TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「任侠外伝 玄界灘」初DVD化!

 昨年、ATGライブラリー第2弾として、これまでDVD化されていなかった若松孝二監督の『聖母観音大菩薩』、神代辰巳監督の『ミスター・ミセス・ミス・ロンリー』、増村保造監督の『音楽』がリリースされ、 同時に、まさかの曽根中生監督の『不連続殺人事件』までもが初ソフト化されたのだが、2013年は早々に、唐十郎監督作品『任侠外伝 玄界灘』が初DVD化された。
 所持するVTRは画面が暗く見にくい代物だったので、これは朗報。

任侠外伝玄界灘_dvd

 1976年9月11日、名古屋の名宝シネマ(かつては「名宝文化」がATG専門館だった)で吉田貴重監督の『煉獄エロイカ』と同時上映された本作を鑑賞。
 あいにく『煉獄エロイカ』はその前衛性にストーリーなど望めず、一切映画作品として観ることができない苦痛の最たるものだったのだが、この『任侠外伝 玄界灘』は、情念、無念、欲望、欺瞞、復讐、怨念、地獄に悪夢………唐十郎の大時代的な芝居に満ちあふれ、興奮のまま映画館を後にした映画だった。

 根津甚八の色気、李礼仙の美しさ 麗しさ、宍戸錠の狂犬ぶり、小松方正の卑屈さ 執念、そして安藤昇の生き様………修羅。
 役者たちの生々しいエネルギーが半端なく観るものを射るのだから、こんな凄い映画はない!

Cinema Review★任侠外伝 玄界灘★

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'79年の映画ノート

1979年は月間別ベスト1を列ねてみる。

◆1979年月間ベスト

1月 天使のはらわた・赤い教室 ☆☆☆☆(13日)
にっかつ/'79/曽根中生監督、水原ゆう紀、蟹江敬三
《別レヴューあり》

2月 ファール・プレイ ☆☆☆☆(28日)
米/'78/コリン・ヒギンズ監督、ゴールディ・ホーン、チェヴィー・チェイス、ダドリー・ムーア
法王暗殺計画に巻き込まれた図書館勤めのゴールディ・ホーンと、ダメ刑事のチェヴィー・チェイスが織りなすサスペンス・コメディ。随所にヒチコック風な演出を見せるコリン・ヒギンズも冴えているし、バニー・マニロウの主題歌も心地よい。しかし、何と云ってもゴールディのコメディエンヌぶりに尽きる。80年代まで彼女の映画でハズレなし。

3月 赫い髪の女 ☆☆☆☆☆(1日)
にっかつ/'79/神代辰巳監督、宮下順子、石橋蓮司、亜湖、山口美也子
来る日もくる日もひたすらセックスをする男と女の性愛の日々を、ねっとりと描いた日本映画の名作。
雨と、ブルース(憂歌団)と、ダンプカーと、厚化粧。無機質な風景。汚らしい部屋。生々しく愛欲に溺れる官能の空間。ストーリーらしきものを一切省いたことで、見事な人間ドラマが完成されている。宮下順子の切なさこそがエロスです。

4月 復讐するは我にあり ☆☆☆☆(29日)
松竹/'79/今村昌平監督、緒形拳、三國連太郎、小川真由美、倍賞美津子
実在の連続殺人犯の犯行軌跡だけを追った佐木隆三のノンフィクションを原作に、人間の奥底に潜む闇と、愚かで哀しい人間の業を浮き彫りにしている。

5月 ディア・ハンター ☆☆☆☆( 2日)
米/'78/マイケル・チミノ監督、ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、メリル・ストリープ、ジョン・サベージ
ベトナム戦争を舞台にした若者の心の傷と生と死。戦争からは何も生み出されない、意味なく死する者たちを見よ。
美しいテーマ曲が耳に残る大傑作。

6月 もっとしなやかに、もっとしたたかに ☆☆☆☆(2日)
にっかつ/'79/藤田敏八監督、森下愛子、奥田瑛二、高沢順子、風間杜夫、蟹江敬三
70年代に文化として台頭してきたニューファミリー現象は、新しい価値観として友達同士のような家族形態のことを称していた。「家族」を切り離す「核家族」の始まりだ。この作品はそんなニューファミリーを否定し、脆くあやふやな家族の崩壊の様を描いている。生き生きとした森下愛子の小悪魔ぶりに拍手を。

7月 さらば映画の友よ ☆☆☆★(4日)
ヘラルド/'79/原田真人監督、川谷拓三、重田尚彦、浅野温子、室田日出男、原田芳雄、石橋蓮司、山口美也子
映画評論家だった原田真人の監督デビュー作品。年365本の映画を20年間観続けることを人生の目標にする中年の男(川谷拓三)と、映画青年と美少女との青春映画。当時映画青年だった自分をどこかに投影させて観ていた。音楽は宇崎竜童。

8月 その後の仁義なき戦い ☆☆☆☆(5日)
東映/'79/工藤栄一監督、根津甚八、宇崎竜童、原田美枝子、松崎しげる
“仁義なき戦い”の番外編ではあるが、若いチンピラたちの友情と裏切り、そして生き様死に様を鮮烈に描いた青春群像劇として記憶に残る作品だ。柳ジョージの音楽もマッチしている。

9月 インテリア ☆☆☆☆(30日)
米/'78/ウディ・アレン監督、ダイアン・キートン、ジェラルディン・ペイジ、E.G.マーシャル
ウディ・アレンにとって初めてのシリアスな映画で、ベルイマンの影響を受けた作品と云われ評価の分かれる作品だ。
30年連れ添った両親の別居問題で集まる三姉妹。自殺未遂する母、愛人を作った父、そしてその愛人。それぞれの心の崩壊が静かに厳粛に描かれていく。当時観た時は、その重さが心地よかった。

10月 太陽を盗んだ男 ☆☆☆☆☆(15日)
東宝/'79/長谷川和彦監督、沢田研二、菅原文太、池上季実子
原爆を作り上げた中学教師が国家相手にローリング・ストーンズの日本来日を要求するなど、とてつもなく痛快な犯罪サスペンスで、娯楽性の観点からこれ以上ないくらい途方もない活劇映画。失われた70年代の過激性を今の映画に求めるのはナンセンスかもしれないが、このエネルギーは失ってほしくないな。

11月 堕靡泥の星 美少女狩り ☆☆☆(7日)
にっかつ/'79/鈴木則文監督、波乃ひろみ、土門峻、八城夏子、日向明子、飛鳥裕子、岡本麗、名和宏、菅原文太
はじめに書いておくが、ムチャクチャな映画である。
どこまで人間は悪魔になれるのか……原作は70年代に爆発的人気を呼んだ佐藤まさあきの衝撃劇画で、東映から鈴木則文を招き脚本大和屋竺で映画化した作品。官能のSM世界とは違ったサディズムに溺れる青年の姿を描いているのだが、過激性は劇画には叶わなかった。まして現代、現実の表の世界に現われ出した残虐非道な輩の方が恐怖だ。菅原文太は運転手役で特別出演している。

12月 ノーマ・レイ ☆☆☆☆(1日)
米/'79/マーティン・リット監督、サリー・フィールド、ロン・リーブマン、ボー・ブリッジス
アメリカ南部の紡績工場に勤める低所得者のノーマが労働運動に関わりながら、女性としても人間的にも成長し自立していく社会派ドラマ。
素直に感動させられた。

'78年の映画ノート

◆1978年/邦画マイ・ベスト・テン
01 サード 
02 冬の華 
03 曾根崎心中 
04 帰らざる日々 
05 ブルークリスマス 
06 はなれ瞽女おりん 
07 最も危険な遊戯 
08 人妻集団暴行致死事件 
09 肉体の門 
10 好色五人女

◆1978年/洋画マイ・ベスト・テン
01 帰郷 
02 ミッドナイト・エクスプレス 
03 グッバイガール 
04 結婚しない女 
05 ローリング・サンダー 
06 ミスターグッドバーを探して 
07 未知との遭遇 
08 新・サイコ 
09 ザ・ドライバー 
10 愛のメモリー


'77年の映画ノート

 この年あたりから、邦画を見る本数が洋画を見るより多くなってきた。ROMAN PORNOは封切り時に通うようになり、つまらない映画に出会えば退館することもしばしば。邦画・洋画とも二本立てだからと無理して2本目も見ることはしない。さっさっと帰る方が身体によい。
 まぁ、気に入れば一日映画館にいることもあれば、後日くりかえし見ることは変わらず。
 ベスト・テンは、長谷川和彦作品とATG作品に尽きた年だった。

◆'77年の邦画ベスト・テン

01 青春の殺人者 
02 藤本義一の“市井”・本番 
03 日本人のへそ 
04 竹山ひとり旅 
05 不連続殺人事件 
06 黒木太郎の愛と冒険 
07 悪魔の手毬唄 
08 HOUSE ハウス 
09 江戸川乱歩の陰獣 
10 霧の旗
 

'76年の映画ノート

 本名ローズマリー・アルバッハ=レティこと、ロミー・シュナイダーが大好きだった。
 1972年の暗殺者のメロディ、夕なぎ、ルートヴィヒ/神々の黄昏(日本公開'80年)、'73年の離愁、'74年地獄の貴婦人、'75年追想、'76年限りなく愛に燃えて(日本公開'77年)と、その妖しい美貌ばかりではなく着実に実力をつけてきたのが'70年代前半だつた。
 少女デビューを果たし新人時代にはアラン・ドロンと浮き名を流したりしてきたロミーだが、私生活は悲惨だった。2度の離婚のあと、'81年に最愛の息子を事故で失い、翌'82年、薬物中毒によりこの世を去ってしまった。享年44歳。この年、一番輝いていたロミーの出演映画を観るために何回も映画館に足を運んだ。

 では、'76年の映画ノートから………

'75年の映画ノート#2

 当時のマイ・ベストテンにゴッドファーザーPart2を入れなかった訳は、どこを見ても1位に名を列ねている完璧に近い映画はあえて外しただけの、単にヘソ曲がりの戯れ言。ベストテン選びに小難しい映画を良しとする年頃だったわけであり……。今、ベストテンをあげるとすると当然ゴッドファーザーPart2も、オリエント急行殺人事件も、チャイナタウンも入れちゃうよ。
 で、こんなんかな。

  1 ゴッドファーザーPart2 
  2 レニー・ブルース 
  3 離愁 
  4 チャイナタウン 
  5 愛の嵐 
  6 フレンチ・コネクション part2 
  7 オリエント急行殺人事件 
  8 アメリカン・グラフィティ 
  9 ハリーとトント 
 10 フロント・ページ


 さて、3月以外の作品はというと……

'75年の映画ノート#1

 1975年公開で鑑賞した当時のマイ・ベストテン

  1 レニー・ブルース 
  2 フロント・ページ 
  3 離愁 
  4 バルスーズ 
  5 アメリカン・グラフィティ 
  6 スローターハウス5 
  7 フレンチ・コネクション part2 
  8 星の王子さま 
  9 ハリーとトント 
 10 愛の嵐


 邦画では、 黒薔薇昇天とか 祭りの準備新幹線大爆破だろうか。

 1975年は名画座ばかりに日参していたので、ロードショーが少なかった。
 その中でも3月は、必ず毎日1本の映画を見ることに決めた。
 それがこの31本。