TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「LA SAISON D'AMOUR」アン・ルイス


LA SAISON D'AMOUR

 1982年8月リリース。結婚・出産による音楽活動休止後の復帰第1弾アルバム。
 プロデューサーに英国人ギタリストのリー・ハートを迎え、演奏もロンドンから彼のグループ〝The ROLL UPS〟らを呼び、全曲のバックを務めている。ジャケットのモノクロ写真は宇崎竜童の撮影によるもの。
 アン・ルイスにとって、ポップ・ロックなアルバムとして大成功した傑作だ。

SIDE A
01. Photograph (作詞/作曲:Lea Hart)
02. Baby Let Me Stay Tonight (作詞/作曲:Lea Hart)
03. さよならスウィートハート (作詞:下田逸郎/作曲:大沢誉志幸)
04. La Saison (作詞:三浦百恵/作曲:沢田研二)
05. Shake Down (作詞/作曲:Larry Guzy)
06. Don't Smile For Me PartⅠ (作詞:下田逸郎/作曲:竹内まりや)

SIDE B
01. Can You Light My Fire (作詞/作曲:Nicky Onidis)
02. All Mixed Up (作詞/作曲:Lea Hart)
03. A ちょっと HOT みだら (作詞:下田逸郎/作曲:桑名正博)
04. つかのまスターダスト 作詞:下田逸郎/作曲:桑名正博)
05. Double Vision (作詞/作曲:Lea Hart)
06. Don't Smile For Me PartⅡ (作詞:下田逸郎/作曲:竹内まりや)


 アンの復帰後初のシングルとして三浦百恵が歌詞を書き、沢田研二が作曲した「La Saison」が1982年6月にリリースされた。

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 髪を金髪に染め、ド派手な衣装でバンドスタイルで歌うアンは、彼女が敬愛するジュリーを彷彿とさせ〝女ジュリー〟になると公言する姿に、歌謡曲ファンのみならずロックファンからも絶賛され、大ヒットを記録。
 この「La Saison」を中心にリリースした本アルバムも、記録的大成功をおさめている。

 アルバム最初の2曲はリー・ハートによるゴキゲンなポップ・チューンで、つづく「さよならスウィートハート」は下田逸郎と大沢誉志幸による日本語ポップ。
 The ROLL UPSによるアルバム・ヴァージョン「La Saison」を挟んで、ブリティッシュ・ロックの重いビートが効いた「Shake Down」はとてもクールだ。

 ダブル・ギターのユニゾンではじまる「Can You Light My Fire」は、Nicky Onidisによる1981年のポップ・ロックを、ブリティッシュ・ロックのテイストにしたアンのヴォーカルが断然カッコ良く、アルバムの中で一番好きな曲だ。
 桑名正博による軽い日本語ロック2曲につづいて、「Double Vision」も80年代ロックの体裁でタイトにキメた仕上がり。
 そして、下田逸郎と竹内まりやのバラード「Don't Smile For Me」が、アルバムのA/B面の最後を静かに締める。

 レコーディングを進めるなかで自分の音楽に対して手応えを感じたアンは、渡辺プロ内のロック&ニューミュージック系アーティスト制作セクションに移り、本格的にロック色の強い音楽で、自己プロデュースして歌うようになってゆくのも自然の流れであったろう。
 この後、Charや西慎嗣、伊藤銀次らのプロデュース、NOBODYや湯川れい子らの楽曲提供を得て、アン・ルイス独自のハード歌謡ロックを確立、女性ロッカーの地位を不動のものとするのだ。


[ANN LEWIS]
★Think! Pink!★
★PINK PUSSYCAT★
★LA SAISON D'AMOUR★
★HEAVY MOON★
★ I LOVE YOUより愛してる★

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「I LOVE YOUより愛してる」アン・ルイス


I LOVE YOUより愛してる

 1983年12月にリリース。
 アン・ルイス初のロンドン録音アルバムとして、元スペクトラムのギタリスト西慎嗣を全面プロデュース&ギターに迎え、のちにChar&PSYCHEDELIXや矢沢永吉、今井美樹などのサポート・ドラマーとして日本でも活躍するジム・コウプリーら、ロンドンの凄腕ミュージシャンを多数起用して製作された。
 「女・Tonite」「Time Sometimes」の2曲では、元Thin Lizzyのスコット・ゴーハムと元Free/Bad Companyのサイモン・カークが参加しているのも注目。

SIDE A
01. 女・Tonite (作詞:Annie + Shirley + Sumio/作曲:NOBODY)
02. Driftin' in the Morning (作詞:John Jay + Manffred Koehler Grund/作曲:Hans Bonneval)
03. Imagination (作詞/作曲:Char)
04. Close To You (作詞/作曲:Steve Colyer + David Martin)
05. 少しだけ・Remember (作詞:Annie/作曲:Shinji Nishi)

SIDE B
01. Genki Juice (作詞:Annie + Shinji + Kado/作曲:Shinji Nishi)
02. Surrender (作詞/作曲:Steve Colye)
03. Time Sometimes (作詞/作曲:Char)
04. You And I (作詞:Annie/作曲:Annie + Shinji Nishi)
05. I LOVE YOUより愛してる (作詞:Momoe Miura/作曲:NOBODY)

 アルバムのトップはNOBODY作曲の「女・Tonite」。歌謡ロックを極めるアン・ルイスに相応しいUKロック・テイストの曲で、スコット・ゴーハムのソロも豪快に、疾走感あふれるNOBODYの傑作だ。
 1983年にリリースした、22枚目のシングル「LUV-YA」(前作『HEAVY MOON』に収録)からアン・ルイスへの曲提供がはじまったNOBODYは、アルバムタイトル曲で先行シングルとしてリリースされた「 I LOVE YOUより愛してる」でも、見事にポッップセンスに富んだ歌謡ロックを展開してくれる。
 「ラ・セゾン」につづいて作詞提供した三浦百恵の詞も、阿木燿子を彷彿とさせるような女と男のシーンを、クールでセクシーな世界に描いている。
 NOBODYはこの後、「六本木心中」「あゝ無情」とヒット曲を連発することとなる。

 「女・Tonite」から間髪入れずにビートが炸裂する「Driftin' in the Morning」。
 アダルトな「 Imagination」は、いかにもCharらしいメロディのギター・サウンドで、西慎嗣のギター・ソロが光っている。
 ドライヴ感あふれるロックンロール「Genki Juice」も、カッコいい「Surrender」も、バラード「Close To You」や「You And I」も、どれも聴き逃せない傑作と言っていいだろう。


[ANN LEWIS]
★Think! Pink!★
★PINK PUSSYCAT★
★HEAVY MOON★


「HEAVY MOON」アン・ルイス


HEAVY MOON

 プロデューサーにCharを迎え1983年3月にリリースした『HEAVY MOON』は、Char自身がギター、ピアノ、ドラム、ベース、アレンジで参加し、バック演奏も5曲でPINK CLOUD(Johnny, Louis & Char)が担当。
 アン・ルイスのロック・アルバムとして誉れ高き傑作。

SIDE A
01. Cinderella (作詞:Ann Lewis/作曲:Char)演奏:PINK CLOUD
02. Glass cup upside-down (作詞:Ann Lewis/作曲:Char)演奏:PINK CLOUD
03. Dot in my heart (作詞:Ann Lewis/作曲:桑名晴子)
04. Sick in Bed (作詞:Ann Lewis/作曲:Char)演奏:PINK CLOUD
05. IN PUT←→OUT PUT (作詞:Ann Lewis/作曲:Char)
06. LUV-YA (作詞:吉田美奈子/作曲:NOBODY)

SIDE B
01. Feeling Blue (作詞/作曲:Char)演奏:PINK CLOUD
02. Psychedelic TOFU (作詞/作曲:Char)
03. I HAVE A SECRET (作詞:Ann Lewis/作曲:Char)演奏:PINK CLOUD
04. Navy Blue (作詞:天野滋/作曲:Char)
05. LULLER (作詞/作曲:Char)
06. HEAVY MOON (作詞/作曲:Char、Eiichi Miyanaga、Dave Ito)

 セッションのようなラフでシンプルなハード・ロック・サウンドは、まるでPINK CLOUDのアルバムにアンが参加したといった雰囲気。アン・ルイスの天性のリズム感とノビのあるヴォーカルがCharのギター・サウンドによくマッチし、ロック・シンガーとして見事に飛躍しているのがわかる。
 
 シャッフル・リズムが軽快な「Cinderella」…Charのヴォーカルと絡むセクシー・ヴォイスの「Glass cup upside-down」…桑名晴子作曲のバラード「Dot in my heart」ではCharの泣きのギターが響き、ワイルド・ヴァージョンの「LUV-YA」はなんとカッコいいこと!

 Charのデビュー・シングル「Navy Blue」はアンの持ち歌の如く完璧なヴォーカルで聴かせ、「LULLER」はCharの完全アコースティックなインストゥルメンタルで場をさらい、ラストはヘビー・ロック「HEAVY MOON」で締め繰られる。

 完全無欠なロック・ヴォーカリストの才は目覚めていた。

[ANN LEWIS]
★Think! Pink!★
★PINK PUSSYCAT★

「PINK PUSSYCAT」アン・ルイス


PINK PUSSYCAT

 『Think! Pink!』につづいて新生アン・ルイスが1979年8月にリリースした『ピンク・キャット~PINK PUSSYCAT』は、当時、まだ一般には名前が知られていなかった(「RIDE ON TIME」の大ヒット前)山下達郎をプロデュースに起用したことでも有名で、裏面ジャケット・タイトルの中国語「粉紅色的小猫」下に大きく英字表記がなされている。

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 山下達郎の音楽ブレーンとなる吉田美奈子、坂本龍一、細野晴臣、高橋幸宏、上原裕らをはじめ、松原正樹、椎名和夫、佐藤準、斉藤ノブ、桑名正博&TEAR DROPSといった豪華ミュージシャンが参加したことでも誉れ高く、アン・ルイスがアーティストとしてゆく道を定めた感もある名盤である。

SIDE A
01. Dream Boat Annie (作詞/作曲:Ann & Nancy Wilson)
02. LOVE MAGIC (作詞/作曲:吉田美奈子)
03. Just Another Night (Diane Warren)
04. ウォッカ or ラム (作詞:下田逸朗/作曲:桑名正博)
05. 太陽神~恋の女神~ (作詞:吉田美奈子/作曲:椎名和夫)

SIDE B
01. Alone in the Dark (作詞/作曲:吉田美奈子)
02. バスルーム (作詞/作曲:大野方栄)
03. シャンプー (作詞:康珍化/作曲:山下達郎)
04. Lost in Hollywood (作詞/作曲:L.Guzy, M.Boeddeker, P.Minardy)
05. アイム・ア・ロンリー・レディ (作詞:竜真知子/作曲:加瀬邦彦)
06. Dream Boat Annie[Reprise] (作詞/作曲:Ann & Nancy Wilson)

 オープニングはアン&ナンシー姉妹を中心にしたロックバンドHEARTのバラードをカヴァー。
 一転してグルーヴィーなディスコ・ファンク「LOVE MAGIC」がゴキゲンで、ソウルフルな「Alone in the Dark」とともに、吉田美奈子と達郎のアレンジの妙を楽しめる楽曲となっている。

 のちに達郎がセルフ・カバーする名曲「シャンプー」と「Just Another Night」は秀逸なバラード。
 下田逸朗の感性と桑名正博が醸し出すブルージーな「ウォッカ or ラム」は、TEAR DROPSが演奏する大のお気に入り曲。
 「Lost in Hollywood」も、ブルース・ロック風のギター・サウンドが素晴らしいナンバーだ。

 「アイム・ア・ロンリー・レディ」は、先のヒット・シングル「女はそれを我慢できない」「女にスジは通らない」につづく第3弾シングル曲で、歌謡ロックとして傑作ナンバーなのだが、このアルバムの中では浮いた感じなのが残念。

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 アルバム初回盤は、PINKのクリア・カラー・ビニールだった……

[ANN LEWIS]
★Think! Pink!★
★HEAVY MOON★

「Think! Pink!」アン・ルイス


Think! Pink!

 本作は、1978年9月にリリースされたアン・ルイスの7枚目のオリジナル・アルバム。

 1971年『白い週末』でデビューしたアン・ルイスは、1974年6枚目のシングル『グッド・バイ・マイ・ラブ』のヒットで一躍アイドル歌手の仲間入りをしたのだが、いつまでも可愛い子ちゃんの清純歌謡路線では居心地が悪かったのであろう、1977年の『甘い予感』(作詞・作曲松任谷由実)レコーディング時のユーミンらの姿を見て自分自身をプロデュースすることに憧れ、「自分の好きな音楽を演りたい」と思うようになったようだ。

 1978年5月、まずは路線変更第1弾シングルとして、アンが大ファンのジュリーのサポーター加瀬邦彦が作詞作曲した「女はそれを我慢できない」をリリース。これが大ヒットし、つづく第2弾「女にスジは通らない」も何の抵抗もなく大衆に受け入れられた。

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 そして9月、〝アン・ルイス withアニーズ・バンド〟としてシングル2曲を含んだアルバム『Think! Pink!』をリリース。
 アルバムのプロデュースは加瀬邦彦で、アレンジには加瀬のほか佐藤準や後藤次利らがサポートしている。
 オープニングはディスコ風にはじまり、ロック歌謡のほかオールド・タイム・ジャズからバラッド、湘南サウンド風ありのゴキゲンなアルバム。ただし、アーティストとして、ロック・シンガーとして、80年代を代表する「ラ・セゾン」「六本木心中」「あゝ無情」など歌謡曲にロックを内包したアン・ルイス独特の歌謡ロックの名曲誕生には、もう少し先の話となる。

SIDE A
01. シンクピンク![instrumental] (作曲:佐藤準)
02. 女はそれを我慢できない (作詞/作曲:加瀬邦彦)
03. 女の顔にスリルが走る (作詞:小林和子/作曲:加瀬邦彦)
04. もう少し (作詞/作曲:岡本一生)
05. 約束 (作詞:竜真知子/作曲:林哲司)
06. チープなうわさ (作詞:Anny Lewis/作曲:加瀬邦彦)

SIDE B
01. “ごめんね”と云わせて (作詞:小林和子/作曲:加瀬邦彦)
02. 湘南の男たち (作詞:喜多条忠/作曲:加瀬邦彦)
03. プリーズ・テル・ミー (作詞:Tommy Snyder/作曲:後藤次利)
04. 光る渚 (作詞/作曲:岡本一生)
05. 女にスジは通らない (作詞:伊藤アキラ/作曲:加瀬邦彦)
06. シンクピンク![instrumental] (作曲:佐藤準)

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 シングル“女”シリーズをコンセプトにしたアルバムのジャケット・デザインは、特に、裏面はもろストーンズの『女たち(Some Girls)』(’78)のパクリ………まぁ、これもご愛嬌。

[ANN LEWIS]
★PINK PUSSYCAT★
★HEAVY MOON★