TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

[再録]伝説のグランド・ファンク怒濤の後楽園球場



 1971年7月17日。
 グランド・ファンク・レイルロード(以下GFR)の日本公演が後楽園球場の特設ステージで催された。今のように 簡単に外国に行ける時代ではなく、ましてや海外ロック・アーティストが来日するなんて夢のような時代の頃である。
 1970年の暮れに東京日劇で行われたロックカーニバ ルの第1弾ジョン・メイオール来日公演に続いて、2度目のロックコンサート。チケットを入手しないまま、小学校からの友人Wとともに後楽園球場に来ていた。
 後楽園球場に着いたときには既に、当日券は売り切れていた。オープニング・アクトとして逆来日した麻生レミの歌声が聴こえていた。
 会場に入れないまま、とにかく噂の大音響バンドの生の音を、会場の外からでもいいから聴きたいと、その場を離れずにいた。
 そしてその後、このコンサートが後々ロックファンの間で“伝説”として語り継がれるのを目の当たりにするのだった。

 前座としてカナダのバンドMashmalhanの演奏も終わり、インターバル後にはいよいよGFRのお出ましという時、それまで晴れていた空の雲行きが怪しくなってきた。
 ポツポツと降り出した雨は、突風と稲妻を引き連れ、遂には雹(ヒョウ)を混じえた土砂降りの雨となり、近くに停まっている車のボンネットに音をたてて叩き付ける。
 さすがのハードロックバンドであるGFRも、演奏開始時間を大幅に遅らせざるえなかった。豪雨の中で待たされる観客には興奮するに十分な効果となり、自分を含め球場の外にいるチケットを持たない約2000人のファンの興奮もいやがうえにも盛り上がっていた。

 後楽園球場に何やら不穏な空気が充満していたことは確かだった。
 そして、三塁側ゲート近くにいた自分たちのそばで、いきなりシャッターが壊され、会場になだれ込むファンで騒然となる出来事が起った。そのまま、なだれ込むファンの中に自分がいたというのが、この“伝説”の実体験だ。後々知ったことでは、会場の中からゲート破りを誘導した数人のファンの中に、小・中学校の同級生Sがいたという。

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 真夏の夜の狂乱は、翌日の新聞の『ファンが暴徒化して会場に乱入。機動隊出動で乱闘騒ぎ』のタイトルで締めくくられたが、まさに若気の至りである。
 日本に定着する本格的な外タレ・ロックコンサートはこの伝説から始まり、いよいよ2ヶ月後にレッド・ツェッペリン初来日となる。
 今度はきちんとチケットを買ったのは云うまでもない。

 さてGFRのステージは、午後9時過ぎに糸井五郎のアナウンスではじまった。
 イントロダクションの「ツァラトゥストラはかく語りき」が場内に響き渡り、ずぶ濡れの30,000人以上の観客の歓声と怒号の中、「Are You Ready」でコンサートはスタートした。セットリストはその後「Paranoid」「Heartbreaker」とつづき、アンコールが「Inside Looking Out」。全7曲、1時間ちょっとの短い演奏だったが、とてつもなく熱いコンサートとなり記憶にいつまでも残るものとなった。

July 17,1971 Grand Funk Railroad at Korakuen Stadium Set List
1. Are You Ready
2. Paranoid
3. In Need
4. Heartbreaker
5. Mark Say's Alright
6. T.N.U.C.
encore:
  Inside Looking Out


 こんな噂もある。感電を恐れたGFRの3人は、テープ録音の曲に合わせての口パクだったというものだ。今のように大スクリーンがあるわけではなく、ましてやグランドに観客席はなく、二塁ベース付近にセットされたステージを内野席の遠くから観ているだけのコンサート。噂は真しやかだ。
 2010年、YouTubeにこの伝説のライヴの音源が、カセットでの隠し録りながら充分に聴くに値する音質でアップされた。1曲のみだが「Heartbreaker」での観客の大合唱が生々しく録音されている。
 これを聴けば、GFRが実際に演奏していたことは明白となろう。

★GRAND FUNK RAILROAD 〝HEARTBREAKER〟
 KORAKUEN STADIUM,TOKYO, JULY 17,1971




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[覚書]憂歌兄弟、無料ライヴ


ナゴヤ「第9回栄ミナミ音楽祭’15」2日目(5月10日)
今年は 昼から矢場公園のメインステージの前席に陣取り 地元SKE48を今年3月に卒業した〝佐藤実絵子〟のステージから一日を過ごすことに
どぶろっくバンド(ver)につづいて登場の〝高木麻早〟は元気だ
懐かしい曲のあとは〝奥華子
東京大衆歌謡楽団〟は昭和生まれ平成育ちの3兄弟が奏でる古き良き昭和の名曲群
バンバンバザール〟はステージMCも愉快な和製ジャグ&スウィング・バンド
マイブームになりそなグッド・ミュージック

そして いよいよ〝憂歌兄弟
1998年に無期限活動休止宣言をした憂歌団が 
2012年にドラム担当だった島田和夫の自死を乗り越え
2013年突如として活動再開の憂歌兄弟
久々にステージで見るヴォーカル木村充揮とギター内田勘太郎 
ドラムはサポートとして元RCサクセションの新井田耕造

ユー・ビロング・トゥ・ミー
サマータイム・ブルース
(勘太郎ソロ・アルバムver)
俺の村では俺も人気者
おそうじオバチャン
胸が痛い
嫌んなった


これぞという憂歌 ふたたび
木村充揮のステージトークは客のヤジとのコール&レスポンス
相変わらず なんも変わっていなくて嬉しかった

ステージ最後は〝もんたよしのり〟が締めてくれた

伝説の「歌う銀幕スター・夢の狂宴」1975.JAN.19

1975_歌銀幕スターPoster

 1975年1月19日、『仁義なき戦い』全5作が完結した菅原文太と深作欣二監督、『東京ながれ者』の鈴木清順監督と渡哲也コンビ、原田芳雄、桃井かおり、中川梨絵は『竜馬暗殺』などなど………こうした時代の寵児たちが一堂に会した、一夜限りのお祭り[歌う銀幕スター 夢の狂宴]が新宿厚生年金会館大ホールにて開催された。
 元TBSアナウンサーの林美雄を筆頭に、当時20代の高田純、植草信和氏ら映画ファンたちが企画したものだ。

 出演し歌を披露したのは以下のとおり(出演順)……

01.菅原文太 『吹き溜まりの唄』
02.中川梨絵 『雪が降る』
03.原田芳雄 『プカプカ』 『早春賦』
04.佐藤蛾次郎『モズが枯れ木で』
05.原田芳雄 『黒の舟歌』
06.桃井かおり『六本木心中』
07.宍戸 錠 『黒い霧の町』 『ジョーの子守唄』
08.石川セリ 『八月の濡れた砂』
09.高橋 明 『なかなかづくし』
10.あがた森魚『昭和柔侠伝の唄』
11.藤 竜也 『ネリカンブルース』 『任侠花一輪』
12.菅原文太 『命半分ある限り』
13.鈴木清順 『麦と兵隊』
14.深作欣二 『赤とんぼ』
15.渡 哲也 『東京流れ者』 『望郷子守唄』 『くちなしの花』

◆企画・司会:林美雄
◆演出:長谷川和彦
◆構成:高田純
◆音楽:高見弘
◆演奏:小野満&スイング・ビーバーズ
◆ポスター:シマダソウジ(イラストレーター時代の島田荘司)


出演者は他に緑魔子、宮下順子の名前もあるが、あがた森魚の『昭和柔侠伝の唄』はレコードでデュエットしている緑魔子ではなく、どういうわけか桃井かおりが担当……

神代辰巳『一条さゆり 濡れた欲情』の中で歌われた高橋明の『なかなかづくし』では、坂本長利が太鼓を叩き、お囃子は沢田情児……踊りで参加は、芹明香、丘奈保美、ひろみ麻耶、山科ゆりらロマンポルノ勢だ

宍戸錠に紹介され登場したのは、日活解雇事件後久々に公衆の前に現れた鈴木清順
菅原文太に紹介された深作欣二は「萩原健一のアホウ」と愚痴をこぼし
前年に入院した渡哲也も体調が回復し、トリで出演しお祭りを楽しんでいる

伝説となったこのイベントは、テレビやラジオで放送されることがなかったのだが、一度だけ、記録用のVTRからの音源がダイジェストでラジオ放送されていた。
この録音がYouTubeで聴けるなんて、いまの世の中いいよねぇ。(あがた森魚と桃井かおりの『昭和柔侠伝の唄』も検索をかければ聴くことができる)



桃井かおり「六本木心中」

ROCK'N ROLL BaKa 1979

 1979年12月20日、内田裕也がプロデュースし日本武道館に集まったROCK BaKaたち。
 人気絶頂期の沢田研二、『戦国自衛隊』のテーマ曲を引っ提げたジョー山中、『その後の仁義なき戦い』公開後の根津甚八、全米デビューし終えたピンクレディー、デビューしたばかりのBORO、メジャーデビュー前のハウンド・ドッグ……新人賞総ナメの松原のぶえ、そして、貫禄の勝新太郎らの登場。
 幼い松原のぶえが意外にハマっているのも可笑しく、楽屋には安岡力也や藤田敏八らの顔も見える。




第3回 ROCK'N ROLL BaKa
1979年12月20日本武道館
00:00 オープニング
02:00 内田裕也/ホウル・ロッタ・シェイキン・ゴーイン・オン 
03:50 ミスタースリムカンパニー/R&R ミュージカル
05:48 内田裕也&沢田研二/サティスファクション
12:00 内田裕也&沢田研二/きめてやる今夜
16:25  内田裕也w Golden Balls/ブリング・イッツ・オン・ホーム
17:55 松原のぶえ/裕也一人旅
20:00 ジョー山中/ララバイ・オブ・ユー
26:20 内田裕也&ピンクレディー/Brown Sugar〜Johnny Be Good
30:42 BORO/大阪で生まれた女
34:45 根津甚八/キネマ横丁
40:00 ハウンドドッグ/だから大好きロックンロール
42:10 勝新太郎&内田裕也/トラブル
48:27 勝新太郎/マイ・ウェイ
54:17 ピンクレディー/Boogie Wonderland〜Hot Stuff〜Go West
58:48 沢田研二/ブラウン・シュガー
64:25 内田裕也/パンク・パンク・パンク
66:13 内田裕也/ONE NIGHT ララバイ
67:27 内田裕也/いま、ボブ・ディランは何を考えているか
72:10 フィナーレ〜ローリング・オン・ザ・ロード  

舞台「死と乙女」



原作:アリエル・ドーフマン
翻訳:水谷八也
演出:木村光一
出演:風間杜夫、余貴美子、立川三貴
公演:2003年9月18日~28日 紀伊國屋サザンシアター

    ◇

 過酷で長い軍事政権の圧政から、やっと民主主義体制に移行したばかりのある小さな国。

 ポリーナ(余貴美子)は、かつては恋人であり現在は夫でもあるジェラルド(風間杜夫)とともに、軍事政権によって理不尽にも次々に虐殺される人々を守ったり、亡命者を手助けする危険な反政府運動に力を尽くしていたのだが、ある日の午後、秘密警察に拉致され監禁されたうえ、残虐な拷問を受けさらにはレイプまでされた。
 いまだに身体的にも精神的にも、その大きな傷はまったく癒されていない。

 夫のジェラルドは、いまや新体制下の大統領直属の人権調査委員会のメンバーに選ばれた。軍事政権時代に行われた殺戮や人権侵害を調査し、この国の新しい未来への道を探そうという使命感に燃える弁護士である。

 ジェラルドが大統領から正式に調査委員会に任命された日の夜、ポリーナの待つ海辺の別荘に帰る途中、彼の運転する車がパンクし立ち往生してしまう。そこへ偶然通りかかったの医師ロベルト(立川三貴)の車。ロベルトはジェラルドを親切にも別荘まで送ってくれる。ジェラルドは、夜も更けていりこともあるのでロベルトに泊まってもらうことにした。

 寝室からロベルトの声を聞いたポリーナは、彼こそシューベルトの甘美な弦楽四重奏曲『死と乙女』をかけながら自分をレイプした男だと確信する。
 深夜、彼女はピストルを持ち、寝入ったロベルトを襲い、彼を椅子に縛りつけた。やがて朝がきた。その光景を見たジェラルドは愕然とする……。

    ◇

 「あぁ、わたしはあの美しいシューベルトを、透明な風の囁きのようにはもう聞けない」
 「さ、殺せ、純白なわたしを! 狂気の女に暴力的に扱われるのはもうたくさんだ」
 「あまり深く真実を知ろうとすると、人は死ななけりゃならなくなるぞ」

 全てに対して圧倒される舞台であった。原作者のアリエル・ドーフマン自身が経験した現実に起こった事柄といえ、その国の歴史や文化を何も知らない我々には、どこまで理解できるのか判断ができないほど、苦しくて重たいテーマだ。

 忘れられない人間と、忘れてしまいたい人間と、忘れさせたい人間がぶつかり合う。
 この三者は、どうやって癒されていくのか。
 傷ついた者同志が理解することの難しさ。しかし、理解しなくてはならない寛容さが人間には必要だということ。最後の観客の拍手が鳴り止んだあとも、三人の心の傷痕は癒されないほど深い………。


ここからは閉鎖中の余貴美子非公式応援サイト「Y's Passion」に綴った作品レヴューのため、余貴美子さんにスポットを当てた文章になっています。

     ◇              ◇


【第一幕第一場】
 板付きで登場の余貴美子さんは、淡いベージュのカーディガンに濃茶色のワンピース姿。
 ポリーナの不安定な感情が、余さんの細かな仕草と表情によって観客の前に投げ出される。
 帰宅したジェラルドとの会話で次第にヒステリックになっていく様子は、今まで映画やドラマで見なれてきた穏やかな余さんとは違う姿と化し、風間杜夫さんの腕の中で落ち着きを取り戻していく余さんは、とても繊細で壊れやすく愛おしく思える存在に映った。
 そして、このほんの短い間の繊細な心の動きが、この後に表出する狂気への予兆として観客に示される。

【第二場と第三場】
 突然の来訪者ロベルトを束縛するまでは、余さんの芝居は無言で続く。
 大きくスリットの入ったナイトウェア姿の余さんの大胆な動きは、静寂の世界を官能的なサスペンスに仕立てている。映画版「死と処女」のシガーニー・ウィーバーの同じように、ナイトウェアの下のパンティを脱ぐところは、断然シガーニーよりもセクシーである。ましてやそれを立川三貴さんの口に押し込むところまでするとは思わなかった。
 狂暴さがセクシーに見えるのも、余さんの素晴らしい表現力だ。

【第四場・夜明け前】
 余さんの衣裳は、赤のシルクっぽいシャツにエンジ色のTシャツ。スカートは巻き状のもので、ウラ地が着物のような感じでお洒落なスタイル。
 余さんが銃を片手にシューベルトの『死と乙女』のテープを流して聞くシーンは、徐々に悪夢を思い出していく様として、哀しく、そして切なさが感じられる瞬間だ。

 第五場になるとポリーナの狂暴性はもっと増し、低い男の声色を真似て汚い言葉を吐く姿と、過去を回想する分裂症的な姿が目の前に現れる。
 まさか余さんの口からこんな汚い言葉を聞くとは思わなかったが、不快感を感じなかったのはこの芝居全体を包む空気の中での、余さんの品性がバランスを崩さなかったからだと思う。

 テラスでのポリーナとジェラルドの対立は、余さんも風間さんも汗みどろで白熱さを増す。
 余さんの汗と涙が目の前でキラキラと光り、観客が映画やドラマでは体感できない、一種神々しく崇高な姿を見ることができた。
 冷静な風間さんが、立川さん相手に自分の胸の内をぶちまけたあとの「誰が彼女の話に耳を傾けてやれるんだ?」という台詞は、この芝居の中の罪と罰を計る重要なポイントで、風間さんの誠実な役どころからくる優しい言葉となり響いてくる。

 余さんの台詞の量は半端ではない。それ以上に、感情豊かな余さんの姿にはファンとして痺れる。間近で見る余さんの表情は、怯えた顔から真実に立ち向かう凛々しい顔になり、そして、狂気を帯びた顔へと変貌する。目の前に居るのは女優ではなく、過去に苦しむポリーナ自身が立っているかのような姿。
 コテージでのラスト、ロベルトに銃を突き付けながら悲痛な叫びをあげるポリーナの言葉は、社会の中で犠牲になる弱者の抑え続けられてきた感情が手に取るように感じられた。

 舞台に艶やかな女優がいるわけではない。台詞から人の人生を辿り、傷ついて怯えた生身の人間の声が発せられたときに、観客は感動を味わうことができるのだ。

 終幕、会場が鏡張りになりコンサートホールとなる舞台装置のなか、客席の後ろから下りてくる黒のドレスに身を包んだドレッシーなポリーナ、余貴美子。別の席からは、彼女をじっと見つめるロベルト。ふたりの視線が絡み合った先には、いったい何が見えていたのだろうか……。

     ◇              ◇

 6列目の真ん中15番の席、張り出し舞台になっていたため2メートルほどの距離で、汗と涙、目元のシワや素足についた赤いアザ(暗転の時や稽古の時についたものだろう)など“生”の余貴美子さんをしっかり目に焼き付けた舞台だった。すべてにセクシーで、力強い余さんは素敵だ。

 ぼくにとっての余貴美子さんの魅力のひとつは、声。
 時には如何わしく淫行に、時には哀れで痛々しく。ヒステリックに叫ぶだけではなく、猛々しく自己を主張する声。ぼくはこれからも余さんの声に惹かれ、魅了され続けていくのだろう。


宇崎竜童、ブルーズ・ライヴ! 

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 名古屋・京都・大阪のライヴハウスを廻る“TAKE THE BLUES TRAIN”。
 初日の名古屋TOKUZOへ行ってきた。

 6時オープンなので20分くらい前に並んだ。SOLD OUTだったのだが、当時券を求めて並んでいた人もちらほらいた。満席の店内は熱気にあふれた。

 7時15分、竜童さん登場。初めての場所(ライヴハウス)で客層を気にしていた感じ。20~30代は少なかったと思う。40~50代がほとんどでしょ。
 「このお店は10時までしか音出せないようだから、9時40分まで演るよ」
 大歓声が上がり、初っぱな「ブルースで死にな」から始まった。
 バックを務めるのは、関西のブルースマン野本有流(のもと ある)率いる“御堂筋ブルース・バンド”で、ギターがシビレるくらいイイ音。

 1stステージは「横浜ホンキートンク・ブルース」まで7曲。その「横浜ホンキートンク・ブルース」の“♪たとえば~なんて聞きたい夜は”の部分は“T ヴォーン・ウォーカー”ヴァージョンだった。

 今回ゲストで同行した大西ユカリが登場して、いったん竜童さんはお休み。
 大西ユカリ、ソロ第2弾『やたら綺麗な満月』が5月26日にリリースされるためのプロモーション活動だと云いながらも、お得意のオモシロMCを含んだ堂々たるステージだった。
 ルース・ブラウンのソウル・ミュージックはユカリ姐さんの真骨頂。するどい唸りにキューンときまっせ。3曲目にはなんと、竜童さんの名曲「身も心も」をピアノだけで熱唱。素晴らしい歌声だった。
 『やたら綺麗な満月』は、全曲竜童さんのプロデュース/作曲で、作詞も阿木燿子、竜童&ユカリの“平成リズム歌謡”のようだ。直接、竜童さんに曲を書いてくれって頼んだそうで、その話も面白くMCに入れ込んでた。久々の竜童歌謡曲を大西ユカリで聴けるのが楽しみである。

 ユカリ姐さんにつづいてステージは、野本有流with“御堂筋ブルース・バンド”の演奏。さすが関西のお人だけに、MCは客へのツッコミもあり半端なくおもしろい。
 野本有流は、“アンタッチャブル”という名のバンドで70年代にダウンタウン・ブギウギ・バンドの前座を演っていたそうで、その辺りの話からプロデビュー、あと諸々の話をよどみなくトーク。一度も聞いたことない曲だったけど、伊達に30年以上プロ活動してるんじゃないところを聴かせてくれる。
 そして「点滴も終わった」とジョークで紹介されて、竜童さんが再度登場。

 2ndステージは「石榴 (ざくろ)」から始まった。いやぁ、これには驚いた。2008年のアルバム『ブルースで死にな』でリメイクしたとはいえ、生で聴くことができるなんて、最高じゃん!
 このあと、ダウンタウン時代の米軍キャンプ巡りのエピソードを15分くらいトークしながら「ベース・キャンプ・ブルース」「沖縄ベイ・ブルース」を演奏。
 観客とのコールアンドレスポンスは「おまえの為のブルース・シンガー」。
 「スモーキン・ブギ」「ロックンロール・ウィドウ」で店内のヴォルテージは最高潮。
 9時28分、アンコールは竜童さんの生ギター1本の「知らず知らずのうちに」。
 そして最後は、ユカリ姐さんもステージに上がって「生きているうちが花なんだぜ」(映画『ニワトリはハダシだ』のエンディング曲)。

 「泣いているかい? 笑っているかい? 怒っているかい?……バカしてるかい?………生きているうちが花なんだぜ、花なんだぜぃ!」

 いろいろある辛い時代。クヨクヨすんなよ、真っすぐ自分の道を歩いて行けよ、って、みんなを後押ししてくれるメッセージ・ソングだ。
 観客を含め全員で歌って、9時40分ちょうどにブルーズ・ステージは終演した。

    ◇
 
宇崎竜童 “TAKE THE BLUES TRAIN”
at TOKUZO, Nagoya Imaike. April.8.2010

《SET LIST》
1st
01. ブルースで死にな
02. レイジー・レディー・ブルース
03. アンタがいない
04. うらぶれた部屋で
05. ダウンタウンならず者懺悔
06. 待ち呆けのブルース
07. 横浜ホンキートンク・ブルース

guest 大西ユカリ
01. Mana He Treats Your Daughter Mean
02. unknown R&B
03. 身も心も

御堂筋ブルース・バンド
01. 憂国のブルース
02. 酒飲んでブギ
03. 南海ファンやもん

2nd
01. 石榴 (ざくろ)
02. ベース・キャンプ・ブルース
03. 沖縄ベイ・ブルース
04. おまえの為のブルース・シンガー
05. スモーキン・ブギ
06. ロックンロール・ウィドウ
encore
07. 知らず知らずのうちに
08. 生きているうちが花なんだぜ

    ◇

 ここは明け方5時まで営業している店。楽器が片付けられていく様を見ながら、一緒に行った友人と何人かの客を残してがらんとした店内。30分くらい経って、竜童さんとユカリ姐さんが帰り仕度を終え楽屋から出てきたので、残ったお客と共にサインを頂いた。

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 こんなこともあろうかとおふたりのCDを持参していたし、ゴールドのサインペンも用意していってよかった♪


フラワー・トラヴェリン・バンド“JAPAN TOUR 2009” 名古屋



FLOWER TRAVELLIN' BAND“JAPAN TOUR 2009”
at BOTTOM LINE, NAGOYA. Aug.25.2009

《SET LIST》
01. All The Days
02. What Will You Say
03. We Are Here
04. カミカゼ Kamikaze
05. Heaven and Hell
06. ウーマン(失われた日々の影) Shadows Of Lost Days
07. ダイジョーブ dYE-jobe
08. Will It
09. Love Is...
10. サトリ SATORI Pt.2
11. ヒロシマ HIROSHIMA
encore
12. メイク・アップ MAKE UP
13. Slowly But Surely
Closing theme ~ After The Concert


    ◇

 去年活動再開したフラワー・トラヴェリン・バンドの最新ツアーが8月から始まり、札幌、東京につづいて1年ぶりに名古屋のステージに5人が立った。
 今回の舞台は、去年のダイヤモンド・ホールよりフロアが小さい名古屋BOTTOM LINE。整理番号4番で会場入りして最前列のド真ん中に座る。7時07分から1時間40分のステージ、この上もない至福のロック・ライヴを楽しませてもらった。

 いやぁ、去年より凄い。5人の面々、メンバー全員の年齢を足して310歳だというのに、このエネルギーは何!
 「楽器は昔のままの音を出しているから、歌も楽器の一部だから昔のキーで歌うからね」
 今回も、衰えを知らないジョー山中の言葉通りに、出るわでるわのハイトーン・シャウトであった。

 ステージは、1973年の2枚組ライヴ・アルバム『MAKE UP』のオープニング曲「All The Days」から始まった。
 去年は『We Are Here』リリースの復活ライヴのため、新曲全曲の合間に昔の曲を挟んだ形だったのだが、今回のセットリストは『SATORI』から新アルバムまでの4枚のアルバムから満遍のないものになっている。
 『We Are Here』からの厳選5曲は、アメリカ・ツアーの敢行もありこなれた楽曲に変身していた。

 70年代ROCK特有のドラマツルギーで奏でる名曲の数々を、今、この時代に聴きたいファンは多いだろうから、「Kamikaze」「Slowly But Surely」そしてスローブルーズの「Shadows Of Lost Days」に(まるでレッド・ツェッペリンの'73年ライヴ「Since I've Been Loving You」を聴いているように)狂気乱舞である。

 会場の空気が張り詰めたのは、1972年の『MADE IN JAPAN』に納められた日本ROCK史に残る鎮魂歌「HIROSHIMA」。

  ある夏の日 きのこ雲が盛り上がり 誰も見えない 誰も聞こえない………

 天空に轟く小林ジュンの重低音ベース、和田ジョージの正確無比なドラム、篠原信彦のうねり踊るキーボード、縦横無尽な石間秀機のシターラ、そしてジョーの叫び!
 15分近いロング・ヴァージョンは、いま尚、神がかり的。凄いパフォーマンスで魅了させてくれた。

    ◇

bottomline0825.jpg After The Concert

    ◆

伝説の日比谷野音から……




去年のライヴはこちら……