TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

ラビ組



 7月に自主製作発売された中山ラビのライヴ盤は、2003年京都・拾得でのステージが納められている。

 2000年になってから自主製作のライヴ盤『ラビ』『ラビing』と、この『ラビ組』には新曲はないけれど、昔からのお馴染みの曲を新たなアレンジで聴かせてくれるのがとても嬉しい。

 今回は、名盤『ひらひら』に収められている「たいへんだぁ!」と「夢のドライブ」のライヴ・ヴァージョン、そして、カバー曲として美空ひばりの「真赤な太陽」を聴くことができる。
 アコ-ディオンの音色が憂いを誘うヨーロピアン調の「真赤な太陽」は、まさにラビさんの世界。必聴!

 ミーハーだった高校生のときに、ボブ・ディランに触発されてシンガーになったラビさん。
 フォークシンガーなんて肩書きを付けられてはいたけれど、ロックバンドで歌いたかったというラビさん。
 年を負う毎にパワーはますます大きくなっている。


収録曲
01. MUZAN
02. コーヒータイム
03. 橋が燃える
04. 風よ
05. 裸の街
06.ノスタルジィ
07. 銀と白
08. ええ海~おぼくり
09. 真赤な太陽
10. グッバイ上海
11. たいへんだぁ!
12. 夢のドライブ
13. いいくらし


★『ラビ組』の購入は、ラビさん経営の国分寺ほんやら洞にて……通信販売可。
また、amazonでも購入できます。

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米タワレコ破産

 アメリカの大手音楽ソフト販売会社タワーレコードが、破産申請をしたそうだ。
 アップル社の「iPod」など、ネットでの音楽配信の普及による余波に飲み込まれたかたちだが、そんなにみんなCDを買わないのですかね。

 たしかに名古屋でも、日本の某音楽ソフト会社の駅前店が閉鎖し、仕事場の隣の1店舗だけになってしまった。それもCD売り場は縮小され、アニメやゲームソフトの売り場に占拠されている始末。

 ぼくはネット配信などまったく興味がない。
 アーティストの創作した音楽を聴くのは、何も音だけが聴ければいいってものではないと思うのです。

 音楽を聴くのに、ジャケやライナーなどは不必要な時代なのか。さびしいなぁ。

 ちなみに、日本のタワーレコードは独立経営のため、アメリカでの破産法適用申請は影響がないそうだ。
 とりあえず安心…………してて、いいのか?

野良猫ロック コンプリートDVD-BOX

 遂に、ついに発売される。
 2年ほど前から噂はあったが、待ちに待った『野良猫ロック コンプリートDVD-BOX』が12月8日に出る!

 「女番長・野良猫ロック」「野良猫ロック・ワイルドジャンボ」「野良猫ロック・セックスハンター」「野良猫ロック・マシンアニマル」「野良猫ロック・暴走集団'71」の5作品に、特典ディスクが付いた6枚組。

 特典は「70'sは俺たちの時代だ!~時代をつくったアウトローたちの証言集~」と言うことで、梶さんはもちろん、長谷部監督や地井武男、原田芳雄、藤竜也らのインタビューがあるのだろうな……。

「ゆれる」

監督:西川美和
脚本:西川美和
出演:オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀、蟹江敬三、真木よう子、新井浩文、木村祐一、田口トモロヲ、ピエール瀧、河原さぶ、田山涼成

☆☆☆☆★  2006年/シネカノン/119分

    ◇

 心を揺さぶられ、胸の内が痛くなる映画だ。

 新進気鋭の西川美和監督の劇場映画第2作目は、兄弟間の確執や葛藤そして家族の絆を描いた骨太な人間ドラマとなっている。

 売れっ子カメラマンとして東京で成功した猛(オダギリジョー)が、母親の一周忌で故郷に帰ってくる。派手な職業にして傲慢で自分勝手なところがあり、故郷への優越感がそのまま甘えになっている彼は、喪服も着ないで法事の席にさえ遅れてくる。父親(伊武雅刀)との折り合いも非常に悪い。

 一方、家業のガソリンスタンドを継いだ兄の稔(香川照之)は、猛とは正反対な温和な性格で、いまだ独身で父親と一緒に暮らしている。
 母親代わりもする兄は、父親への反抗的な弟を穏やかに諌める。そんな兄に対して弟は、幼いころから慕い敬意は持っている。ここまでは理想的な兄弟だ。

 そんな兄と弟の間に、ひとりの女性が存在する。

 兄弟と幼馴染みの智恵子(真木よう子)は、兄のガソリンスタンドでアルバイトをしている。かつては猛と関係をもった間柄だが、いまは慎ましく故郷で平凡な生活を強いられている。

 法事の翌日、三人は町はずれにある渓谷に遊びに行く。幼いころの懐かしい場所だとはしゃぐ兄と、どこか居所が収まらない弟はこの場所の記憶がない。
 そして、事件が起きた。
 智恵子が、吊り橋から落ち、死んでしまう。その場所には稔がいた……。
 事故死なのか。果たして、兄が突き落としたのか。

 映画は、ミステリーの様相を深め、オダギリジョーと香川照之が“揺れる”兄弟の心情を、繊細に表現していく。
 全体に台詞が少なめで、語ることより、佇まいや視線の動きで表現するふたりが素晴らしい。

 兄弟のなかの、優越感と羨望と嫉妬感。
 兄弟だからこそ、こころの底に溜まっていた悪意や憎しみがぶつかり合ったとき、そこに出来た溝を修復する術などあるのだろうか。
 この若い女流監督は、おとこ兄弟の心情に対して深い洞察力があり、画面全体から溢れる切なさに、胸が苦しくなる。

 たぶんこの先10年、常にぼくのベストテンからは外れない映画だろう。

    ☆    ☆

 西川監督の演出は、人間の奥底に潜むあらゆるものを、徹底的に暴き出す。いぶり出す。
 法廷に立つ稔に、じわりと迫るのが木村祐一扮する検事。その木村の静かな語り口は、見るものに緊張感を強いるほど執拗にいやらしく、その存在感は素晴らしい。

 人間がもつ本性が表出するときの恐ろしさも、また凄い。
 智恵子が吊り橋の上で、稔に対して『触らないでっ!』と叫ぶときの、あの嫌悪の顔。
 留置場の面会室で、弟に唾を吐きかける兄の形相。
 徹底して悪意を見せつける演出のあとには、人間のイメージなんて、誰もが自分に都合の良いように作り出しているだけだと思い知る。

 オダギリジョーの女たらしぶり。男の狡さや傲慢さぶりも初めて見る演技だが、香川照之の卑屈さも見事だった。
 そして、オダギリが「にいちゃ~ん』と叫びながら兄を追うラストシーン。
 香川の表情が素晴らしく、あの無言の笑みには胸が詰まる。

恐怖劇場アンバランス オリジナルBGM集

 ウルトラ・ヴァイヴから『恐怖劇場アンバランス オリジナルBGM集』がリニューアル発売されました。音楽は富田勲氏。

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 1973年フジテレビ系深夜枠で放送された『恐怖劇場アンバランス』は、『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』を制作した円谷プロが、『怪奇大作戦』に次いで制作した大人向け怪奇ドラマ。

 放送第一回の『木乃伊の恋』は鈴木清順が監督し、ほかにも藤田敏八、長谷部安春、神代辰巳、黒木和雄などそうそうたる顔ぶれが並んでいた。また観たくなったなぁ。

 このサントラ盤は、現存するマスターテープから未使用テイクを含め61曲約55分を1曲ワントラックで収録されており、データも作品リストと音楽リストが詳しく(ドラマ使用場面の明記など)掲載されています。

 恐怖映画って、その怖さはほとんど音楽や効果音で感じているものです。これを流しながら『赤々煉恋』でも読めば、一層怖さが増すことだろうな。

    ☆    ☆

 え~、何度も書いていますウルトラ・ヴァイヴより発売される『Hotwax vol.6』ですが、発売日が9月14日ということで最終決定のようです。今度こそ、でしょう………(笑)。

 日活ロマンポルノ特集以外に、ロック特集はダウン・タウン・ブギウギ・バンド、巻末特集が「子連れ狼」です。
 インタビューは、田中登監督、宇崎竜童、小池一夫。
 特典CDも付いてます~。

ザ・ピーナッツ・オン・ステージ




 1959年に『可愛い花』でレコードデビューし1975年に引退するまで、日本のポップスを語るうえで外すことができないのがザ・ピーナッツ。

 テレビ草創期の象徴としての彼女たちの足跡は、膨大な量のレコーディングがされ数々のレコードに残されているのだが、ライブ・レコーディングとなると、引退後にリリースされた75年の引退公演を録音した『ラスト・ライヴ』と、1972年の民音ステ-ジを記録したこの『ザ・ピーナッツ・オン・ステージ』の2枚しかないと思う。

 『ウナ・セラ・ディ・東京』『恋のフーガ』『ふり向かないで』、“女シリーズ”のメドレー『東京の女~サンフランシスコの女~リオの女』などのお馴染みの曲と、当時の最新ヒット『さよならは突然に』。そして懐かしのポップスメドレーで構成されたショーなのだが、聴き過ごせないのが第一部と第二部それぞれのオープニング・ナンバー。
 当時日本中を旋風していたブリティッシュ・ロックとプログレッシブ・ロックのナンバーを、ザ・ピーナッツが歌いこなしているのだから驚く。

 ショーはURIAH HEEPの『対自核 Look At Yourself』で始まるのだが、宮川泰のラテン・キューバン風のアレンジが面白い。高橋達也と東京ユニオンそしてゲスト・ギタリストの山本とおるの演奏をバックに、ピーナッツの歌声が軽快に踊っている。

 第二部はKING CRIMSONの『エピタフ Epitaph』で幕を開ける。
 幻想的でドラマチックなこの名曲を、ピーナッツは見事に歌い上げている。さすがです。

 このあとに歌われる『ゴッドファーザー』ももちろん聞き惚れてしまうナンバー。

SIDE ONE
01. 対自核
02. イッツ・トゥ・レイト
03. プラウド・メアリー
04. 東京の女~サンフランシスコの女~リオの女
05. 情熱の花
06. ふり向かないで
07. ウナ・セラ・ディ東京
08. 恋のフーガ
09. バック・オブ・ブガルー

SIDE TWO
10. エピタフ
11. ポップス・タイム・トンネル:監獄ロック~レモンのキッス~ダイアナ~恋の片道切符~ミスター・ベースマン~悲しき雨音~ビー・マイ・ベイビー
12. ゴッドファーザー
13. さよならは突然に
14. 可愛い花

    ☆    ☆
 
 引退して31年。昨今の昭和歌謡番組でもあまり映像を見ることのないザ・ピーナッツなのだが、嬉しいことにその渇望した思いを満たすだろう番組が今週放送される。

『歌伝説 ザ・ピーナッツの世界』
8月19日(土) NHK-BS2 19:30~


 渡辺プロ創立50周年記念企画のなかのひとつと思えるのだが、ナベプロが全面協力をすればかなりのお宝映像を期待できます。
 日本の全てのポップスファンそして歌謡曲ファンのひとたちは、絶対に見逃してはならない番組だと思うよ。



「ユナイテッド93」



UNITED 9
監督・脚本:ポール・グリーングラス

☆☆☆☆  2006年/アメリカ/111分

    ◇

 記憶に新しく、それだけに観る事をためらいがちな事実だが、遺族や関係者たちの伝えておかなければならないという想いの“記録”に、我々は目をそらすことなく受け止めなくてはならない。

 2001年9月11日、テロリストによってハイジャックされた四機のボーイング機のうち、唯一テロリストたちの目標に到達できなかったユナイテッド93便のドキュメンタリー・ドラマであり、それは膨大な資料と関係者の証言、そして、遺族たちに残された乗客たちからのメッセージを基に構成されている。

 もちろん事実を知って見ているのだから、オープニングから緊迫感を強いられる。
 そして、最初にワールド・トレード・センターに突っ込んだアメリカン航空11便の、ハイジャック第一報から起こる連邦航空局や各地管制センターそして軍の防空指令センターの右往左往ぶりが実にリアルだ。連邦航空局のトップに就くベン・スライニーをはじめ、管制官や軍の担当者が自身の役で出演していることで、そこに起きた事柄の“真実の姿”が裏付けられていると感じられる。
 そのほか93便の乗客乗員のキャスティングに無名の俳優たちが起用されていることも、リアリティさを増すこととなっている。
 
 アメリカ映画特有のエンターテインメント性など皆無なのは、監督が英国映画生まれのポール・グリーングラスだからだろう。彼の作品『ボーン・スプレマシー』('04)こそハリウッドの大作として大ヒットはしたが、もとはドキュメンタリー作家だ。
 乗客乗員たちの背景やメロドラマ性など、いくらでも描こうと思えばドラマ性を全面に出せる要素を一切取り入れない手法こそ、この作品の迫真力を一段と高めている。

 映画は、93便がハイジャックされる後半から機内の人間描写に重きが置かれるのだが、事の善悪を別にしてテロリストたちが行動するまでの心理描写にはハラハラしてしまう。そして乗客が神に祈るのと同じように、テロリストが神に祈る姿を見て人間の哀しさを見せつけられる。

 機内の出来事は“推測”ではあるが、膨大な資料と事実のほかに、少しの想像力で記憶されておくべきこともあるはず。

 真しやかなヒロイズムに走らず、上質な再現ドラマとして完成されており、絶対に観ておくべき映画だ。


「赤々煉恋」 朱川湊人

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 『花まんま』で直木賞を受賞した朱川湊人の最新刊の惹句はこうだ。

“様々な愛の形を綴った、切なさと悲しさの溢れた五つの物語”

 この作品、『花まんま』や『 かたみ歌』『わくらば日記』のつもりで読むとかなり衝撃を受ける。

 ノスタルジックさと不思議な世界の体験で、どこか胸にキュンとくる切なさとほのぼのさを与えてくれた3作品とは違い、これはかなり背筋も凍る究極の愛の短編集だった。

 もともと日本ホラー小説大賞の受賞でデビューした朱川湊人はホラー作家。
 この作品集は、ネクロフィリアとかアクロトモフィリアといった猟奇的な、ひとによっては嫌悪感を抱くようなテーマも含んでいる。


死体写真師
たったひとりの身寄りの妹を亡くした姉が切望した遺体の記念写真。魂を閉じ込められた遺体は、腐敗することなく永遠のものとなるのだが………。ネクロフィリアを扱ったホラーで、かなりダークな結末は好みである。

レイニー・エレーン
昼はキャリアOL、夜は街娼として生きた女性は、雨の日に帰って来る。有名な事件をモチーフに、欲望の街を彷徨う魂の物語。

アタシの、いちばん、ほしいもの
彷徨うアタシのモノローグ。

私はフランセス
不幸な過去を経て巡り会った最愛のひとの秘密から、アクロトモフィリアという究極の愛の世界の扉を開く“私”。かつてのクラスメートへのメッセージで綴られる一遍だが、ラスト数行に極みあり。

いつか、静かの海に
異星人のお姫さまと出会った30年前。彼女を育てるために必要なものは………。奇妙な余韻を残す物語。

 人間の奥底に潜む欲望として様々な性癖や性的嗜好を、エログロにならない語り口で描く筆力に感心。
 期待とは違っていたのだが、嫌いなものではなかった。



赤々煉恋〈せきせきれんれん〉/朱川湊人
【東京創元社】
定価 1,680円(税込)

まぁ~だかな、Hotwax

 1970年代の日本映画と日本のロックと歌謡曲について、気軽に紹介と研究をしているカルチャー季刊誌『Hotwax』第6号の発売が大幅に遅れていましたが、どうやら9月7日の発売予定と決まったようです。

 このブログを始めて2ヶ月ほどして発刊された『Hotwax』誌なのですが、第2号の『梶芽衣子特集』に触発されてレビューの原稿募集に応募してみました。ブログでの中川梨絵の記事を抜粋・改訂したものだったのですが採用されました。
 そのあと、このブログで書こうと準備をしていた石井隆の記事を少し改訂して掲載して頂きました。

 そして今回、第6号の巻頭特集『日活ロマンポルノ』の作品紹介を4つ短評させていただく機会をもらいました。
 自分のなかでは依頼から長い時間でしたのですっかり過去の文章になっていたのですが、今日校正を受け読み直すことで、この4作品をまた観たくなりました。

 この拙いレビューで、読者の方が作品をひとつでも観てくれるとうれしいなと思う次第であります。

三文芝居

 スーパースターを欲するメディアが、大掛かりにお祭り騒ぎを仕掛けるのはいまに始まったことではないが、テレビ局優先のエンターテインメントは、結局は猿芝居で終わった。

 負けて得るものがあることを知る機会を手放した“あしたのジョー”は、四角いジャングルの上の道化でしかなく、一夜明けての記者会見も相変わらずのビッグマウスbig mouth(大口叩き)ぶりで辟易。

 BIG MOUSEにしか映らない姿は、もはやMOUSEよりRATと呼ぶべきか。