみせる、そのための気概と反撃。逃亡劇だからこそ、全編にいきわたる緊張感は凄いものがあり、作者の文章力にまたまた参ってしまうのだ。
 
 執拗に追っかけてくる国家権力側の姿ははっきりと描かれず、追われる側の人間だけで進行していく単純さが歯切れいい。
 脇役たちのキャラクターも実に魅力的に描かれ、後半、逃亡の途中で出会う山中にひっそりと暮らす人間との触れあいがとても印象に残る。
 故郷にこだわり静かな余生を送る老人。故郷を捨て、自分の居場所を探し求めながら、また故郷に舞い戻ってきた従兄。彼らとの関わりが、主人公たちに、誠実に生きることの尊さを感受させる。

 だからこそ、このラスト。
 賛否両論あるだろう最終章は、生命の息吹を感じるありふれた風景のひとコマ。その静寂さが、気持ちのいい読後感となる。

★志水辰夫小説書庫【noa noir

「行きずりの街」志水辰夫

【新潮社】定価 1400円 1990年11月初版

【新潮文庫】定価 580円 1994年1月

    ◇

 かつて東京都内の名門校で教師をしていた主人公の波多野は、女生徒との結婚がスキャンダルとなり学園を追放され、教え子の妻とも離婚をして郷里で塾の講師をしていた。十数年後、塾の教え子が行方不明となり東京へ捜しに来た彼は、そこで、かつて自分を追い出した学園の関係者が関与していたことを知る。波多野は過去の清算をすべく、孤独な闘いに挑んでいく……。

    ◇

 志水辰夫全作品の中で一番評価が高い本作は、日本冒険小説協会大賞受賞作であり、氏の代表作のひとつ。しかし、これまで売れていなかった。
 それが2006年の後期、「1991年度『このミステリーがすごい!』第1位」の惹句を謳った新潮社のキャンペーンによって全国書店に平積みされるようになり、売れ始めた。現在もベストセラーを続けている。
 15年以上経ってのこの売れ行きは何なんだろう。当然、知名度が上がり売れてくれた方が、昔からのファンとしては嬉しい。それまで志水辰夫を知らなかった若い人たち、それも、女性層にも売れているってことは素晴らしいことだ。本作がただのハードボイルドな作品で終らず、大人の恋愛物語にもなっている証かもしれない。

 志水辰夫の作品は、ハードボイルドとか冒険小説といった、一見同じようなパターンのなかで、実は、作者の視線は常に上質な恋愛小説として完結させている。
 この『行きずりの街』でいうと、別れた妻との出会いから、女と男のすれ違う思惑と嫉妬と、男の未練たっぷりな感情が噴出する過程が卓越した文章で描かれている。
 恋慕する女性、その母親、そして主人公を何かに導いていく女性……彼女らの存在に男は懺悔し、奮起し、身を震わす。
 初の時代小説として2007年2月に発表した『青に候(あをにさうらふ)』が、初期のシミタチ節を彷佛とさせたのは、この作品のイメージが強いはず。

 この作品は唯一ドラマ化をされており、水谷豊・藤谷美紀の主演で2000年土曜ワイド劇場にて放映された。

★志水辰夫小説書庫【noa noir

「青に候(あをにさうらふ)」志水辰夫

 次々と文庫化、あるいは新装版が発刊されている志水辰夫の小説群………少しでも多くの人に知ってもらいたく、志水辰夫の小説書庫【noa noir】をブログとして立ち上げていますが、もっと多くの読者を獲得するために、【Tea For One】のカテゴリーにも掲載することにしました。

 【noa noir】においては、ほぼ全ての作品のブックカバー写真と惹句を掲載しています。初版の単行本で既に読んだ作品でも、気軽に再読するために文庫本も購入しているため、ブックカバーも複数になっていますし、簡単なあらすじも加えているので、購読の参考になればと思っております。

 まずは、最新作の『青に候(あをにさうらふ)』を再紹介いたします。

    ◆


【新潮社】定価1785円 2007年2月初版

    ◇

 いくつかの書評やメディアにおいて絶賛されている初の“時代小説”は、これまで“冒険小説”のデビューにはじまり“コミカル・アドヴェンチャー”“ミステリー小説”果ては“情痴小説”、そして、長篇の筆を休み短編小説の量産と、常に読者の期待を裏切ってきた作風が、遂に、天保の時代に辿り着いたようだ。“シミタツ節”の復活である。
 
 実は、時代考証に嵌った文体がどうも読みづらく、時代小説といったものをあまり読んだことがない。唯一読んだといえば『仕掛人・藤枝梅安』シリーズ、『剣客商売』シリーズ、「鬼平犯科帳』シリーズの池波正太郎だけである。
 この『青に候(あをにさうらふ)』も、はじめはどんなものなのか不安だったが、いやぁ見事に、どこをとっても志水辰夫の小説世界になっており、それは幕末を舞台にした“冒険小説”であり、“恋愛小説”であり、“青春小説”になっている。

 お家騒動に巻き込まれ家中のひとりを斬り、国許を脱し、江戸に戻った主人公の神山佐平は二十代の下級武士。同じく江戸に戻り、ある秘密を握ったまま姿を消した同僚の縫之助を探すことになるのだが、自らも命を狙われることになる。江戸屋敷に詰める上司らも敵なのか味方なのか判らない。
 国元と江戸おもてとの対立や藩主らへの反乱のなか、若い侍たちがどう生きていったか。フラッシュバックで描かれる事件の背景を交えながら、逃避行の末、主人公が武士にこだわらず生きていく道を選んでいく。

 志水辰夫の小説で、魅力的なのが女性たちの存在だ。
 友人の目付小宮六郎太の母親や妹たえ。佐平の幼馴染みで淡い恋ごころを抱く元君主の側室園子。縫之助を待ち続けるお栄。佐平との関わりが、それぞれ魅惑的に描かれる。
 みんな、凛としたイイ女なのだ。これぞ、志水辰夫の世界!

「女地獄 森は濡れた」*神代辰己監督作品



監督:神代辰己
原作:マルキ・ド・サド「新ジュスティーヌ」より
脚本:神代辰己
撮影:前田米造
出演:伊佐山ひろ子、中川梨絵、山谷初男、山科ゆり、絵沢萠子、高橋明、堀弘一

☆☆☆★  1973年/日活/65分

 本文はHotwax誌 [vol.6]に掲載した記事に加筆修正したものです。

    ◇    ◇

 原作はマルキ・ド・サドの『ジュスティーヌ』の翻案で、悪徳の限りを尽くし、反道徳性と猟奇性に満ちたユートピアの世界を観念的に描いている。

 ざわめく森、日常と非日常の世界を結ぶ山中のトンネルで、淑女が少女をたぶらかす幕開け。
 時代は大正。森の中に建つホテルで、絶対的な権力を持つ主人(山谷初男)と美しい妻の洋子(中川梨絵)。ある日、“女主人殺し”の無実の罪で逃げ廻っている貧しい少女の幸子(伊佐山ひろ子)を拾う洋子。表の世界では人格者の衣を着る夫婦に、犯罪者として追われる少女が飼育される。
 それは、密室的世界では悪と善の立場が 逆転する構図。訪れた旅人たちを迎える異空間に、強姦・男色・鞭打ち・死姦の快楽と猟奇に満ちた悪徳の宴が催される。
 犯される伊佐山ひろ子の可憐さは、無垢と狂気、エロスとモラルが混沌とするなか、日常の地獄から非日常の“善のヒロイン”へと変わる鏡面の美となって咲き誇っている。

 乱交のなか、相手を射殺し返り血を浴びながら死姦する中川梨絵は、鞭打たれながら秋田音頭を口ずさむ官能の表情がとても美しい。
 シーンごとの変幻自在な声色も、イントネーションも、彼女らしい存在感で魅惑的。これぞ中川梨絵の十八番。

 殺戮のあとは大テーブルに死体を転がしての宴。
 フェリーニやパゾリーニを思わせる“食”と“性”と“死”への欲望は、道徳や法律への嫌悪。
 「この世に普遍的な正義なんて絵空事。善も悪も、とるに足らないもの」と、権力を誇る男が声を荒げるその狂気。山谷初男の怪演ぶりは凄い。
 そして「悪い世の中になって……」と、外の世界の絵沢萠子は呟く。

 森のざわめき、夕陽、ローソクの灯り、大正琴、尺八、春歌、ゴンドラの唄、秋田音頭、そして終幕のラジオ体操。
 非日常世界のなかの日常が、空恐ろしい。

「一条さゆり 濡れた欲情」*神代辰己監督作品



監督:神代辰己
脚本:神代辰己
撮影:姫田真佐久
出演:一条さゆり、伊佐山ひろ子、白川和子、粟津號、高橋明、小沢昭一、絵沢萠子、中田カウス・ボタン

☆☆☆☆★  1972年/日活/69分

 本文はHotwax誌 [vol.6]に掲載した作品紹介を、大幅に加筆修正したものです。

    ◇

 関西ストリップ界のジャンヌ・ダルク一条さゆり本人が出演し、彼女十八番の舞台“緋牡丹お竜”“ローソクショー”や、引退興行での警察の手入れを再現しながら、社会の底辺で蠢く大衆芸の世界の女たちの、バイタリティあふれる生き方と、そこに棲むヒモたちの悲喜こもごもを描いた傑作。

 1970年前後に、大衆娯楽のストリップで観客を楽しませることに徹し、9回の“公然ワイセツ罪で検挙された一条さゆりは、全共闘世代やウーマンリブの活動家から“反権力への象徴”と祭り上げられたり、芸人としては俳優の小沢昭一や文化人らの称賛を得ていて、1972年の引退興行での逮捕では“ワイセツか芸術か”の法廷論争の主役にもなっていた。

 さて作品の主題は一条さゆりだが、映画のヒロインは一条にライバル意識剥き出しの若いストリッパーのはるみを演じる伊佐山ひろ子だ。嫉妬のあまり、一条と自分の人生を同化して生きている女の役なのだが、映画も、実像の一条と虚像の伊佐山を重ねて描くことで、ドキュメントな部分と虚構が混じり合い、不思議な錯覚を感じさせる。
 再現される一条さゆりの世界より、伊佐山をはじめとする虚構のキャラクターの世界の方がリアルだ。

 蓮っ葉で小悪魔的な顔立ちの伊佐山ひろ子は、派手なミニのワンピース姿でカラフルな日傘をさし、ヒモを従え颯爽と街なかを闊歩する。
 ヒモがいなくなれば、すぐにも次の男に乗り換えるしたたかさと、芸に対する一途さと健気さも持ち合わせる魅力的な女として、圧倒的な存在感だ。

 白川和子とレズビアン・ショーを演じるも、「レズなんて芸やない!」と花電車の芸に挑戦。強がりを見せながらも、悔し涙の泣き顔が愛らしい。
 ♪なかなかなんけぇ なかなんけぇ 頭の真ん中 皿がある……と高橋明が唄う猥歌。高橋明の唄もさることながら、衣装トランクの中で猥歌を口ずさむ伊佐山ひろ子の軽妙さと、その後の、野田の交差点のド真ん中に半裸姿で飛び出す伊佐山の潔さも忘れ難い。

 何度となく映される伊佐山が傘をさして闊歩するシーンをはじめ、警察署を釈放された伊佐山と白川和子がヒモたちと街中を言い争いながら歩くシーンなど、大阪阪急野田の辺りをオールロケしたシーンはどれも印象的だ。
 「思い上がった権力に唾を吐きかけたかった」と語る神代辰巳の反権力性は、淀川警察署の前で伊佐山が全裸になることでクライマックスを迎える。
 そして、ミルクを含ませた脱脂綿が伊佐山の股間から飛び出すラスト・カットは痛快!

 1972年度キネマ旬報ベストテンにおいて第8位。主演女優賞には、同年のデビュー作『白い指の戯れ』とともに伊佐山ひろ子が受賞した。

MOMOE PREMIUM update

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 9月29日に届いた『MOMOE PREMIUM update』(通販限定商品)は、開封してびっくり。てっきり、『MOMOE PREMIUM』同様の黒いハード・ジャケットの見開きにCDが収められているものと思っていたら、なんと“でかジャケ仕様”。
 アルバム・タイトルも収録曲も印刷されていない、完全ポートレイトのLPサイズの紙ジャケットに感激。
 ただ、CDを納める不織布ケースが、ペラペラな紙のボードに張り付けてあるだけの体裁は、CDの出し入れに気を使ってしまうし、収録曲もそのボードに印刷されているだけなので、もう少し厚手の紙にして欲しかったなぁ。

 LPサイズのブックレットは『MOMOE PREMIUM』と同じ黒い表紙のデザインで、今回のヴァージョンアップの目玉のひとつ、LP『a face in a vision』発売時の予約特典だった篠山紀信撮影の20頁写真集。
 集英社から発売された篠山紀信写真集『百恵』や、『写楽』『激写』で魅せた官能的な百恵がふたたび陽の目を見ました。ドキッとすること間違いなし。

 そして、もうひとつの目玉が「Discography 1973-2007」。
 山口百恵が残したシングルレコードやLPレコード、カセットテープ、CD、8トラック・カートリッジ等々、膨大な数の商品がカラ-写真で掲載されており、ベスト盤はもちろん商品番号違いの商品まで、そのすべてが網羅されている(ジャケ写真欠落がいくつかあるが)LPサイズ・ブックレットはかなりの壮観。

    ◇

★収録曲(アルバム未収録曲・アナザーヴァージョン曲)