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TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「抱きしめて」有沢とも子



有沢とも子◆ 抱きしめて/あなたの面影 1969年

 荒木一郎がスカウトしたと言われる梶芽衣子の実妹の歌手デビュー曲であり、荒木一郎に取っても初のプロデュース作品。
 両面ともに作詞・作曲が荒木一郎で、編曲は川口真。

 「抱きしめて」は、荒木一郎らしいメロディに乗ったポップなサウンドで、当時深夜放送で聞き及んでいたが残念ながらヒットするには至らなかったなぁ。
 結局、翌1970年にレコード会社を移籍し、太田とも子として再デビューしたわけで、同時に梶芽衣子のヒット・シリーズ「野良猫ロック/マシン・アニマル」に実名歌手本人として登場し、2曲(「恋はまっさかさま」「とおく群衆を離れて」)を披露…ここでクールビューティーなお姿拝見ということになった…

 ただ、やはり姉・梶芽衣子の名前の大きさに翻弄されてしまった感もあり、1971年リリースの「甘い嘘」を最後に芸能界を去ってしまった。
 そして、梶芽衣子の自伝『真実』によると、既に他界されていたことが記述されていて驚いた。
 姉・梶芽衣子の名前の大きさに翻弄されてしまった不幸もあるのだろうが、5枚のシングルと映像がファンのこころに残されていることに感謝…

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2018年、GW前の猟盤図録

 今年はゴールデン・ウィーク前の日曜日と月曜日に東京へ出向いた。別にコンサートがあったわけでもなく行ったのだが、平日を入れた休みは気分的に楽しい…

 ちょうど2日前にユニオンレコード新宿がオープンしており、洋楽・邦楽の廃盤セールの真っ最中…帯付き初回盤やUK/USのオリジナル盤など、貴重盤の目白押し…予算は、普段ふらりとレコ屋へ行く時よりは潤沢ではあったが、オリジナル盤を2〜3枚にするかお安いレコを量でカヴァーするか、悩ましい時間もまた愉しく、名古屋では滅多に見かけることのないオリ盤の目の保養をさせてもらった…

 結局、購入したのは和モノばかりのLP4枚、EP18枚…
 貴重盤はないが、以前から探していたシングルが何枚か入手でき満足な2日間だった…

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 レコ箱をサクサクと漁っている指の間に、長いこと探し求めるレコードのジャケが顔を出したときの喜び…それは、先に紹介した浅川マキの「こんな風に過ぎて行くのなら」(‘72)がそうであり、または南條マキの「だまされて」(‘69)はネットの高値を羨みながらも待っていた甲斐があったというもの…これは歌ウマ、オトナの歌謡曲なり…
 樫山洋子「恋にくるって」(‘72)も、まさか入手できるとは思わなかった1枚…両面ともに都倉俊一の作曲は、この年に開花させたアクショングラマー歌謡のグルーヴ感を引きずる逸品なり…
 GS歌謡の中尾ミエはジャケがイイし、元ピンキー・チックスのいとのりかずこは筒美京平の曲ながら、知っていなけりゃ手を出さないようなジャケの簡素ぶり…
 石立鉄男と山内絵美子のデュエットシングルは、山内絵美子のファンだからの1枚だが、台詞の掛け合いをテクノに乗せたB面「チェイス」が面白い…石立鉄男はエロおやじぶりを見せるが、この二人のアルバム裏ジャケはセクハラっぷりも時代を感じさせるもの(未入手なのでいつか手に入れたい)…
 テレサ・テンは別ジャケで、「TATTOO[刺青]あり」も珍しい映画告知ジャケ…

 

ディープな世界、女たちの挽歌


怨歌情死考~女たちの挽歌~

 年末に素晴らしいものがリリースされた。
 日本コロムビア〜THE DEEP歌謡コレクションの企画に食い込んで来たこのオムニバス盤は、昭和を駆け抜けた情念の歌い手や女優たちの、まさしく怨歌集。
 既に中古市場では入手困難なものや、高額商品として奉られてきた楽曲ばかりで、そのほとんどが初CD化となる逸品ばかり。
 これを買い逃したりすれば、後世、恨み言の毎日となること必至である。

01. 怨歌情死考 / 小川節子
02 .あなたと三回 / あい杏里
03 .新宿の夜は濡れている / 賀川雪絵
04 .私は蜘蛛の糸 / 橘 モナ
05 .しあわせを売る店 / 朝倉マリ
06. 探した幸わせ / 西尾三枝子
07. ピエロが街にやってくる / 沖山秀子
08. 恋が喰べたいわ / あい杏里
09. 背信 / 青島希実
10 .涙のサンバ / 橘 モナ
11 .短い手紙 / 西尾三枝子
12 .あなたが憎い / 小栗アキ
13. 紅花物語 / 小川節子
14 .生命の灯り / 片山由美子
15 .ダンチョネ節 / 沖山秀子
16 .都会の情景 / サミー
17 .愛の卒業 / 大窪けい子
18 .帰らないパパ / 新谷のり子
19 .ふたたび夢は夜ひらく / 緑川アコ
20 .一年は裏切りの季節 / 賀川雪絵
印:初CD化

 厳選されている曲は昭和40年代、『11PM』や東京12ch(現テレビ東京)の『独占!おとこの時間』『プレイガール』を見ては、その濃密な時間に埋没しながら悶々としていたころの裏歌謡たち。
 どの曲も忘却の果てに流された歌謡曲とはいえ、その真髄は取扱注意の大道芸的如何わしさにあふれ、陽の当たった昭和歌謡の大衆性よりも歌謡曲の本質を感じないわけにはいかない。

 シングル盤を所持する女優小川節子と賀川雪絵の歌声以外に、西尾三枝子、橘モナ(太田きよみ)、片山由美子の『プレイガール』勢の歌唱は必聴で、特に片山由美子の「生命の灯り」は、それまで存在だけは聞いていた幻の自主制作盤で、この復刻は驚喜の産物。しかし、まさか宮史郎や宮路オサムを連想するド演歌とは思わなかったなぁ…インパクトが強烈。

 インパクトといえば、なかにし礼の作詞となる朝倉マリの「しあわせを売る店」の厭世観も凄い。まったく初めて名前を聞く歌手であり歌なのだが、その恨み節は耳に残る。
 プロモ用の惹句「あなたの憎しみ 悲しみ あなたの心情を わたくし朝倉マリが 恨みをこめて歌います」と、セーラー服にアコギを持たせたシングル盤のジャケットも強烈だ。
 どうも彼女は、なかにし礼が設立した“なかにし礼商会”の秘蔵っ子だったようだ。

 青島希実「背信〈うらぎり〉」も初めて聞く歌手のシャンソン歌謡だが、歌唱力はこの中では一番かも…ただ、越路吹雪に極似の歌声が裏目に出たのだろうな。

 歌謡曲扱いとなっているソウル・シンガー、サミーの「都会の情景」は、安井かずみの作詞に稲垣次郎とソウルメディアの演奏によるニューロック…1971年、日本ロック黎明期の1枚として残すべき逸品だ。

 「夢は夜ひらく」(作詞水島哲)でデビューした緑川アコの「ふたたび夢は夜ひらく」は、石坂まさをが作詞した藤圭子ヴァージョン。


 ここにいる女たちは、歌っているというより演じている…凄みと、孤独と、哀しみのうねりは、平成が終わろうとするこの時代の底辺で、まだまだ果てしなく波打っている。その底知れぬ奥深い歌ごころに酔うばかりである。

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★小川節子
★賀川雪絵
★緑川アコ

2017年、夏の猟盤

 真夏の恒例イベント“中古/廃盤レコード・CDセール”に行ってきた。

 GWのレコセールよりかなり大きな会場だったが、今回は端からレア盤は外し、オーソドックスなもので低価格の良盤を、例えば黛ジュンはシングルは持っているがアルバムは1枚も所持していないので、帯なしでいいので赤盤でも探すつもりでいた。
 結果、ファースト・アルバム『恋のハレルヤ』を1500円で見つけたのだが、内ジャケにシミが多くカビの臭いも気になったので購入は見送った…

 で、今回仕入れたのはアルバム2枚とシングル5枚…

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 今の財布の中身に合ったお手頃価格だった北原ミレイ『流れ行く歌_vol.1』と内藤やす子『SONGS』のアルバムは、どちらもカヴァー集…
 『流れ行く歌_vol.1』は、A面に因幡晃「別涙」、河島英五「酒と泪と男と女」、アリス「帰らざる日々」、宇崎竜童「愚図」など、B面は「怨み節」「舟唄」「八月の濡れた砂」「アマン」など歌謡曲スタンダード的な選曲…

 内藤やす子のアルバムは、80年代に入ってのカバーアルバムに当時まったく興味をおぼえず、何枚ものアルバムを買いそびれていたので、いまこうして後追いをしている次第だ…
 『SONGS』もそんな1枚で、1曲を除いて女性シンガーの作品で、荻野目洋子「六本木純情派」、中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」、中森明菜「DESIRE」、刀根麻理子「マリオネットの夜」、渡辺美里「My Revolution」など、やす子節が炸裂している…いまさらながら聴き惚れる…

 シングル盤はテレサ・テン、桂銀淑、中森明菜、烏丸せつこ、ロミ山田…150円と280円の箱から…
 そいえばテレサ・テンと桂銀淑はCDしか持っていないので、これからシングル盤を集めそうな予感…笑…桂銀淑はCD時代に入っているので7インチは少ないな…

 さて、今年の春から『Sgt.PEPPERS』BOXがあったり、石井隆『天使のはらわた』BOXがあったりの日々、今夏の猟盤はこんなもんで十分でしょ…
 

2017年ゴールデンウィークの猟盤

 2017年のゴールデンウィークは陽気の良い出足…今年もどこへ行くともなく、自宅でDVDとレコード三昧になるのだろう。
 そんなこんなで毎年開催されるレコードフェスとGW前の均一バーゲンに足を運んだのだが、今月はBEATLES『SGT. PEPPERS』BOXが控えている身、猟盤などしているときではないと思いながらも……いままでも買わなかったことを後悔したこと多々ありなので、ま、なんとかなるでしょ…

 さて、今回の猟盤はこんなもの…

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 500円箱に入っていたのが、しばたはつみ『ブルー・ジョーク』(‘79)、山根麻衣『月光浴』(‘84)、そして原田芳雄の3rdアルバム『ジャスト・サム・ブルース』(‘81)と『EXIT』(‘83)。原田芳雄はそれぞれ、LPとカセットテープで所持しているものなのに…

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 『ジャスト・サム・ブルース』は、二つ折りライナーノーツの写真が異なっていたので、つい…無駄遣いってことは判っているのだが、まぁ帯も付いてこの価格なら…

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 ほとんど定価だったのが、李 礼仙の『情歌抄』('79)と夏樹陽子の『よこはま情炎ものがたり』(‘80)。
 『情歌抄』は、これも以前所持(帯なしジャケ難)していたものだが、今回、ほとんど新品に近い盤を見つけたのはラッキーだった。

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 夏樹陽子の『よこはま情炎ものがたり』は、杉 紀彦作詞・構成に、宇崎竜童や和田静男、千野秀一、新井武士らダウンタウン・ブギウギ・バンドの面々と丹羽応樹が曲を提供したトータル・アルバムで、女優夏樹陽子の妖艶さはジャケばかりでなく、唄なかの台詞にもありありと…

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 シングル盤も女優ものが2枚…80年代ロマンポルノでスターになった朝比奈順子の東宝レコード時代のセカンド・シングル(楽曲はイマイチで、デビュー盤「恋愛学校」の方が断然いい)と、東映女優中島ゆたかの『嘆きのヒロイン』。中島ゆたかはなかなかの良盤。
 川辺妙子のデビュー盤も、ジャズ・シンガーの故・アンリ菅野のCMイメージ曲も前から欲しかったシングルだが、今回、衝動のジャケ買いしたのが、上村一夫のイラストが呼び込んだたまき・ゆりと石原圭子…
 ジャケ写のない〝たまき・ゆり〟なる歌手は、何年か前に100円箱から拾った〝環ユリ〟という歌手。大きなサングラスで顔を隠したデビュー盤には、プロフィールに謎の女と書かれていたが、改名後のこのレコードにも顔だしはNGだったようだ。
 この2枚、どちらもやさぐれ歌謡で、特にそれぞれのB面曲「都会のカモメ」と「ろくでなしの唄」は癖になる代物だ。

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 歌謡曲ばかりのなか最後の1枚は、石川晶&カウント・バッファローズ。
 レイモンド・チャンドラー原作フィリップ・マーロウの「長いお別れ」「プレイバック」「さらば愛しき女よ」をイメージした、効果音入りのジャジーなアルバムで、河村要介のイラスト・ジャケットを見ながら、油井正一、内藤陳、小泉喜美子、酒口風太郎のエッセイ・ライナーを読みながら、マーロウの世界が愉しめる…

風とともに消えた、杏真理子


コンプリートシングルズ+/杏真理子

 満を持しての杏真理子の音源CD化が、シングルをコンプリートした以上に、未発表の曲を5曲も発掘してくれるとは、まさに驚愕の音源集となった。

01.さだめのように川は流れる
02.涙の空に虹が出る
03.理由(わけ)ある旅
04.虹
05.雪わり草
06.冬の記憶
07.地下鉄のスー
08.風とともに消えた
09.あやまち
10.いちどくらいはいい
11.夜が明ける
12.雨に咲く花
13.黒い花びら
14.雪が降る
15.君の名を呼べば
16.夜のメロディー
17.ブルージーンと皮ジャンパー
18.明日は月の上で
19.ヘイ・ジュテーム
20.みなし子のように
21.熱愛
22.さよならばかり
23.わるい娘
24.さだめのように川は流れる[オリジナルカラオケ]

☆印:初CD化  印:未発表曲

 低く、暗く、重く、非凡な歌声を持った杏真理子は、デビュー曲「さだめのように川は流れる」で注目はされたのだが、大きなヒットに恵まれぬまま5枚のシングルを残し歌手活動を一時休止、歌の勉強のために渡米した。そして次に彼女の名前を耳にしたのが、遠い異国からの訃報…
 享年23の若さで(当時のプロフィールでは1951年生まれと表記されているが、現在は1949年生まれとされるので25歳が正しいのかもしれない)幕を下ろした人生を、歌のように〝さだめ〟と片付けるにはあまりに残酷なことだ。

 それにしても、オリジナル/カバーを含めここにパッキングされた曲群の素晴らしさ。歌の実力は半端なく、彼女の凄みある歌声と歌唱力が、唯一無二のものだったことをあらためて知らしめられた。
 未発表曲にいたっては、これがなぜお蔵入りだったのかと思えるくらいの水準の高さで、4曲すべて阿久悠の詞世界だ。
 存命であれば、これまでにもっと素晴らしい作品が生み出されていただろうと思うと、まさに世の儚さである。

 そして、このCD復刻に尽力した藍渕邪子という音楽ライターによる6ページにわたるライナーノーツも、熱い執念が感じられる素晴らしいレヴューとなっている。(リリース年月日に誤植が見られるが…)

THE DEEP歌謡コレクション〜沢知美シングル集発売

SawaTomomi_all-about-sawa.jpg 1st LP「沢知美/魅力のすべて」より

 2月22日リリースの杏真理子につづいて、日本コロムビア〜THE DEEP歌謡コレクション企画第4弾、沢知美『コンプリートシングルズ』が4月19日にリリースされる。
 アルバムとしてCD化されるのは『人の気も知らないで~沢知美とあなたの夜』につづいて2枚目で、今や中古市場で7インチシングルを見つけるのが困難な現状で、オリジナル曲だけを網羅し、フェロモンあふれる歌声を余すことなく聴くことができるのは、嬉しいニュース…

 メーカーインフォメーションによる収録曲は、初CD化を含んだ16枚のシングルA面全曲と、B面楽曲で初CD化となる7曲を収録した全23曲。もちろん2017年最新リマスタリングで収録される。

01.私にいわせて
02.夜更けのロビイ
03.あなただけを
04.ひと夏の恋だった
05.蒼い月の光
06.セロシヤ・プロモーサ
07.夢はいらない
08.霧の夜のすすきの
09.雨になりたい
10.東京ミッドナイト
11.夜にとけたい
12.知りすぎたのね
13.モーニング・ブルース
14.恋の鏡
15.私はかもめ
16.罪ある女
17.夏の女
18.夏の夜のできごと
19.ブルー・モーニング・ブルース
20.雨の言葉
21.ガラスの城
22.甘い生活
23.気ままに愛して

印:初CD化

 さて、シングルA面コンプリートと謳いながら、1967年の2ndシングル「アンブレラのブルース」が抜けているのはどういう訳か。初CD化となるB面「あなただけを」を優先したというなら、「私はかもめ」のB面「明日がつらい」とか「罪ある女」のB面「エヴァの誘惑」も、と欲が出てしまうではないか。

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◆人の気も知らないで~沢知美とあなたの夜
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