TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

ブルース ギター ウーマン

 1920年代、アメリカ南部の労働歌から“カントリー・ブルース”が生まれ、北部の都市などから洗練された“シティ・ブルース”が誕生し、戦後はエレキ・ギターによる“モダン・ブルース”や“シカゴ・ブルース”などのスタイルが確立され、枝葉的に数々の音楽スタイルを生んだブルース。
 その背景に苦難の道のりがあろうと、心を揺さぶり、エネルギーを奮い起こさせ、熱く、気持ちいい音楽がブルース。

 ブルースが自己の主張と開放を得るための音楽ならば、男尊女卑が確固たる時代に黒人男性以上に虐げられてきた黒人女性がブルースを歌うことは必然であり、ベッシー・スミスやビリー・ホリディに至る黒人女性歌手たちの功績は偉大だ。そのなかでも、ブルース・ギターを弾くメンフィス・ミニーは30年代から50年代にかけて男顔負けのブルースを表現してきた女性。その精神が60~70年代の女性解放運動以後の女性たちに受け継がれ、数々の女性ブルース・ギタリストが誕生している。



 このコンピレーション・アルバムは、人気女性ブルース・ギタリストのスー・フォーリーが選曲した女性ブルース・ギタリスト集で、Disc1に“エレクトリック・ブルース”Disc2は“アコースティック・ブルース”と分けられており、年代・国籍を超えベテランと若手と様々なギター・ウーマンの、それこそ男まさりのブルース&ロック・スピリッツを聴くことができる。

BLUES GUITAR WOMEN RUF RECORDS
直輸入国内盤仕様 BSMF RECORDS


  ◇    ◇    ◇


 監修のスー・フォーリーは1968年カナダ出身。16才でプロとなり、テキサス州オースティンで腕を磨いたバリバリのロッキン・レディ。テレキャスター片手の女スティーヴ・レイ・ヴォーンは、これまでに10枚ものアルバムを出している。テキサス仕込みの堂々たるギター・テクニックを持っている彼女の収録曲は、アルバム『LOVE COMIN' DOWN』よりスパニッシュ調のジャジーなインストゥルメンタル。

 どうしても女性ギタリストとなるとテキサス・ブルースが多い。収録のアーティストもテキサス出身が6人いるのだが、それぞれ持ち味が違うのは云うまでもない。

 アルバート・コリンズのバンドで腕を磨いたデビー・デイヴィスは1952年LA出身。テキサス流の彼女は『Tales From The Austin Motel』でスティーヴ・レイ・ヴォーンのダブル・トラブルのメンバーと共にアルバムを出したり、ジョン・メイオールのトリビュート・アルバム『Key To Love』では、ミック・テイラーやピーター・グリーンと共演もしている。

 70年代からポップスやカントリー畑でも活躍している歌姫マリア・マルダー姐さんと、白人女性スライド・ギタリストの姐御ボニー・レイットとのデュオは渋いっ。

 フレディ・キングの『Goin' Down』をライヴで聴かせてくれるトレイシー・コノヴァー。ロック系のワイルドなギターと絞り出すような歌声が持ち味のジョアンナ・コナー。力強い歌声と驚異的なギター・テクニックを持つキャロリン・ワンダーランド。大ベテランのレディ・ソウル・シンガーでもあり、サウスポーのギタリストでもあるバーバラ・リンのギターも素晴らしい。

 若手では、フィンランド出身のErja Lyytinenというギタリストがなかなかいい。2006年にアメリカでCDデビューをするようだ。
 以前紹介したユーゴスラビア出身のアナ・ポポヴィックも叙情たっぷりの『Navajo Moon』が収録されている。

 モダン・ブルースばかりの紹介になったが、Disc2のトラディショナルもローリー・ブロック、エレン・マクリワイン、英国のジョ・アン・ケリー、メンフィス・ミリー………と聴き応え十分のアーティスト揃い。
 日本ではなかなか馴染みのないブルース・ウーマンを一挙に知るには最適な2CDだ。

   ☆    ☆    ☆

 ほかに、このアルバムに収録されていないブルース・ウーマンでお気に入りを紹介すると……。



スーザン・テデスキ
 ボストン出身のシンガー&ギタリストで、オールマン・ブラザーズ・バンドの若き天才ギタリスト、デレク・トラックスの姐さん女房でもあり、オールマンズのツアーでも頻繁に共演をしている。ライヴではスライ・ストーンなどをレパートリーに、ジャニス・ジョプリンやアレサ・フランクリンのようなゴスペル・タッチのソウルフルなヴォーカルを聴かせてくれる実力派。最新アルバム『Hope and Desire』ではヴォーカリストに徹していて、ローリング・ストーンズの『You Got the Silver』をはじめアレサやレイ・チャールズのカバーなど聴き応え十分。


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ベッキー・バークスデイル
 マイケル・ジャクソンのツアーでリードギタリストの経歴もあるテキサス生まれのベッキーは、同郷のジャニス・ジョプリンばりのシャウト系ヴォーカルとスティーヴ・レイ・ヴォーン・スタイルのギターが魅力。



ケリー・リッチー
 低くハスキーな声で、ジミ・ヘンドリックス風にギターをバリバリ弾くブルース・ウーマン。真骨頂はライヴ。



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「Mr. & Mrs. スミス」



Mr. & Mrs. SMITH
監督:ダグ・リーマン
脚本:サイモン・キンバーグ
出演:ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー

☆☆☆  2005年/アメリカ/118分

    ◇

 ハリウッド製娯楽映画の中でも、スターだけで魅せてくれる映画はそうそうお目にかかれないが、まさにこの作品こそスター映画。
 エンターテインメントに楽しみたいならこの映画。理屈なくスカッとしたい人には最適な娯楽作品。

 この映画を見る前は、殺し屋同士が恋に落ちる『女と男の名誉』(キャスリーン・ターナー&ジャック・ニコルソン)と、夫婦喧嘩の大バトル『ローズ家の戦争』(キャスリーン・ターナー&マイケル・ダグラス)を足したようなストーリーではあまり関心が湧かなかったのだが、主演がアンジェリーナ・ジョリーとなれば話がちがう。
 80年代のキャシー(キャスリーン・ターナー)、90年代にかけてはキム(キム・ベイシンガー)と、タフで美人でセクシーな女優好みのぼくが、現在アンジーに心酔してしまうのも道理。これを見ずにアンジェリーナ・ジョリーが好きと云えるか。って気持ちで、入れ込んで見ましたよ。

 アンジーの、なんとカッコいいことよ。
 銃器が似合う、特にマシンガンがこれだけサマになる女優はそうはいない。敵地のド真ん中に潜入して、狙ったターゲットを仕掛人の如く仕留める姿のセクシーさと、そこから逃げる荒技までのスピーディーな流れ。その美しさにクラクラしてしまう。

 もちろん共演のブラッド・ピットの魅力もあってこそのスター映画であり、ブラピにコメディ担当を任せたのは正解。アンジーの存在を際立たせながら、彼女にたじたじになる様がシャレて見えるのだから、彼のコメディ・センスも悪くない。
 華がなければ成り立たないスター映画の見本のような本作。ストーリーにケチをつけるのは二の次にして、ふたりの華やかさを楽しめばいい。

映画×ロック



 12月21日に発売された『Hotwax vol.4』です。

 第一特集:東映の映画監督中島貞夫の特集part.1
 深作“仁義なきヤクザ”ワールドとは違った“ちんぴら”映画の雄。
 梶芽衣子が“さそり”のイメージから脱却したく、日本版ボニー&クライドを要望し作られた「ジーンズブルース 明日なき無頼派」と、渡瀬恒彦の徹底したダメ男ぶりと杉本美樹の無常感が漂った「鉄砲玉の美学」に思い入れあり。特に「鉄砲玉の美学」は音楽に荒木一郎と頭脳警察を起用し、映画とロックの繋がりが熱くほとばしった作品。

 第二特集:かまやつひろし
 スパイダース時代からソロへ。激しく動いた音楽シーンの中、その交友関係の広さで時代の波に乗りながら足跡を残してきたムッシュのインタビューがあります。

 他に面白い記事として『やさぐれ歌謡 最前線
 “やさぐれ”なんて最近では使わない言葉。辞書によると『投げやりになること』で、もともと不良言葉の隠語で「やさ=家」「ぐれ=はずれる」から家出をする意味とのこと。
 ちょっと昔の歌謡曲にはこの「やさぐれ歌謡」がいっぱいあった。思い出してみると、好きな曲はみんなこの範疇に入っていました。内藤やす子、藤圭子、西田佐知子、北原ミレイ、扇ひろ子……たしかに「悪女」までの中島みゆき嬢も“やさぐれ”ています。

 おマケCDが付いてます。
 来年2月には、Hotwax traxの第4弾として『鉄砲玉の美学~中島貞夫の世界』と題して劇中音楽集が発売されるそうで、おマケCDはそれには未収録の曲が3曲です。

 ◆Hotwax vol.4 発行元:ウルトラ・ヴァイヴ 
         発売元:(株)シンコーミュージック
         定価:1,895円+税

   ☆   ☆   ☆



 もう一冊は『ロック画報 vol.22

 プログラム・ピクチャーにおける音楽と映像の共存を考察。
 特に60年代70年代映画の中には欠かせなかったロックとフォークの楽曲。

 三上寛と長谷川和彦のインタビューが興味深く、三上の話では「新・仁義なき戦い/組長の首」出演の経緯と、誤解を恐れず「暴力は学問」という三上の説が彼らしい発言で面白い。
 ほかにも、日活ロマンポルノを彩ったロックとフォークのあり方や、テレビ映画(「太陽にほえろ!」「必殺!」「傷天」などはTVドラマではなくTV映画なのだ)での音楽の動向など充実の記事が満載。

 フィルム.レヴューに列挙されている映画(若松孝二作品以外)を殆ど観てきたのは、まんざら間違ってはいなかったんだなぁ。

 おまけCDとして、横山剣の秘蔵音源3曲と映画テーマや挿入歌として三上寛「狂った野獣」、あがた森魚「僕は天使ぢゃないよ」、井上尭之「青春の蹉跌」の楽曲が収録されている。

 ◆ロック画報 vol.22  
         発売元:(株)ブルース・インターアクションズ
         定価:1,785円(税込み)

「キング・コング」



KING KONG
監督:ピーター・ジャクソン
脚本:フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン
出演:ナオミ・ワッツ、ジャック・ブラック、エイドリアン・ブロディ
   トーマス・クレッチマン、アンディ・サーキス

☆☆☆★  2005年/アメリカ/188分

    ◇

 アドヴェンチャー映画の古典として金字塔を打ち立てている『キング・コング』。子供の頃は怪獣映画としてテレビで見ていた。テレビ放映は『フランケンシュタイン』や『半魚人』、『狼男』などの怪奇映画や、『SF巨大生物の島』といった特撮映画の扱いで、ジャングル探検やコングと恐竜との死闘シーンにはドキドキしていたものだ。
 しかし特撮映画、怪獣映画、モンスター映画として名を残している『キング・コング』は、放射能を浴びて巨大化した恐竜や狂気の天才博士によって創造された怪物のようなモンスターなどではなく、南海の孤島に野生の獣としてジャングルに棲みついている絶滅種の巨大ゴリラが、未知の世界からきた人間に翻弄される悲劇の物語だ。

 キング・コングフリークのピーター・ジャクソン監督は、そのオリジナル・スピリッツを最高のテクノロジーを駆使して、ただのリメイク映画ではない最高のアドヴェンチャー映画として蘇えらせてくれた。
 それはオープニング、オリジナル通りのアールデコ調でデザインされたタイトルバックからしてニヤリとさせられる。

 そして“美女と野獣のラヴストーリー”を核に、冒険映画としてのエンターテインメント性はド迫力の映像で証明してくれているのだから、これ以上ないくらいの感動と興奮で映画館を出る事になる。
 188分息つく暇もなくヘトヘトになるはず。

   ☆   ☆   ☆

 主役はもちろんコングだけれども、肝心のコングを魅了する美女が大事な映画。そのヒロイン女優アン・ダロウ役のナオミ・ワッツがいい。地味な女優と思っていたけれど、こんなに美人だったのですね。
 NYでのレヴューシーン(歌や踊り)にしろ、ジャングルで逃げまどうにしろ、ナオミ・ワッツの表現豊かな仕種や表情はとても魅力的だ。

 過去のヒロイン女優アン・ダロウ役は、1933年のオリジナル“絶叫の女王”フェイ・レイと1976年の“セクシー”ジェシカ・ラングだが、ナオミ・ワッツはタフなヒロインです。なんてったって、コングの掌のなかであんなに振り回されても悲鳴ひとつあげないのですから………笑(はじめにコングと対面したときにはおもいっきりの悲鳴をあげますが)。
 ツッコミは別にして、映画はヒロインの芯の強さがポイント。売れないヴォードヴィリアンのアンが大恐慌の真っただ中で、スターを夢見ることと同時に人生に絶望をしながらもそれに真剣に立ち向かっている姿のNYシーンから一転、ジャングルでコングに捕らえられてからはコングとコミュニケーションをとろうとする姿に、強い女の美しさを感じる。コングへの包容力はアンの生き方そのものなんだね、きっと。

 以下、軽~くネタバレになるかもしれないのでご注意を




 NYセントラル・パークの凍りついた池でコングとアンが戯れるシーン(スケート?)は、ユーモアがありながら感動するところ。とても印象に残るシーンです。
 そしてラストのコングの眼差しは、守るべきアンへの最後のコミュニケーション。あんなに凄みのあったコングの哀しい表情がたまらなく切ない。

   ☆   ☆   ☆

 SFXやCGが氾濫するハリウッド映画の大作主義には苦々しい思いのぼくでも、冒頭の1930年代のNYの街並を見せられたら参ったと云うほかない。見事に映画の中に引きずり込まれる。
 SFXは髑髏島でのアドヴェンチャーでも威力を発揮。コングの凶暴さがリアルに表現される迫力はなかなかのもので、コングとティラノサウルス3頭とのバトルシーンはとにかく息を呑む。地上だけの闘いでは単調になるところを、見事な落下格闘シーンを取り入れることでスピードと恐怖感が倍増され、一番の見どころとなっている。
 
 たしかに不自然な箇所はいっぱいある。草食恐竜に追っかけられるシーンやら、谷底での銃撃シーンやら……でも、楽しむためにはそれを云ってはお終いでしょ。

 今度は日本語吹き替え版で、再度、画面の隅々までジックリと見直そうと思っている。

寒波襲来



昨晩からの寒波で大雪の朝。



名古屋では58年ぶりの23cmの積雪と、ニュースで報じていた。



水鳥が泳ぐ。
池が凍るほどの気温でもないし、雪国から見ればどうってことのない風景でしょうが………。

祝!ストーンズ2006年ジャパン・ツアー



 先週のはじめに北海道新聞が、ローリング・ストーンズの5度目の来日スケジュールをフライング発表していたのだが、ついにローリング・ストーンズの公式サイトにおいて会員向けの先行予約スケジュールがアップされた。
 これで日程が確定されたことになる。

2006/03/22(水) 東京ドーム
2006/03/24(金) 東京ドーム
2006/03/28(火) 札幌ドーム
2006/03/30(木) 仙台アリーナ(グランデ21)
2006/04/02(日) さいたまスーパーアリーナ
2006/04/05(水) ナゴヤドーム
 
 来週早々には大々的に公式発表となるだろうが、今回は公演地が予想もしない都市ばかりだったため、先週からかなりの波紋を呼んでいた。
 名古屋に住む者としては今回のこのスケジュールは喜ばしいかぎり。ナゴヤドームは東京ドームより音響は悪くないはずだし、収容人数も少ない。
 それにジャパン・ツアーの最終日というのも、何か期待できるものがある。


 ストーンズネタをひとつ。
 知り合いの女性が今年からラス・ベガスのMGMホテルに勤めるようになり、VIPフロアのコンシェルジュをしているのだが、なんと、11月18日のストーンズのラス・ヴェガス公演の時のフロア担当を任されたという。
 うらやましい話だが彼女はまったくストーンズには興味がなく、ミックとキースの名前ぐらいしか知らない人。彼女のメールの書き出しが『担当は白髪の人でした。』とあるのだから、なんとも(笑)。
 担当はチャーリー・ワッツ。物静かで、部屋に入るなりクラシックをかけ、日本茶を注文したそうだ。ロン・ウッドとも話をしたそうだが、結局ミックとキースの部屋には入れても本人たちには会えなかったようだ。
 面白い話として、ミックがオーガニックのノンソルト・ナッツを注文しておいて食べたのはソルトピスタチオだったとか、キースはテーブルクロスにステーキ・ソースで『VIVA LAS VEGAS』と落書きをしたりとか、他では聞けない話を伝えてくれた。
 その彼女も翌日には、ポール・マッカートニーの担当やらで忙しい日々を過ごしているのだが、VIP相手はストレスも溜まるようで、只今移動の申請を出しているそうだ。

レコード・コレクターズ1月号



 久々にレコード・コレクターズ誌をワクワクしながら読んだ。
 姉妹誌(兄弟誌というのかな?)のニュー・ミュージック・マガジン誌(現ミュージック・マガジン誌)共々何十年と購読していても、あまり全部の記事に目を通すことはないのですが(笑)、今月号はたまたま自分の趣味の記事ばかり。隅々まで読ませていただきましたよ。

 ◆第1特集:SUGAR BABE
 山下達郎・大貫妙子が在籍、アルバムはたった1枚しか残さなかったグループです。「伝説の~」などと偉大な足跡を残したグループとして語られるのだが、73~74年当時にはそれほど騒がれたわけでもなく、達郎がインタビューで語っているように当時のSUGAR BABEの評価は低かったと思う。
 正直ぼくもあまり好みではなく、もっぱらクリエイションやウエストロード・ブルース・バンド、優歌団、上田正樹&サウス・トゥ・サウスなどブルース系の音楽ばかりを聴いていた時期。それでも、荒井由実などのバックコーラスで名前だけは見知っていた。
 しかし、現在に日本のポップ・ミュージックの道筋をつけてきたことは確かであり、Jポップファンにも興味深い特集だと思う。

 ◆第2特集:BRITISH BLUES
 大本命はこれ。以前ブルース・ロックの特集があったが、今回は絞り込んで英国のブルース事情。
 中心はやはりブルー・ホライズン・レーベルで、マイク・ヴァーノンが創りだしたこの青いレーベルの中には、白人が演奏するシカゴ・ブルースが刻み込まれていました。
 本文に、マイナー・キーの曲とスクイーズ・ギターのタメで泣かせる英国のギタリストの存在が、ブリティッシュ・ブルースの象徴だと書かれているがその通り。ピーター・グリーン、ミック・テイラー、ポール・コゾフ、スタン・ウェッブ、エリック・クラプトン、キム・シモンズ……彼らが、ブルーズの入り口にいたギタリストでした。

「SAYURI」



Memoirs of a Geisha
原作:アーサー・ゴールデン
監督:ロブ・マーシャル
脚本:ロビン・スウィコード、ダグ・ライト
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:チャン・ツィイー、ミシェル・ヨー、コン・リー、桃井かおり
   工藤夕貴、渡辺謙、役所広司、大後寿々花

☆☆★  2005年/アメリカ/146分

    ◇

 CHICAGOで華麗な映像を見せてくれたロブ・マーシャル監督は、ここでも見事なビジュアル展開で日本の様式美を幻想的に魅せてくれる。なかでも、美の競艶に相応しい女優陣の絢爛たる姿には目を奪われる。

 お目当ては桃井かおり嬢とミシェル・ヨーだった。いやぁ、おふたりとも凄い。桃井かおりの最初の登場シーンでの声の出し方からして違うし、置屋の女将の狡猾さが堂に入っている。そして、アクションが主流だったミシェル・ヨーの貫禄ぶりも群を抜いている。若い頃の倍賞美津子にそっくりなところがあり、三味線を弾く姿も立ち姿も、凛とした静の演技には惚れてしまいます。このふたりのツーショットシーンは見もの。 

 サユリ役のチャン・ツィイーは無垢な美しさ。可愛いです。
 それに対して、サユリを敵視する初桃役のコン・リーのなんと妖艶なこと。常に黒と赤を基調にした着物姿は、逢い引きシーンでの艶やかな赤で情念を滲ませ、黒と白の絣の着物姿で悲哀を滲ませる。すべての念を解き放したかのような仕草に背筋がゾクリとする。

 サユリの置屋仲間“おカボ”を演じる工藤夕貴にも見せ場があるし、少女時代のサユリを演じる大後寿々花は逸材。テレビドラマ『Dr.コトー』に出演をしていたらしいが、どの回のどの役だったのだろう。

 男優にはあまり目がいかなかったが(笑)、これが日本映画であれば、渡辺謙と役所広司のイメージは逆のような気がする。

 日本を舞台に日本人を描いてはいるが、これは純然たるハリウッド映画。それは、アメリカ人の原作を中国人の女優で日本を舞台にして日本人が英語を話すという次元の話ではなく、スクリーンいっぱいに繰り広げられるスペクタクル性とダイナミズムであり、そのため日本の地特有の湿っぽさを感じさせない。日本が舞台なのに日本ではないのは、その空気感の違いだろう。
 ただ、ロブ・マーシャル監督が魅せる映像美とスピーディーなカメラワークで、見る者をワクワクさせることは確かだ。

 踊りのシーンの奇抜さなどは舞台演出家でもある監督らしいと思えるのだが、一瞬『フラッシュダンス』を思わせる踊りには顔をしかめる人もいるだろうな。
 また、初桃姐さんは登場からして売れっ子芸者には見えない。髪の結いかた、着物の柄から着付けまで、これこそ西洋人がイメージするGeisha Girlであり、このあたり芸者と遊女や花魁のイメージをゴチャまぜにしているのだから、この映画、日本の文化をキチンと伝えようとしているわけではない。

 西洋人が見たジャパネスク。その絢爛豪華なファンタジーを楽しむだけでいいのかもしれないが、西洋人が“水揚げ”とか“旦那”といった花街独特の世界を理解できるのかどうか…………

 と言うことで、これはやはり華麗な女優たちの競艶を楽しむだけにしよう。

12.08. strawberry fields forever

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 1980年12月8日……………………2005年12月8日
 25年の月日は長い? 短い?
 Dream is over
 それでも 永遠に 永遠に

 今日は一日 Lennon day
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 All we are saying is give peace a chance

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CHINA ROSE / 金井夕子




 金井夕子という歌手を思い出した。
 70年代のオーディション番組としてお化け番組だった『スター誕生!』出身で、78年6月『パステル・ラヴ』でデビューした実力派アイドルだ。作詞作曲は尾崎亜美。まだオリビアのヒット前で、尾崎亜美もやっと名前が知られるようになったころだった。

 しかし、歌唱力は他の同期のアイドルと比べて断然優れていた金井夕子は、ブレイクしなかった。岩崎宏美と同じくらいの実力をもった女性だったのに、なぜか売れなかった。
 いや、『パステル・ラヴ』やセカンド・シングル『ジャスト・フィーリング』は新人歌手としてはそこそこの売り上げだったらしいが、シングルとしてはそこまで。
 いかんせん、アイドルとしてはルックスが地味だった。事務所やレコード会社としては、実力派として売りたかったのだろう。デビューシングルに台頭し出したニューミュージックの雰囲気を持ってきたことでも分かるのだが、歌唱力があれば地味なルックスでもと読んだのが裏目に出た感じだ。
 同年デビューで同じ北海道出身の中原理恵が、金井夕子と同い年とは思えないプロポーションとファッションセンスでデビューしたのとは対照的だ。それがとても残念だ。

    ◇

 '78年11月に発売されたファーストアルバム『Feeling Lady』での作家陣は、尾崎亜美(6曲)・丸山圭子(2曲)・庄野真代(2曲)の三人。
 透明感あふれるアルトの歌声で、他のアイドル歌手のアルバムとはひと味もふた味も違う独特の世界を作り出している。もちろん、それはニューミュージックの世界観が大きく作用されているのだが。  

 サードシングル『午前0時のヒロイン』まで尾崎亜美を起用し、次に選んだのが筒美京平サウンド。前年『飛んでイスタンブール』や『東京ららばい』『たそがれマイ・ラヴ』とニューミュージック指向の筒美サウンドが流行したのだから、実力派としてのこの選択は正解だったと思う。
 事実、松本隆&筒美京平の『ラストワルツ イン ブルー』は筒美らしいメロディを心地よく聴くことができる秀作。そして、筒美京平サウンドは『オリエンタル・ムーン』『スリランカ慕情』(作詞:阿木燿子)と続いていく。

 セカンドアルバムは'79年の6月の『invitation』。A面が松本隆&筒美京平の楽曲で、B面はユーミンのダンナ松任谷正隆が担当し、演奏も鈴木茂、林立夫、小原礼、斉藤ノブ、村上ポンタ秀一と錚々たる面子。ティンパンアレーファミリーで固めた陣営で作られたこのアルバムは、好きな1枚。なかなかの好アルバムだ。

 そしてサードアルバム『CHINA ROSE』('79年12月)は細野晴臣を起用。前年にブレイクした坂本龍一、高橋ユキヒロらYMOの面々がバックを彩ることになる。異国情緒あふれるオリエンタルさとテクノの融合で、不思議なサウンドが出来上がった快作で評価の高いアルバム。
 このアルバムでは再び尾崎亜美の楽曲も歌われ、また、金井夕子の自作詞も取り上げられている。
 ジャケット写真がどこか太田裕美に似ているところが、何ともいい。

 4thアルバム『ecran』('81年2月)は、大貫妙子や近田春夫、糸井重里らの参加でテクノの方向性がもっと強くなっているが、これが失敗。
 テクノ歌謡なる分野ができたくらいで、このアルバムのなかの『走れウサギ』は越美晴の歌唱で有名になった。

 この時期、尾崎亜美のコンサートにバックコーラスとして参加したりし、すっかり尾崎亜美ファミリーとなった金井夕子は、作詞家としての道を歩みだす。尾崎亜美に影響された豊かな感性で、ペンネーム“青木茗(メイ)”として小泉今日子、岩崎良美、堀ちえみらに詩を提供している。
 '82年には金井由布子と改名してシングルを1枚出すも、その後一時引退。
 アーティストとして十分に成功できた女性と思えたのだが、彼女自身にそれ程の欲がなかったのか、もったいない。
 現在は、2002年に童謡『スクスクのびのび』で歌手復帰をしている。



 昭和歌謡番組に呼ばれることもなく、ベスト盤CD(廃盤)に高値が付く歌手のひとりになってしまったことが残念。
 

MOJO & beatleg



 英国の音楽雑誌『MOJO』誌からLED ZEPPELIN特集号が発刊されました。
 全148ページ。1968年から1980年までの全年代にわたり、世界中のフォトグラファーの作品が網羅されています。結構レアな写真もふくまれています。



 片や『beatleg』誌は、the rolling stonesの2005年ツアー特集パート1。
 南陽一郎氏のコンサートレポートは、8月10日のウォームアップ・ギグから10月21日までの26ステージ。
 これを読みながら、日本公演の発表を待つとしましょう。

師走の風聞

 12月になりました。師走です。
 クリスマスの飾り付けで賑わう街の喧噪をよそに、一年で一番忙しい月。
 今月は映画にも行けないかも……「キングコング」と「SAYURI」ぐらいは行きたいけどね。
 と言いながらも、今晩これから戸田恵子さんの芝居を見に行く余裕……。
 今月の愉しみはこれで終わり。あとは来年、来年。

 ウワサによると、来年3月来日予定のthe rolling stonesが名古屋で公演するかもしれない、と……。
 大阪ドームがコンサートに使用できないし、元気のない大阪、いろいろ問題山積みの大阪よりも、まだまだ元気なNAGOYAへおいで。



 写真は、名古屋の広告業界のクリエイターたちの雑誌『Something』の最新号。
 なぜかthe rolling stonesです。