TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

complete MOMOE PREMIUM

 2003年、山口百恵デビュー30周年記念として企画・リリースされた『MOMOE PREMIUM』。
 復刻BOXアルバムとしては異例の大ヒットとなり、目玉商品として収録されたスタジオ録音の未発表曲「東京の空の下あなたは」は、狂喜乱舞の発掘モノだった。

 全アルバム+未発表曲の24枚組というだけで至福のプレミアム商品だったのだが、本当を言うと、まだまだ満足出来ないものがあった。アルバムとしての集大成なので仕方がないのだが、シングルのカップリング曲やベスト・アルバムのみに収録されていた曲も、すべて網羅してこそのプレミアムだと思ったファンも多かったはず。不満を残しながら、シングルA・B面65曲を収録した3枚組の『百恵辞典』を手放せない状態だったのですね。(この『百恵辞典』は、収録時間の関係で無理矢理のフェイド・アウトがされている。)

 そして4年。遂に、究極の願いが叶えられる時が来たようだ。
 9月30日に、山口百恵のスタジオ全歌唱曲としては究極のコレクションとなる『complete MOMOE PREMIUM』が、ソニー通信販売限定でリリースされる。
 2003年版『MOMOE PREMIUM』のDisc1~22に加え、Disc23&24にオリジナル・アルバム未収録の曲と別ヴァージョンの曲が収録され、もちろん、未発表曲「東京の空の下あなたは」も含めて全曲リマスター音源を使用。
 「視線上のアリア」や「賭け」「たそがれ祭り」、スタジオ・ヴァージョンの「プレイバックPart1」は10年ぶりに音質向上で聴くことができるし、そして「謝肉祭」のオリジナル・ヴァージョンも十数年ぶりに復活するのが嬉しい。
 シングル・ジャケット集も特典のまま附属し、LPサイズの写真集には20ページの追加がされ、さらに今回は“完全ディスコグラフィ”が追加。
 言うことないほどの完璧BOXだが、はて、『MOMOE PREMIUM』を所有する身となると大枚37,800円はこれまた究極の選択(笑)。

 そんな『MOMOE PREMIUM』所有者への朗報は、Disc23&24を収録した2枚組『MOMOE PREMIUM update』が同時発売されること。「東京の空の下あなたは」は収録されないが、ジャケットもLPサイズの豪華仕様。
 ソニーの気づかいに嬉しい悲鳴をあげ、もちろんこちらの『MOMOE PREMIUM update』を予約です。
 

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浅丘ルリ子のすべて「心の裏窓」



 浅丘ルリ子芸能生活15周年記念アルバムとして1969年に発売された『心の裏窓』が、復刻CDとしてリリースされた。

 ここに収録されている「シャム猫を抱いて」が、歌謡ボッサとして大変な人気を博しているらしく、伝説のアルバムとも言われているようだ。
 収録されている楽曲は、すべて『浅丘ルリ子・コンプリート'60sレコーディングス』(2003年発売)においてリリース済み。

収録曲
01. 心の裏窓
02. 流れる雲(連続ドラマ「流れる雲」主題歌)
03. 水色の季節(連続ドラマ「水色の季節」主題歌)
04. お願い帰って
05. はだしの二人
06. 愛しつづけて
07. 愛の化石
08. 女がひとり
09. 愛はひとすじ
10. 愛の残響
11. シャム猫を抱いて
12. 別れましょう


 このアルバムで素晴らしいのは、ルリ子さんの歌声はもちろんのこと、やはりジャケット。(素晴らしいので写真掲載を大きくしました…笑)
 巨匠・横尾忠則の美しいデザインと、見開きジャケットにのり付けされた二つ折の両面ピンナップ。写真に映っているカラーポートレイトの裏面はモノクロの全身写真で、ピンナップ下にも可愛らしいルリ子さんがモノクロの中で笑っている。
 高校1年生だったぼくには1,500円のアルバムが宝物だった。
 当時のぼくには、横尾忠則氏は宇野亜喜良氏とともにカリスマ的イラストレーター。平凡パンチに載る数々のイラストを集めていたもの。当時騒がれた、高倉健さんをモチーフにしたイラストと、平凡パンチに掲載された浅丘ルリ子嬢のエロ・サイケなイラストは今でも目に焼き付いる。

 復刻CDは、その美しいオリジナルアルバムを完全再現した紙ジャケット仕様で、きちんとピンナップも“のり付け”されている。
 
 さて歌の方だが、これがまた素晴らしい歌声。か細い声質が美しいのだ。
 「シャム猫を抱いて」と「別れましょう」の作詞は故・阿久悠。曲は三木たかしで、12曲中7曲を提供。個人的には、同じ歌謡ボッサでも「別れましょう」の方が名曲だと思う。
 「女がひとり」は、なかにし礼と三木たかしのGS歌謡。続く、なかにし礼と三木たかしの「愛はひとすじ」は一転してムード歌謡。

 いやぁ、久しぶりにルリ子さんの歌声を聴いていると、また断然とその魅力に取り憑かれていきそう。
 昭和歌謡好きには当然のこと、「愛の化石」しか知らない人にも是非聴いて欲しい逸品である。

    ◇
 
 ライナーノーツに“初回盤のジャケットは光沢の模様が浮き出る仕様らしい”と書かれているのだが、ぼくが所持している初回盤にはそのような特別仕様は施されていない。いかなる噂なのか………。




「 CHALLENGE!」内田裕也とフラワーズ

 ニッポン・ロック黎明期のコロンビア音源の名盤が、9月19日に紙ジャケ仕様で再々リリースされる。もちろんリマスターされ、今回は初の紙ジャケ仕様(※)が4枚ある。

 ◆山内テツ / TETSU※
 ◆瀬川洋 / ピエロ
 ◆石間ヒデキ / ONE DAY ※
 ◆内田裕也とフラワーズ / CHALLENGE! ※
 ◆エイプリルフール / エイプリルフール ※

 さて、再発とは云え侮れないのが『内田裕也とフラワーズ / CHALLENGE!』。
 今回なんと! ボ-ナストラック5曲のうち2曲が未発表曲。
 これは見逃せないブツになりそう。



01. ふたりだけで
02. イントルーダー
03. サマータイム
04. うれしい気持ち
05. ギリージー・ハート
06. ヘイ・ジョー
07. ホワイト・ルーム
08. 左足の男
09. 心のカケラ
10. ストーン・フリー
11. FIRE(未発表曲)
12. FIVE TO ONE(未発表曲)
13. ラストチャンス(シングル)
14. フラワー・ボーイ(シングル)
15. 夜霧のトランペット(シングル)


 フラワーズとしてのフル・アルバムはこの1枚きりで、1969年に発表されている。オリジナルLPはン万円で中古市場に埋もれている名盤で、つい何ヶ月前に見かけたばかり。

 60年代中頃に内田裕也が単身ヨーロッパへ行き、そこで聴いたジミ・ヘンドリックスに衝撃を受け、帰国後早速結成したのがこのフラワーズ。
 当時有名にしたのは、このメンバーのヌード・ジャケットで、10曲中オリジナルのインストナンバー「左足の男」以外は、ジャニス、クリーム、ジェファーソン・エアプレーン、ジミ・ヘンドリックスのカバー曲で固めたサイケデリックなアルバムで、当時ワウ・ペダルの代用としてスチール・ギターを使用していたのが微笑ましい。
 そして何と云っても、麻生レミを“和製グレイス”“和製ジャニス”と印象づけた1枚です。

 デビュー・シングルが「ラストチャンス cw/フラワー・ボーイ」で、もろ歌謡曲路線なのだが、しかし、これもイイんだなぁ。

 麻生レミが渡米脱退したのちに再編成されたのがフラワー・トラヴェリン・バンド。そこでリード・ギターを弾いていたのが石間秀樹となるのですねぇ。

「錦繍」



◆原作:宮本輝
◆脚本・演出:ジョン・ケアード
◆音楽・演奏:藤原道山 
◆共同脚本・演出助手:藤井清美
◆出演:鹿賀丈史/余 貴美子/馬淵英俚可/西川浩幸/西牟田恵/野沢由香里/植田真介/神保共子/清水幹生/高橋長英
◆観劇:2007年8月12日 天王州 銀河劇場 C列20番
◆上演時間:190分

    ◇

 千秋楽を観劇してきた。
 原作は宮本輝の書簡形式の小説で、戯曲化に際して朗読劇のようなものになるのかと思っていたら、たしかに会話劇には違いないのだが、一種アングラ芝居を思わせるような演出方法が面白く、3時間以上の長丁場に飽きることなく惹き込まれてしまった。
 舞台を彩る尺八の音色とモーツァルトのレクイエムとともに、俳優たちの躰と言葉のアンサンブルだけで、こんなに圧倒される空間が創り上げられたことに驚く。

    ◇

 夫が巻き込まれた心中未遂事件の結果、愛し合いながらも離婚したふたりが、10年の時を経て紅葉の蔵王で再会する。
 亜紀はかつての夫有馬靖明に宛てて一通の手紙を書き綴る。それは、亜紀のこころに深く突き刺さっていた謎、心中事件の真相を問う内容だった。過ぎ去った時間を振り返りながら「事件」を語りだす靖明。
 孤独に生きてきた男女の、過去を埋め合わせる儀式が往復書簡という形で始まる…………。

 14通の手紙の中に書き綴られているのは人間の「業」と「性」、「死」と「生」。
 手紙を書くことで過去を見つめ直し、自己嫌悪に陥りながらも生きる力を確認し、感情をぶつけ合うことで過去と決別し、人生を再出発させる人間再生の物語だ。

回想:ロック・アルバム・ベスト20

【私の60~70年代のロック・アルバム・ベスト20】

01 LED ZEPPELIN  『LED ZEPPELIN』
02 ROLLING STONES 『Beggars Banquet』
03 ALLMAN BROTHERS BAND 『At Fillmore East』
04 BIG BROTHER & THE HOLDING COMPANY 『Cheap Thrils』
05 M. BLOOMFIELD/A.KOOPER/S.STILLS 『Super Session』
06 TEN YEARS AFTER 『Undead』
07 MOUNTAIN 『Nantucket Sleighride』
08 CHICKEN SHACK 『O.K Ken?』
09 SAVOY BROWN 『Raw Sienna』
10 JOHN MAYALL & THE BLUESBREAKERS 『A Hard Rord』
11 JEFFERSON AIRPLANE 『Bless Its Pointed Little Head』
12 JANIS JOPLIN 『I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again, Mama!』
13 BUTTERFIELD BLUES BAND 『East-West』
14 FREE 『Tons Of Sobs』
15 DEEP PURPLE 『Live In Japan』
16 KING CRIMSON 『In The Court Of The Crimson King』
17 BAND OF GYPSYS 『Live At The Fillmore East』
18 FLEETWOOD MAC 『The Pious Bird Of Good Omen』
19 BRUCE SPRINGSTEEN 『Born To Run』
20 BEATLES 『Rubber Soul』


    ◇

 先にも述べたが、この20枚の選出は思い入れの多さだけなので、歴史的名盤とかアーティストの最高傑作なんてものは関係のないところ。
 BLUES ROCK が主流なのも、当時はこのジャンルしかほとんど聴いていないようなところがあるからだ。それと、どうしてもギタリスト中心になっている。

 BEATLESは『Rubber Soul』だ。初めて自分の小遣いで買ったのは『リボルバー』なのだが、『Rubber Soul』を聴く回数の方が断然多かったし、空で口ずさんでいたのもこのアルバムの楽曲だった。
 SAVOY BROWNは、『ブルーマター』のB面ライヴもお気に入りだったが、キム・シモンズのジャジーなギターが聴ける『Raw Sienna』が最高である。

 1969年のイヴに開局した地元のFM局「エフエム愛知」が試験放送をしていた時に、これも前年に設立されたCBSソニーレコード社のロック・ミュージックが何度も何度も流された。ぼくらは、まるで洗脳されるかのように新しい音楽を吸収していたのだ。
 「チープ・スリル」「フィルモアの奇蹟」「英古利の薔薇」「スーパーセッション」「モビーグレープ」「ジョニー・ウインター」「スピリット」「血と汗と涙」「O.K ケン?」「ナンタケット・スレイライド」等、CBSソニーのロック・アルバムを買い漁ったのがついこの間のよう……。
 
 当時は新作アルバムの国内盤が出るのが何ヶ月も後というのが当たり前だったし、かといって輸入盤が簡単に手に入るわけでもなかったから、SAVOY BROWNやTEN YEARS AFTERのレコードは、名古屋ではヤマハでしか買えなかったと思う。

 東京では四畳半のアパートにステレオはなかった。それでもレコード購入はしており、名古屋に帰ったおりにオープンリールのテープに吹き込んで持ってくるという暮らしを続けていた。当時はROCK喫茶が全盛時だったから、ステレオを持っていなくても何の不自由もなかった。コーヒーや薄い水割りだけで何時間も粘り、ROCKに溺れ沈んでいた。
 頻繁に通った高円寺の南口にあった『きいぼーど』には、ALLMAN BROTHERS BANDの『At Fillmore East』を持ち込み聴いていた。レコードはそのまま置きっぱなしで。

 さて、こうしたMy Bestのアルバムは現在、未発表曲やアウトテイクを含んで簡単にCDで聴くことができる。それはそれで嬉しいが、レコード・ジャケットからレコード盤を取り出し、レコード針から音楽が流れてくる一連の作業から、こんな回想をしてしまう自分はとてもセンチメンタルだろうか。

 

あなたが選ぶ洋楽ロック・アルバム・ベスト20

 「あなたが選ぶ洋楽ロック・アルバム・ベスト20」なるものがレコード・コレクター誌にて催された。
 これはレコード・コレクター誌25周年記念として、60年代から80年代までを10年毎にベスト100を発表してきた企画の総集編のようなもので、一般読者によるベスト100を選ぼうというものだ。

 音楽関係者による本誌で発表された各年代のベスト100が、かなりの批判や不満を受けていたが、これはお遊びなんだから、音楽評論家だろうが、ミュージシャンだろうが、自分の趣味に片寄るのはしょうがないと思っている。

 ロック・アンド・ロールが生まれたのが1955年辺りか。ロック・ミュージックの完成形となるビートルズが登場してからもまだ半世紀も経っていない。そしてその後の、多様化し成熟するロック・ミュージックをリアルタイムで接してきた世代としては、思いっきり片寄ったかたちで選んでみたくなった。みんなそんな思いで投票をしているはず。
 以下が、今回応募したベスト20です。

【私の60~80年代のロック・アルバム・ベスト20】

01 LED ZEPPELIN  『LED ZEPPELIN』
02 ROLLING STONES 『Beggars Banquet』
03 ALLMAN BROTHERS BAND 『At Fillmore East』
04 BIG BROTHER & THE HOLDING COMPANY 『Cheap Thrils』
05 M. BLOOMFIELD/A.KOOPER/S.STILLS 『Super Session』
06 TEN YEARS AFTER 『Undead』
07 MOUNTAIN 『Nantucket Sleighride』
08 CHICKEN SHACK 『O.K Ken?』
09 SAVOY BROWN 『Raw Sienna』
10 JOHN MAYALL & THE BLUESBREAKERS 『A Hard Rord』
11 JEFFERSON AIRPLANE 『Bless Its Pointed Little Head』
12 JANIS JOPLIN 『I Got Dem Ol' Kozmic Blues Again, Mama!』
13 BUTTERFIELD BLUES BAND 『East-West』
14 FREE 『Tons Of Sobs』
15 DEEP PURPLE 『Live In Japan』
16 KING CRIMSON 『In The Court Of The Crimson King』
17 BAND OF GYPSYS 『Live At The Fillmore East』
18 FLEETWOOD MAC 『The Pious Bird Of Good Omen』
19 BRUCE SPRINGSTEEN 『Born To Run』
20 BEATLES 『Rubber Soul』


    ◇

 1アーティスト1枚のアルバムで選んだ。
 ご覧のとおりかなり捻くれているように見えるが、中学生から20代前半までに夢中で聴き倒したレコードばかりだ。選出基準を考えればこんなモンでしょ。だから80年代のロックはひとつもないよ。

 トップは断然LED ZEPPELIN。ビートルズやストーンズより衝撃を受けた1作であり、ブルーズロックの雄として、新時代への幕開けに十分な核となり脳天に突き刺さったのだ。


書籍「映画監督 田中登の世界」



 Hotwax責任編集の書籍単行本『映画監督 田中登の世界』です。

 これまでのHotwax関連書物に比べると少し高い本だが、7時間半にもおよぶロング・インタビューの完全収録は充分に読みごたえがあり、その発言から“愛と官能の作家”と呼ばれた所以を知ることができるだろう。
 単行本はほかにも、作品に関わった俳優・スタッフのインタビューも加えた豪華な仕上がりになっています。

 田中登インタビューを4つのパートに分け、その間に宮下順子・中川梨絵・鹿沼えり・風間杜夫・高橋明・川崎軍二らのインタビューと作品レヴューを挟んだ構成は読みやすく、ぐっと、田中登の世界を味わいながら読むことができるはず。
 惜しむらくは、あまりに長いインタビューにして、傑作『人妻暴行致死事件』以後の作品を語り切っていないことか。特に『好色五人女』は、1979年のMy Best 10に入れているくらいに好きな作品で、もっと話を聞きたかったなぁ。

 フィルモグラフィは映画作品全25作を完全レヴューしており、また、全78作あるテレビ作品のデータも網羅されているといった具合に、完全ガイド本としても充実している。
 さて、「女教師 私生活」と「ピンクサロン 好色五人女」のレヴューはぼくが書かせていただいているので、よろしく。

 2007年3月にテレビ東京系で放送された『ドラマスペシャル 復讐するは我にあり』が、当初、田中監督で準備されていたことを知り驚いた。交代した猪崎宣昭監督の演出は、緊張感のあるドラマに仕上がり素晴らしかったのだが、今となれば、田中登監督の『復讐するは我にあり』を見たかったと云う想いが強くなる。
 
 
映画監督 田中登の世界
発行元:(株)ウルトラ・ヴァイヴ 
発売元:(株)シンコーミュージック
定価:2,625円(税込)

『ザ・ビッゲスト・バン』日本版4DVD-BOX



ROLLING STONES “THE BIGGEST BANG ”4DVD-BOX

 2005年にスタートした“A Bigger Bang Tour”の模様を収めた、4枚組DVDボックス『THE BIGGEST BANG』の日本版がやっと発売になった。アメリカでは6月に発売されていたのだが、今回日本語字幕を丁寧に入れることで1ヶ月半の遅れとなったが、前回の『FOUR FLICKS』のような酷い字幕を思えばこの遅れは何のことはない。見ていてストレスがないので良い。

 Disc 1にテキサス・オースチン、Disc 2にリオ・デ・ジャネイロの無料コンサート・ライヴ、Disc 3には日本(埼玉・札幌・東京)、上海、ブエノスアイレスでのライヴ映像が凝縮されているほか、ボニーレイットらゲストとのデュオやリハーサル映像などを含め7時間半のフル・ヴォリュームで圧倒される。

 面白かったのはリオ・デ・ジャネイロ・ドキュメンタリー。
 一夜に120万人とも150万人とも云われる観客動員を果たしたコパカバーナ・ビーチでのステージを、セット設営から各スタッフの動きを追ったドキュメントは、肥大化するロック・コンサートの裏側を垣間見られる。ミックやキースが楽屋代わりに使用するホテルの部屋の改装などは、70年代から何ら変わらない様子。

 気に入った箇所を何度も見直したりしているから、全部を見るには数日かかる。
 中でも大いに気に入ったのは、ミラノでの「I Can't Be Satisfied」のリハーサル音源。60年代の数あるブルース・カバー曲の中でも、ベスト3に入れたいくらい好きな曲だ。
 英国での2枚目のアルバム『No.2』に収録されており、日本では1968年にファン・クラブの企画で発売された『決定版!ローリング・ストーンズ・デラックス』で初お目見えしたマディ・ウォーターズの楽曲。
 ちなみに、個人的に60年代のベスト曲と云うと、過去に幾多のベスト・アルバムが出ているなかでもこのアルバムに収録されている12曲が不動だ。

 さて、そんな「I Can't Be Satisfied」は、リハーサルといってもちゃんとフル・コーラスの完奏で、特に、ミックの荒々しいスライド・ギターは見ものだ。


※以下、リスト・ラインナップ ↓

M.アントニオーニ監督、死去

 スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督が亡くなったニュースを聞いたばかりなのに、今度は、イタリア映画界の名匠ミケランジェロ・アントニオーニ監督が、ベルイマンと同じ30日に死去した。
 20世紀を代表する映像作家がまた逝ってしまった。
 アントニオーニ94歳、ベルイマンが89歳。てっきりベルイマンの方が年長だと思っていたのだが………。

 1960年代に、3大映画祭であるカンヌ国際映画祭・ヴェネチア国際映画祭・ベルリン国際映画祭の最高賞を、全て受賞という偉業を成したアントニオーニ監督。
 先日、衛星放送で『太陽はひとりぼっち』('62)を放映していたばかりだ。主演女優のモニカ・ヴィッティの美しいことよ。

 ぼくらの世代だと、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した『欲望』('67)に馴染みがあるだろうな。
 60年代ロンドンのポップ・カルチャーが随所に映し出され、スタイリッシュな映像に新鮮さを感じたものです。
 音楽担当にハービー・ハンコックが起用され、そしてロックファンの注目を集めたのが、劇中に使われたジミー・ペイジとジェフ・ベックのふたりが在籍していたヤードバーズのライヴ演奏シーンだった。
 
 そしてもう1本、ロックファンの目と耳を釘付けにしたのが1970年の『砂丘』。
 ヒッピー文化とサイケデリック幻想、ドラッグで病める大国アメリカが描かれたロード・ムーヴィーで、ピンク・フロイドの音楽以外にもグレイトフル・デッド、ローリング・ストーンズなどが使用されていました。