TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

スローなブギにしてくれ

 初夏に差し掛かると、南佳孝の曲を聴きたくなる。
 彼の作品はどれも、都会の喧噪を忘れさせてくれるメロディラインが心地よく、好きだ。

 日曜日の仕事場で、癒しの南佳孝を流していたら、突然、スローなブギがストップした。ミニコンポが壊れた。いまは、CDとラジオも聴けない古いコンポで、南佳孝のカセットテープを流している。



 数百曲ある南佳孝の曲の中で、誰でもが知っている曲と云うと郷ひろみが歌う「モンローウォーク」と「スローなブギにしてくれ」だろうか。
 映画用に制作された曲だったかな。
 70年代の終りころ、片岡義男の小説に熱中していた。この「スローなブギにしてくれ」は片岡義男の原作を、藤田敏八監督が新人の浅野温子を主役に映画化したものだった。
 もともとこのタイトルが魅力的だったし、南佳孝のサウンドともマッチングしていたな。

 そう云えば、前回の記事から2週間も経っている。このブログは日記ではないので、書けないときは何日も空いてしまうのだが、こんなに長い期間を空けたのは初めてかな。
 今月の初め、Hotwaxの次号へのレヴューを書いているうちに本来の仕事が忙しくなり、現在も、詳しくは書けないがウルトラ・ヴァイヴさんへのお手伝いをしている。

 そんなこんなで、今月は書店とCDショップへも1度しか行っていない状態。
 6月に入って購入したものは、先に紹介した牧陽子のシングル盤とPYGの復刻紙ジャケCDの2点。
 簡単にPYGを紹介しておこうか。

    ☆

FREE WITH PYG


 このアルバムは、1971年8月に田園コロシアムで行われた“PYG”のライヴです。
 日本のロック史上で、初めてのスーパーバンドと呼ぶに相応しいのが“PYG”でしょう。

 このスーパーグループは、ヴォーカルにタイガースのジュリー(沢田研二)とテンプターズのショーケン(萩原建一)を2トップに据え、スパイダースの井上尭之(g)、タイガースのサリーこと岸部おさみ(現・一徳/b)、テンプターズの大口広司(ds)、そしてスパイダースの大野克夫(keb)と云ったメンツで、1971年に本格的ロックを目指して結成された。
 今思えば、このメンバーによるグループとしての演奏活動は奇跡です。

 ジュリーが歌う「BLACK NIGHT」「SPEED KING」「TRAVELIN' IN THE DARK」には、少し気恥ずかしいところもあるのだが、ZEPPELINヴァージョンの「BABY I'M GONNA LEAVE YOU」は、ロバート・プラントに引けをとらない色気のある歌声を聴かせてくれる。

 ショーケンは「BITCH」「SYMPATHY FOR THE DEVIL」「LOVE IN VAIN」「I WANT TO TAKE YOU HIGHER」などを歌う。さすがに女の子の歓声が凄く、「I WANT TO TAKE YOU HIGHER」での掛け合いに当時の熱気が感じられる。
 ショーケンが歌うオリジナル曲「何もない部屋」(ショーケン作詞・ジュリー作曲)は名作です。これは、ショーケンのソロ名義でシングル発売がされたはず。

 各人の仕事ぶりで自然消滅していったスーパー・バンドだったけど、PYGに関しての伝説をひとつ。
 1971年に来日したレッド・ツェッペリンのベーシストのジョン・P・ジョーンズが、テレビで観た岸部のベース・プレイを絶賛したという話があるのだが、真意は何処……。

    ☆

 明日22日は「日活名作ロマンシリーズ」の第8弾がリリースされる。
 今回のお勧めは、初ソフト化の曽根中生監督・長谷川和彦脚本・小川節子主演の『性盗ねずみ小僧』。
 そしてリプライスシリーズとして、石井隆脚本の2本『天使のはらわた・赤い教室』(監督:曽根中生)『ラブホテル』(監督:相米慎二)と、田中登監督渾身の名作『秘・色情めす市場』が再発される。この3本は必須だ。
 藤田敏八監督の『ダブルベッド』も同時再発で、大谷直子、石田えり、岸部一徳らの絡みが話題だったな。



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「新宿二丁目曲り角」牧陽子



牧陽子◆ 新宿二丁目曲り角/陽子の辛み節 1975年

 “歌謡曲番外地”と云う素晴らしいネーミングがされた書籍初CD化音源によって、あらためて昭和歌謡のウラ盤の底知れない魅力を再確認している。
 特に、CD『歌謡曲番外地~悪なあなた』に収録された沢知美「モーニング・ブルース」に流れる都会的倦怠の香りと、牧陽子「本牧ディスコティック」の魑魅魍魎とした夜の世界の人間模様は、大都会の光と影を映し出す情景に溢れていた。
 
 そんなわけですっかり牧陽子の歌声に魅せられてしまい、早速、彼女のデビュー盤「新宿二丁目曲り角」を手に入れた。
 この捨て鉢な表情が、何とも言えないではないか。

 「新宿二丁目曲り角」
  ツキを落とした女には 野良犬ばっかり つきまとう
  新宿二丁目 暗い路地 ~ 私はいつも 曲がり角

 「陽子の辛み節」
   恋をした亡骸が 風にひゅるるん 泣いている
  十六十七、十八の いいことなかった六本木
 
 夜の女の人生の刹那と未練が凝縮した、“やさぐれ歌謡”にふさわしい荒み具合である。
 
 俳優三浦友和の実姉である牧陽子は、東映女優としてデビューしたあと、この牧陽子を名乗って1975年11月にクラウンレコードからデビューしている。
 翌76年に「おバカさん / cw 悪いひと」、「陽子二十歳は風まかせ / cw テールランプ」の2枚のシングルを出し、12月に「本牧ディスコティック / cw 燃えながら醒めて」で締めくくっている。
 しかしその後鳴かず飛ばずの状態がつづき、1978年3月に発売した5枚目「あきらめた / cw 意地っぱり」を最後に、今度は本名の三浦弘子名義で8月に「つまみ喰い / cw 倖せなのね」で再デビューする。
 が結局、次作の「ハニーネスト / cw むなしさは夜明けに」のシングルのみで終わっている。その後、ラリー・ドライバーとの結婚で引退。
 NHK-FMでパーソナリティを務めていたのはこの頃でしょう。このラジオのパーソナリティは覚えているが、当時歌い手だったとは露知らず………。

 さてさて、このジャケットに記載されているプロフィールの生年月日では、友和の妹になってしまうのですが~(笑)。

歌謡曲*名曲名盤ガイド 1960's



 『歌謡曲*名曲名盤ガイド』の「1960年代編」が発売されました。

 こうして無数のジャケットを眺めていると、小学生のころテレビの歌番組を夢中になって聴きいっていたのを思いだす。

 60年代の中頃まで、家の中に歌謡曲のレコードはなかった。家にあるレコードといえば、父親が集めたシャンソンやタンゴ、映画音楽。そして、フランク・シナトラやジュリー・ロンドン、パット・ブーンなど洋楽ばかり。歌謡曲の話は、当時、父親が経営していた店で働いていた若いひとたちの読む「週刊明星」や「週刊平凡」だったし、その付録の歌集で、坂本九や美樹克彦、西田佐知子らの歌を憶えていた。
 そういえば、漫画週刊誌にソノシートの通販っていうものがあって、そこでクレイジー・キャッツの歌を揃えたっけ。

 あんなにグループ・サウンズをテレビや公開放送で見てきたのに、唯一LP盤を買ったのはゴールデン・カップスだけだったんだな。こうしてサイケとかフラワームーヴメントのGSのジャケットを眺めてみると、もっと買っておけば良かったな、とつくづく思う。

 レコード・コレクターズ誌創刊25周年記念の『60年代ロック・アルバム・ベスト100』と併せて見ていると、いまだ自分の音楽的趣味が変わっていないことに、自信を持つやら呆れるやら。

◆歌謡曲*名曲名盤ガイド 1960's 
   発行元:ウルトラ・ヴァイヴ 
   発売元:(株)シンコーミュージック
   定価:2,625円(税込)