TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

華麗なるペテン師たち

原題:HUSTLE
制作:英国 BBC 
出演:エイドリアン・レスター、マーク・ウォーレン、ロバート・グレニスター、ジェイミー・マリー、ロバート・ヴォーン
2004年 〈全6回〉


 「詐欺は金だけの問題じゃない」

 強欲な金持ちだけをターゲットにする詐欺チームのコンゲーム・ドラマが、毎週火曜日の夜10時からNHK-BS2の海外ドラマ枠で始まった。
 
 コンゲームとはconfidence game(信用詐欺)の略で、その知的な仕掛けが大掛かりであればあるほど小説や映画の世界では魅了されている。コンマンたちが騙す相手は登場人物だけでなく、読者や観客すら爽快にダマしてくれるのも魅力のひとつであり、数々の名作が生まれている。

 ジェフリー・アーチャーの小説『百万ドルを取り返せ!』しかり、傑作中の傑作映画『スティング』('73/ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード)やポーカーを題材にした『テキサスの五人の仲間』('66/ヘンリー・フォンダ、ジョアン・ウッドワード)しかり、そして最近ではジェームズ・フォーリー監督の『コンフィデンス』('02/エドワード・バーンズ、ダスティン・ホフマン)が見事な騙しダマされ映画だったが、共通するのはスマートさがなくてはコンゲームとは言えないと云うことだ。

    ☆    ☆

 詐欺では一度も検挙されたことのない並外れた知性と統率力を持つミッキーが、別件の暴行容疑で2年の刑期を終えロンドンに戻ってきた。彼は、引退のための最後の大仕事としてかつての仲間たちを集める。
 仕掛けの調達やコンピュータに精通したアッシュ。カモを誘惑するためには“女”を武器にまでするクールな女性ステイシー。生来のギャンブラーで、大仕掛けの詐欺ではオトリ役のベテラン詐欺師アルバート。
 プロフェッショナルな4人だ。

 一方、出所したミッキーを監視続ける警察に、本部から強面のディパーマ警部補が応援にやって来る。女性担当官のホッジス巡査部長がディパーマ警部補に状況を説明する方法で、この4人を視聴者に紹介する仕掛けになっている。

 そしてチームにもう一人、トランプの妙技とスリが得意な若いダニーが、ミッキーに弟子入りしたくて4人の計画に途中から加わることになる。
 株取引の詐欺を仕掛ける5人のターゲットは、富豪ながらケチで浅ましい実業家。

 計画が始まると、ドラマ自体の“仕掛け”も動き出す。

 警察側の動きは、ディパーマ警部補が新人のダニーに目をつけ彼をゆさぶりながら、ミッキーたちを現行犯で一網打尽にしようと画策をする。

 さてミッキーたちは、どうやって警察を欺き大金をせしめるのか……。

 警察と詐欺師チームの行動を同時に描いていく緊迫感と、鮮やかに進む詐欺の仕掛けに目を奪われる。コンゲームの醍醐味は、二転三転するストーリーと見る者を気持ちよく騙してくれることだ。

 ガイ・リッチー風のスタイリッシュな映像は、時間軸を逆にしたりストップモーションを活用したりして飽きさせないし、ユーモアたっぷりなストーリーも好印象だった。

 アルバート役のロバート・ヴォーンは懐かしい。テレビ『0011ナポレオン・ソロ』を彷彿とさせるほどダンディで、風格もありお見事。そして矢島正明の日本語吹替えというのもうれしい。

 第2話以降もとても楽しみだが、本国ではSERIES 3まで放送されておりSERIES 4も決定しているのだから、日本での順次の放映を期待したい。

 

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元気ですか《カバー・バージョン集》



 中島みゆきの企画アルバムで、同じ選曲・曲順で構成されたオリジナル・バージョンのリマスター盤も同時発売されている。

収録曲
01. 糸/Bank Band
02. 狼になりたい/小谷美紗子
03. 時代/徳永英明
04. 化粧/坂本冬美
05. 空と君のあいだに/槇原敬之
06. 元気ですか/小泉今日子 with GOTH-TRAD
07. アザミ嬢のララバイ~世情/浜田真理子
08. ファイト!/福山雅治
09. 後悔/小柳ゆき
10. ヘッドライト・テールライト/奈歩
11. 恋文/岩崎宏美


 1曲目のBank Bandとは、Mr.Childrenの桜井和寿とプロデューサーの小林武史が結成したバンドで、この『』は以前このバンドが発売したアルバムからの選曲。他にも徳永英明、槇原敬之、福山雅治、岩崎宏美らの曲は既出なのだが、こうして一挙に集められると壮観だ。
 特に『恋文』は、ここ最近の中島みゆきの楽曲のなかでも一番好きなものだけに、岩崎宏美のたしかな歌唱でアルバムの最後を締めくくっているのが好印象である。

 上記のア-ティスト以外の楽曲は今回新たに録音されたもので、そのバラエティさも聴き応え十分。
 プロテストな歌を歌う印象の小谷美紗子は力強く、久しぶりに名前を聞いた小柳ゆきはパワフルに、そして切なく演じてくれるのが小泉今日子。
 『元気ですか』は語りです。中島みゆきのオリジナル・アルバム『愛していると云ってくれ』のオープニングに語られる切ない女の心情です。キョンキョンの名演技を聴くことができる。

 そして、このアルバムの中で一番のお気に入りが坂本冬美の『化粧』。
 元来、みゆきの歌が演歌との相互関係を成立させているのだから、ここでの坂本冬美の起用も必然。オリジナルのみゆきの歌唱も少しこぶしがまわっているから、このくらい演歌的でもいいのじゃないかな。
 坂本冬美の凄みを十二分に堪能できる。

『愛の寓話』イベント開催

 『愛の寓話』vol.2 発刊記念イベントとして、小沼 勝監督と風祭ゆきさんのトークショーが行われます。
 
    ☆    ☆

『interview with a Romance film Creatots vol.2 愛の寓話 日活ロマン、映画と時代を拓いた恋人たち』(東京学参)刊行記念
小沼 勝監督+風祭ゆきトークショー
“プログラム・ピクチュアの魅惑”

■2006年8月6日(日)13:00~15:00(12:30開場)
■会場:青山ブックセンター本店内・A空間
■定員:70名様
■入場料:¥500(税込)電話予約の上、当日精算
■電話予約&お問い合わせ電話:03-5485-5511
■受付開始:2006年7月18日(火)10:00

    ☆    ☆

 東京近辺で興味のある方は、ぜひどうぞ。

やけっぱちロック~やさぐれ歌謡★最前線



 “やさぐれ歌謡”コンピレーション・アルバム《ビクター編》が発売されました。
 Hotwax @presentsの『やけっぱちロック~やさぐれ歌謡★最前線』です。

収録曲
01. 変身/池玲子
02. 女の赤い血がさわぐ/池玲子
03. 新宿カルメン/杉本美樹
04. 女番長流れ者/杉本美樹
05. やけっぱちロック/安西マリア
06. 裸足のブルース/中村晃子
07. テイク・テン/中原まゆみ
08. たかが人生じゃないの/日吉ミミ
09. ひとりぼっち/内藤やす子
10. 一七のえれじい/あゆ朱美
11. 浮気なスー/フラワー・キッス
12. 流れ者ブルース/沢たまき
13. 二杯目のコーヒー/森本和子
14. 酔いどれ女の流れ歌/森本和子
15. ケリ/山川ユキ
16. 銀蝶流れ花/サリー・メイ
17. 新宿ふらふら/カルーセル麻紀
18. アイアンサイド/安田南
19. 愛情砂漠/安田南
20. これが最後のまがりかど/三条アンナ


 タイトルの『やけっぱちロック』は安西マリアのB面曲だから、ジャケット写真は池玲子の『変身』なわけですが、そそられますからこれはイイっす。
 
 安田南のA/B面曲が収められたことは嬉しい。
 ただ、この『愛情砂漠』はオリジナルの原田芳雄ヴァージョンの方が良いです。藤田敏八監督の東宝映画『赤い鳥逃げた?』の挿入曲で、桃井かおりと大門正明がコーラスをしています。安田南はこの映画の主題歌『赤い鳥逃げた?』を歌っているので、レーベルを超えたコンピレーションができればぜひ収録してほしいところ。

 あゆ朱美は、女優戸田恵子の出発点。ジャケの写真はあばずれっぽく、やさぐれています。

 これまでHotwax Traxはデジパック仕様でしたが、どう云うわけか今回はプラケース仕様でした。

'79年の映画ノート

1979年は月間別ベスト1を列ねてみる。

◆1979年月間ベスト

1月 天使のはらわた・赤い教室 ☆☆☆☆(13日)
にっかつ/'79/曽根中生監督、水原ゆう紀、蟹江敬三
《別レヴューあり》

2月 ファール・プレイ ☆☆☆☆(28日)
米/'78/コリン・ヒギンズ監督、ゴールディ・ホーン、チェヴィー・チェイス、ダドリー・ムーア
法王暗殺計画に巻き込まれた図書館勤めのゴールディ・ホーンと、ダメ刑事のチェヴィー・チェイスが織りなすサスペンス・コメディ。随所にヒチコック風な演出を見せるコリン・ヒギンズも冴えているし、バニー・マニロウの主題歌も心地よい。しかし、何と云ってもゴールディのコメディエンヌぶりに尽きる。80年代まで彼女の映画でハズレなし。

3月 赫い髪の女 ☆☆☆☆☆(1日)
にっかつ/'79/神代辰巳監督、宮下順子、石橋蓮司、亜湖、山口美也子
来る日もくる日もひたすらセックスをする男と女の性愛の日々を、ねっとりと描いた日本映画の名作。
雨と、ブルース(憂歌団)と、ダンプカーと、厚化粧。無機質な風景。汚らしい部屋。生々しく愛欲に溺れる官能の空間。ストーリーらしきものを一切省いたことで、見事な人間ドラマが完成されている。宮下順子の切なさこそがエロスです。

4月 復讐するは我にあり ☆☆☆☆(29日)
松竹/'79/今村昌平監督、緒形拳、三國連太郎、小川真由美、倍賞美津子
実在の連続殺人犯の犯行軌跡だけを追った佐木隆三のノンフィクションを原作に、人間の奥底に潜む闇と、愚かで哀しい人間の業を浮き彫りにしている。

5月 ディア・ハンター ☆☆☆☆( 2日)
米/'78/マイケル・チミノ監督、ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、メリル・ストリープ、ジョン・サベージ
ベトナム戦争を舞台にした若者の心の傷と生と死。戦争からは何も生み出されない、意味なく死する者たちを見よ。
美しいテーマ曲が耳に残る大傑作。

6月 もっとしなやかに、もっとしたたかに ☆☆☆☆(2日)
にっかつ/'79/藤田敏八監督、森下愛子、奥田瑛二、高沢順子、風間杜夫、蟹江敬三
70年代に文化として台頭してきたニューファミリー現象は、新しい価値観として友達同士のような家族形態のことを称していた。「家族」を切り離す「核家族」の始まりだ。この作品はそんなニューファミリーを否定し、脆くあやふやな家族の崩壊の様を描いている。生き生きとした森下愛子の小悪魔ぶりに拍手を。

7月 さらば映画の友よ ☆☆☆★(4日)
ヘラルド/'79/原田真人監督、川谷拓三、重田尚彦、浅野温子、室田日出男、原田芳雄、石橋蓮司、山口美也子
映画評論家だった原田真人の監督デビュー作品。年365本の映画を20年間観続けることを人生の目標にする中年の男(川谷拓三)と、映画青年と美少女との青春映画。当時映画青年だった自分をどこかに投影させて観ていた。音楽は宇崎竜童。

8月 その後の仁義なき戦い ☆☆☆☆(5日)
東映/'79/工藤栄一監督、根津甚八、宇崎竜童、原田美枝子、松崎しげる
“仁義なき戦い”の番外編ではあるが、若いチンピラたちの友情と裏切り、そして生き様死に様を鮮烈に描いた青春群像劇として記憶に残る作品だ。柳ジョージの音楽もマッチしている。

9月 インテリア ☆☆☆☆(30日)
米/'78/ウディ・アレン監督、ダイアン・キートン、ジェラルディン・ペイジ、E.G.マーシャル
ウディ・アレンにとって初めてのシリアスな映画で、ベルイマンの影響を受けた作品と云われ評価の分かれる作品だ。
30年連れ添った両親の別居問題で集まる三姉妹。自殺未遂する母、愛人を作った父、そしてその愛人。それぞれの心の崩壊が静かに厳粛に描かれていく。当時観た時は、その重さが心地よかった。

10月 太陽を盗んだ男 ☆☆☆☆☆(15日)
東宝/'79/長谷川和彦監督、沢田研二、菅原文太、池上季実子
原爆を作り上げた中学教師が国家相手にローリング・ストーンズの日本来日を要求するなど、とてつもなく痛快な犯罪サスペンスで、娯楽性の観点からこれ以上ないくらい途方もない活劇映画。失われた70年代の過激性を今の映画に求めるのはナンセンスかもしれないが、このエネルギーは失ってほしくないな。

11月 堕靡泥の星 美少女狩り ☆☆☆(7日)
にっかつ/'79/鈴木則文監督、波乃ひろみ、土門峻、八城夏子、日向明子、飛鳥裕子、岡本麗、名和宏、菅原文太
はじめに書いておくが、ムチャクチャな映画である。
どこまで人間は悪魔になれるのか……原作は70年代に爆発的人気を呼んだ佐藤まさあきの衝撃劇画で、東映から鈴木則文を招き脚本大和屋竺で映画化した作品。官能のSM世界とは違ったサディズムに溺れる青年の姿を描いているのだが、過激性は劇画には叶わなかった。まして現代、現実の表の世界に現われ出した残虐非道な輩の方が恐怖だ。菅原文太は運転手役で特別出演している。

12月 ノーマ・レイ ☆☆☆☆(1日)
米/'79/マーティン・リット監督、サリー・フィールド、ロン・リーブマン、ボー・ブリッジス
アメリカ南部の紡績工場に勤める低所得者のノーマが労働運動に関わりながら、女性としても人間的にも成長し自立していく社会派ドラマ。
素直に感動させられた。

東京の空の下を歩いてみれば

 週末の15日16日と東京まで出かけた。
 10数年前から6~7月はテディベアのコンベンションのため毎年上京しているのだが、今年は目的のないまま上京。いつもこの時期には定期の大仕事が片付くので、息抜きには丁度いいのだ。

 表参道ヒルズに行ってみた。
 建築家安藤忠雄のデザインが、地下3階から地上3階までの吹抜け空間を気持ちよく演出させていたのだが、ぼくには、70年代初めの同潤会アパートが懐かしく思えてしかたがなかった。
 そして、腹が立つこと。
 時代のランドマークにしたいのなら、この時代にあってバリアフリーを何も考えていないのは何事? 
 「足下にご注意ください」と云うために警備員を立たせている馬鹿らしさ。店舗によって出来ている出入り口の段差なんぞ、商業施設として今どき平気なの?
 デザインを損なわずに補修できる段差なのに、それをほったらかしにしたままの姿勢に疑問を持つのだが……。管理会社は名だたるところ………納得してていいのかな。

 上京の際、いつも行く新宿のレコード(CD)店DU。
 お茶の水店において17日の月曜日に『お色気秘宝展』なるものが開催されると貼り紙。前もって調べておかなかった自分が悪いのだが、悔しかった。
 まぁ、たぶんかなりの高額商品ばかりだろうから、どうせ手に入れることはなかっただろうと諦める自分。
 ジャケだけでも拝みたかったが、あのポスター売ってくれなかったかしら。

愛の寓話 Vol.2



 Hotwax vol.6 『日活ロマンポルノ特集』の発売が遅れている間に『愛の寓話 Vol.2』が発売されました。

 ジェネオン・エンタテインメント社のDVD作品と連携しているので、発売された作品を観ながら監督やスタッフや主演女優の証言を読めば、メイキングの面白さとなる。

 女優インタビューは、ブログで愛犬ポルゾイの育児日記を書いている風祭ゆきと小川亜佐美。

 故神代辰巳監督への証言は、編集の鈴木晄、チーフ助監督の海野義幸、スクリプターの白鳥あかねの三者。
 特に、最も多くの神代作品につき合ってきた白鳥さんが語る『恋人たちは濡れた』の撮影秘話は、現場で監督と中川梨絵との間に一触即発の闘いがあったという興味深い話。

 たかがポルノ、されどポルノ……
 偏見により一般映画から遮断されてきた千数本の映画たち。その中の数本でいいから、すこしでも興味を持って再び観てもらえるように。

愛の寓話 Vol.2
発行・発売:東京学参(株)
定価:2,200円(税込)

忌野清志郎 喉頭癌で入院

 ロック・シンガーの忌野清志郎(55才)が喉頭癌と診断され長期入院治療との知らせ………

 忌野清志郎のHPに自筆コメント

 『何事も人生経験と考え、この新しいブルースを楽しむような気持ちで治療に専念できれば………』
 『また いつか会いましょう。 夢を忘れずに!』

 かなりショック………

 ドラゴンズの日本一 絶対に叶えようぜ!!

魅惑のムード☆秘宝館 #3

五之館

01. 昭和枯れすすき/谷ナオミ
02. 変身/池玲子
03. 銀蝶流れ花/サリー・メイ
04. 女番長流れ者/杉本美樹
05. サンドラの森/サンドラ・ジュリアン
06. イブの悲しみ/桑原幸子
07. ドラマチック・ブルース/應蘭芳
08. ひとり部屋/なるせみよこ
09. ひとりが沁みるの/黒木マリ
10. ヨコハマの女/加島美抄
11. ネオンの女/椿みやこ
12. ジェル・ジュ/麻里圭子
13. わたし、癖になってしまったの/岡田可愛
14. 愛のナレーション/島田陽子
15. テイク・テン/中原まゆみ
16. 誰かが私を狙ってる/南麻衣子
17. 男のためなら/浜村美智子
18. ふて節/麻吹淳子

 悶絶の女王谷ナオミのナレーションは應蘭芳の甘い語りと双璧です。
 悩殺の番長池玲子は歌手宣言して東映を辞めてのデビュー曲ですが、当然このレベルでは詫びをいれての出戻り稼業です。杉本美樹、サンドラ・ジュリアンと東映ピンキー女優がつづきます。
 黒木マリは青江三奈風のブルース。平山三紀風のジャケ写の加島美抄はかなりのクセもの演歌。椿みやこ、南麻衣子は夏木マリや辺見マリ路線のセクシー・アクション歌謡。
 『バナナ・ボート』でデビューした浜村美智子はその乱暴な歌いっぷりが凄いし、“ポスト・谷ナオミ”と呼ばれた麻吹淳子の正統やさぐれ演歌は聴き応え十分。 

   ☆     ☆

六之館

01. 粋なネグリジェ/内田高子
02. うい・う・のん/朝丘雪路
03. 女はかなしい/緑魔子
04. お蝶のブルース/池玲子
05. 恋泥棒/奥村チヨ
06. 恋の数え唄/三浦恭子
07. 男好き/牧麗子
08. 首ったけ/津々井まり
09. 雨にぬれても/松本ルミ
10. 白夜のためいき/木立マリ
11. 時は流れて/ケイ石田
12. 裏町巡礼歌/潤ますみ
13. うらみ花/加山麗子
14. 薔薇/藤井輝子
15. 明日から愛して/梢ひとみ
16. O嬢の物語/水原ゆう紀
17. 踊りましょうよ/中川梨絵
18. 新女大学/アイ・アバンティとそのグループ

 さて、ここには放送禁止歌の女王のおふたり(内田高子&朝丘雪路)を筆頭に、コケティッシュな奥村チヨ、脱力感あふれる緑魔子やキュートな顔だちの牧麗子、本格和製ボサノヴァ歌手ケイ石田などヴァラエティな顔ぶれが並んでいますが、やはりお気に入りは日活の女優たちでしょうか。
 潤ますみの『裏町巡礼歌』は、荒木一郎原作・脚本で曽根中生監督による秀作ロマンポルノ『現代娼婦考』の主題歌で、寺山修司の詩を梶芽衣子似の歌唱で聞かせてくれます。聞き応え十分。
 ロマンポルノ版『肉体の門』で主人公のボルネオ・マヤ役でデビューした加山麗子は、ロマンポルノのアイドルとして人気があったのだが、この歌は『新版さそりシリーズ』にも出演していたことから梶芽衣子路線のやさぐれ演歌になっている。
 梢ひとみは阿木&竜童の作品。歌手デビューをしたのち『天使のはらわた/赤い教室』でポルノ女優に転身した水原ゆう紀は、フランス映画の日本語版を耽美に歌っています。
 そして、中川梨絵の『踊りましょうよ』は以前語った通りです。

魅惑のムード☆秘宝館 #2

 つづき、です。

参之館

01. あまい囁き/宮下順子・水乃麻希
02. あなたっていいわ/司美智子
03. めくるめく季節/田口久美
04. 白い風/田中真理
05. 愛のかわき/渥美まり恵
06. 今夜おしえて/牧村純子
07. 熊ん蜂/山内えみこ
08. あたしでいいのかい/伊佐山ひろ子
09. 好き、嫌い/キューティーQ
10. 愛の花園(ジュ・テーム)/ひろみ麻耶・谷口香織
11. 裏切り/夏木マリ
12. 月光のエロス/中島淳子
13. ただそれだけのこと/林マキ
14. ベッドにばかりいるの/フラワー・メグ
15. 闇に白き獣たちの感触のテーマ/東てる美
16. 黒いらんたん/鰐淵晴子
17. おぼろ橋/白川和子
18. 爪/片桐夕子

 アラン・ドロンとダリダのオリジナルに匹敵するほどの宮下順子の色香ある台詞で幕が開く参之館は、日活ロマンポルノ女優オン・パレードです。
 田口久美は見事な歌唱で聴き惚れます。伊佐山ひろ子のやさぐれ具合もやっぱりイイ。
 渥美まり恵は、“しびれくらげ”こと渥美マリです。中島淳子は、夏木マリの本名です。すっかり橋田壽賀子ファミリーの東てる美は、ロマンポルノで谷ナオミの愛弟子としてコンビを組み若手SM女優として認知されていました。この曲は自身が主催する劇団が制作した自主映画の主題歌。マルチな才能を見せていたからこその現在があるのでしょう。
 出色なのが白川和子。哀しい娼婦の物語を情感たっぷりに語るのは、まさに演技派女優。

    ☆     ☆

四之館

01. 怨み節/梶芽衣子
02. 可愛い悪魔/渥美マリ
03. アイ・ラブ・ユー/渚まゆみ
04. 忘れたいの/真理明美
05. うそ/愛まち子
06. オン・ザ・ロック/小宮あけみ
07. シルバーフィズの夢/三条魔子
08. 霧雨にぬれて/花房てるみ
09. . あなたと死にたい私/内田高子
10. ベッドでタバコをすわないで/宝みつ子
11. .女のときめき/時アリサ
12. 恋は霧の中/三朝れい子
13. 感じる/嵐レナ
14. 涙のハプニング/川村真樹
15. 嘘でとうした愛だけど/真理アンヌ
16. 夜の花びら/カルーセル麻紀
17. あいつの残影/多岐川裕美
18. 男と女のお話/松岡きっこ

 愛まち子、小宮あけみ、時ありさ、嵐レナ……初めて聞く名前はクラブ・シンガー。納得ですね。
 内田高子イコール、ピンク映画。思春期迎えた中学生は、こっそりと大人の週刊誌で興奮していたのですよねぇ。 
 エキゾチック真理アンヌは、ふて腐れ歌唱で聴かせてくれる。多岐川裕美は“2代目さそり”の主題歌です。梶芽衣子のあとにサソリなし。
 真理アンヌもカルーセル麻紀も『11PM』出身ですが、松岡きっこも忘れられない存在。ここでは歌ではなく語りです。

    ◆    ◆

#3につづく………

魅惑のムード☆秘宝館 #1

 ご贔屓筋のブログで『エロ歌謡』の話題が出てました。
 『エロ』というか『悩殺的お色気』というか、七夕の日に『幻の名盤お色気BOX』という、昭和の四畳半的エロティシズムがむんむん香るお色気歌謡のリイシュー盤が発売されたのですが、そのお題にあいのりさせて頂きましょ。

 『幻の名盤お色気BOX』に収録されている浅丘ルリ子の『悲しみは女だけに』は、1969年に大ヒットした台詞歌『愛の化石』の映画化に際して挿入歌として作られた台詞シリーズ第2弾。そして台詞3部作の『別離の詩』とともに、横尾忠則がジャケットのデザインをしたLP『心の裏窓』は当時の愛聴盤でした。
 女優の語りでは『プレイガール』のサブ姐御桑原幸子もいいですね~。
 そして、浅丘ルリ子桑原幸子のLP内のピンナップも素晴らしいです。



    ☆    ☆

 さてここに5~6年前に通販のみで発売された『魅惑のムード☆秘宝館j』という、これまた究極の昭和お色気歌謡を集めた6CD-BOXがあります。

 厳選されている曲は昭和40年代。『11PM』や東京12ch(現テレビ東京)の『独占!おとこの時間』『プレイガール』を見てはその濃密な時間に埋没しながら悶々としていたころの、裏歌謡です。
 いやいや、裏だなんてとんでもないか。大衆向けってもんは、大道芸的で少し如何わしいものが魅力なわけだから、お色気ムンムンでセクシーなものこそ歌謡曲の本質のひとつと言えます。まさに昭和歌謡の底知れぬ奥深さを知ることでしょう。

 ねっとりと過剰なほどのエロさは、歌っているというより演じているわけで、ここに集められたもののほとんどは女優の歌です。
 「ウッフン、アッハン」ばかりの歌謡曲に興味があったわけではないのだけど、このボックスの魅力はやはり女優。特に、にっかつロマンポルノの女神たちの曲なんて、いまさら探しても見つからない貴重なものです。



チキ・チキ・チケット

 70~80年代のコンサート・チケットや芝居のチケットって、チラシやパンフ同様、集める楽しみがあった。
 いまは何だか味気ない。

 ほんの一部をピックアップしてみた。


    ☆    ☆



高校生の時、冬休みに友人と一緒に東京までJOHN MAYALLを見に行ったのが、ロック・コンサートの初体験だった。1970年12月、ROCK CARNIVAL #1と名打たれ開催されたこれこそが、日本のロックの歴史の始まりだった。残念ながらチケットが残っていない。
このあと、Blood,Sweat & TearsB.B.KINGCHICAGOFREEと続くのだが、Grand Funk Railroadまで行くことは出来なかった。
チケットを収集し始めたのが71年のLED ZEPPELINからということになる。当時、武道館ならどんな席でもロックの真只中にいる感じだったからZEPにしろDEEP PURPLEにしろほとんどが2階席で見ている。ストーンズの幻のチケットも換金しちまうほど、お金無かったしね。初めて武道館のアリーナで観たのが73年冬のLEON RUSSELLだった。


山口百恵のステージは蒲郡市まで追っかけてしまった。『山口百恵リサイタル/愛が詩にかわる時。』のチケットは二つ折り。歌舞伎や演歌歌手が座を開く御園座でのリサイタルにはびっくりだった。



80年代は中島みゆきサザン・オールスターズ漬けで毎年足を運んでいた。そのためにプロモーターの会員になり前列の良席ばかりを確保していたのだが、今では会員でも競争率が激しくこんなに良い席を買うことは出来ないようだ。
日本人アーティストのチケットはユニークで凝ったものが多かった。中島みゆきの『明日を撃て!』『五番目の季節』は二つ折り。
思いだせば82年の『浮汰姫』ツアーで、つづけて歌った「やさしい女」と「エレーン」は鳥肌モノだったなぁ。



変形チケットでユニークなのがタモリの『Radical Hystery Tour '82』のサングラス型だろうか。



アーティストの写真を前面に扱ったものは他にもいろいろ。



芝居のチケットも独自性があった。

「新・黄金の七人 7×7」



SETTE VOLTE SETTE
監督:ミケーレ・ルーポ
製作:マルコ・ヴィカリオ
脚本:セルジオ・ルフィーニ
音楽:アルマンド・トロヴァヨーリ
出演:ガストーネ・モスキン、ライオネル・スタンダー、アドルフォ・チェリ、ライモンド・ビアネッロ、ゴードン・ミッチェル、テリー・トーマス

☆☆☆☆  1968年/イタリア/106分

    ◇

 7月3日現在、サッカーワールドカップ2006ドイツ大会の準決勝進出チームはヨーロッパ勢が占めた。優勝候補チームが敗退するなどの波乱はスポーツの世界では、特にサッカーは当たり前のように起きるのだから面白い。
 国じゅう上げての応援が異常なほど過熱するサッカー。そんな過熱ぶりを見ていて思いだすのがこのイタリア映画だ。

 映画の舞台は英国。サッカーの決勝戦の間に刑務所を抜け出して、造幣局で200万ポンドを刷りあげてしまうという、前代未聞な計画。
 もちろんコメディ・タッチに描かれる。サッカー熱にとりつかれている国民性をちゃかしながら、ユーモアとサスペンス満載の痛快犯罪映画だ。

    ☆    ☆

 1965年にイタリア映画界が、英国の『007』をはじめとするスパイ映画に対抗すべく企画しマルコ・ヴィカリオが製作・脚本・監督した『黄金の七人』は、ユーモアとサスペンスを盛り込んだ犯罪映画として世界中で大ヒットした。

 教授と呼ばれる紳士をリーダーに6人の盗みのプロフェッショナルとお色気たっぷりな美女を加え、白昼堂々とジュネーブ銀行から金塊を奪取するストーリーで、その後二転三転する展開にワクワクドクドキさせられ、一切ひとを傷つけない犯罪ドラマとしても粋でカッコいい見本のような映画だった。
 60年代のサイケファッションも最高だし、スコアもアルマンド・トロヴァヨーリのスウィンギングジャズとスキャットがじつにお洒落。
 『ルパン3世』の元ネタ映画としても有名で、まさに不朽の犯罪映画といえる。

 当然シリーズ化され、翌年の2作目『続・黄金の七人 レインボー作戦』は前作のスタッフとキャストが同じまま、今度は教授と美女を含めた男たちが某独裁国から将軍を誘拐、ついでに金塊を盗み出すといったストーリーになっている。映画のオープニングとクロージングが、1作目とリンクしているのも洒落ている。

 そして3作目の本作品はスタッフ・キャストを一新し、前2作でアドルフ役を演じていたガストーネ・モスキンをリーダーとしたスペシャリストたちが、サッカー観戦でからっぽになったロンドンの街を駆け回る。

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 英国のある刑務所で、シェフィールドvs エバートンのサッカーの決勝戦のテレビ観戦を要求するためにストを決行した囚人たち。そんな中に、ケチな詐欺行為で刑務所に入所してきたブレイン(ガストーネ・モスキン)。最後までストで立ち向かった6人の男たちは刑務所内の医務室に運びこまれるのだが、実はそこが計画のアリバイの場所であり、医師免許を持たないニセ医者バーナードを留守番役にして男たちは刑務所を抜け出す。
 ひとっ子ひとりいないロンドンの街中を、まず製紙工場から紙幣用の原紙を盗み出し、それを造幣局の印刷所に運び込み本物のポンド紙幣を刷りあげる。そして何喰わぬ顔で刑務所に戻ると云うのが計画だ。
 部屋の監視カメラを欺く方法や脱出方法とともに、試合時間の90分という時間制限が巧くサスペンスとして生きている。

 前代未聞の計画も順調に運ぶはずもなく、脱獄時に名傍役ライオネル・スタンダー扮するサムというコソ泥が紛れ込んでしまう。なにかと足手纏いのサムが計画進行でのハラハラドキドキ感を生み、コメディの味付けにも見事に成功している。

 晴れて出所した7人は刷り上げた200万ポンドを手にするのだが………。
 この手の映画で待っている思いもよらぬアクシデントもアイデアものです。

 さて、このシリーズではキャラクターの見せ方も面白い。
 前2作での教授以外の6人の男たちは、それぞれドイツ・イタリア・フランス・スペイン・ポルトガル・アイルランドと国籍が違い、名前の頭文字は教授を含めて“A”で始まる。
 この作品でも国籍は全員がバラバラで(当然サッカー開催国を連想する)、名前は今回“B”の頭文字で始まるようになっている。

 今日までに製作された多くの泥棒映画の元ネタが、この『黄金の七人シリーズ』に詰まっているのがわかるはず。
 いくらハイテクになろうがCG技術が目を見張るものになろうが、いまだこれだけの面白さを満載したシリーズを超える作品にお目にかかることは出来ない。これ、過言ではないだろう。
 『オーシャンズ12』は、シリーズの足元にも及ばないよ。

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 シリーズ4作目『黄金の七人 1+6 エロチカ大作戦』は、邦題こそ『黄金の七人……』と付いているがまったくの別物。
 犯罪映画ではなく、精力絶倫の田舎ものの男をめぐるセレブな女たちのイタリア式艶笑コメディで、『黄金の七人』『続・黄金の七人 レインボー作戦』で美女ジョルジャ役を演じていたロッサナ・ポデスタ(当時マルコ・ヴィカリオ監督夫人)と、180cm近い身長と抜群のプロポーションを持った美人女優シルヴァ・コシナがお色気を振りまいている。

Look At Yourself

 7月です。2006年も半年を過ぎ、トリノ・オリンピックなどすっかり遠い記憶。
 WBCで王ジャパンが世界一になり狂喜乱舞していたはずが、サムライ・ニッポンの姿には失意を覚えたニッポン人。
 そんな事どこ吹く風よと、街は、どこもかしこもバーゲンの人手でごった返している。

 今日のぼくはと云えば、SALEの文字を横目に仕事場で村八分のCDをガンガン流しながら時間に追われている始末。

 そう云えば明日2日は友人の結婚式。
 某脚本家のドラマ・サイトで知り合い、余貴美子ファンサイトY's Passionで共同管理人をしている女性だ。
 彼女は舞台の脚本を書いていた経験があり、30代後半にしていよいよ結婚というドラマを創り上げていくようだ。
 最終回まできちんと書き上げてくれ。

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 さて、ウルトラ.ヴァイヴ社編集の歌謡曲※名曲名盤ガイド1980’sが発刊された。
 と云っても、80年代の歌謡ポップスはあまり聴いてはいなかったし興味もないので買う予定はないのですが。

 7月初旬に発行予定だったHotwax vol.6は遅れているようです。
 安田南や杉本美樹の“やさぐれ歌謡”コンピCDも早く発売して欲しい。
  
 最近買ったCDは、ブリティッシュ・ハード・ロック・バンドユーライア・ヒープの紙ジャケ・シリーズ。



 ここのところエアコンの効いた部屋でフル音量で聞いているのが3枚目の『対自核』。
 次作の「『悪魔と魔法使い』と『魔の饗宴』もいいのだけど、やっぱり「対自核〈Look At Yourself〉」のリフと「七月の朝〈July Morning〉」の荘厳さだろう。

 1973年名古屋市公会堂で観た初来日公演を思いだす。
 プロモーターにコネがあった友達から買ったチケットは前列4番目だったのだけど、コンサートの後半、後方の観客の騒ぎっぷりに警備員があろうことかイスを持ち上げて制圧し始めた。そして通路側にいたぼくにそのイスがあたり、腹が立ちその警備員に喰ってかかったら……おお、掴み合いになりそのまま場外につまみ出されてしまった。
 騒ぎの原因が他にあったていうのに何でぼくが被害に遇うわけ?
 だから演奏をきちんと聴いた印象がなく、結局騒ぐだけ騒いで終わったムシャクシャしたコンサートだったな。
 いま思えば、まさにLook At Yourselfですがね。