TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「レイジング・ブル」*マーティン・スコセッシ

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するものです。

1981_レイジング・ブル
RAGING BULL
監督:マーティン・スコセッシ
原作:ジェイク・ラモッタ
脚本:ポール・シュレイダー、マーディク・マーティン
音楽:レス・ラザロビッツ
出演:ロバート・デ・ニーロ、キャシー・モリアーティ、ジョー・ペシ

☆☆☆★ 1980年/アメリカ/128分/BW

 初見1981年2月。
 実在のプロボクサー、ジェイク・ラモッタの人生を描いたボクシング自伝映画で、デ・ニーロが役のために体重を減量・増量したことで「デ・ニーロ・アプローチ」なる造語が生まれた記念的作品。
 
 もひとつは、ハンディ・カメラを駆使して撮影されたファイティング・シーンに見られるリアリズム描写。「不屈」という男の強靭な人生観が、モノクロ・フィルムだけに余計に圧倒させる映像となっている。
 「不屈」という男の強靭な人生観が、少し過剰なほどに見せつけられるのが難かもしれない。

スポンサーサイト

「女と男の名誉」*ジョン・ヒューストン

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するものです。

1985_女と男の名誉
PRIZZI'S HONOR
監督:ジョン・ヒューストン
原作:リチャード・コンドン
脚本:リチャード・コンドン、ジャネット・ローチ
音楽:アレックス・ノース
出演:ジャック・ニコルソン、キャスリーン・ターナー、アンジェリカ・ヒューストン、ロバート・ロッジア、ウィリアム・ヒッキー、ジョン・ランドルフ

☆☆☆☆ 1985年/アメリカ/130分

 初見1985年9月。
 NYブルックリンを支配するプリッツィ・ファミリーのドンに可愛がられ、殺しの依頼を請け負っているジャック・ニコルソンが、ある日、一匹狼の女殺し屋キャスリーン・ターナーと出会いふたりは恋に落ちるが、お互いに相手を殺す依頼を受けることに……。

 ジョン・ヒューストン最晩年の作品だが、鑠(かくしゃく)たるスタイルのユーモアあふれるマフィア映画になっているので楽しめる。
 監督の娘アンジェリカ・ヒューストンがアカデミー賞をはじめ各賞を総ナメしたが、キャシー・ファンには彼女のクールで頭のキレるヒット・ウーマンぶりに尽きるのである。

1985_PrizzisHonor_JH.jpg
1985_PrizzisHonor_KT_2.jpg

「ラフ・カット」*ドン・シーゲル

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するものです。

1981_ラフ・カット
ROUGH CUT
監督:ドン・シーゲル
脚本:フランク・バーンズ
撮影:フレディ・A・ヤング
音楽:ネルソン・リドル
出演:バート・レイノルズ、レスリー=アン・ダウン、デヴィッド・ニーヴン、ティモシー・ウェスト

☆☆☆ 1980年/アメリカ/112分

 初見1981年3月。
 天才宝石泥棒と、彼の逮捕に執念を燃やす老練な刑事と、彼らの前に現れた美女とが、1500万ポンドのダイヤを巡って駆け引きを繰り広げるアクション・コメディ。
 ドン・シーゲルとバート・レイノルズの取り合わせにデヴィッド・ニーヴンが絡む楽しさと、ラストにあっと驚く仕掛けが用意されている趣向は、B級映画の予算制約のなかで、観客の楽しませ方を熟知したシーゲル監督の面目躍如。

「ジェラシー」*ニコラス・ローグ

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するものです。

1982_ジェラシー
BAD TIMING
監督:ニコラス・ローグ
脚本:エール・ユドフ
撮影:トニー・リッチモンド
出演:アート・ガーファンクル、テレサ・ラッセル、ハーヴェイ・カイテル、デンホルム・エリオット

☆☆☆★ 1980年/イギリス/122分/

 初見1982年2月。
 撮影監督出身の鬼才ニコラス・ローグのミステリ仕立ての恋愛劇は、あまりに激しく狂おしい愛の嫉妬に包まれている。

 タイトル・バックにクリムトの絵画「接吻」が映し出され、そこにトム・ウェイツの「ブルースへようこそ」が流れてくる……若くて美しく、奔放なヒロインが黒のタイトスカートで登場し、そのまま、エゴン・シーレの「死と乙女」のアップに移行するオープニングだ。
 劇中ではキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」やザ・フーの「フー・アー・ユー」が効果的に使われ、ビリー・ホリディの「イッツ・ザ・セイム・オールド・ストーリー」で締めくくられる。

 現在と過去が次々とフラッシュバックを繰り返し、時間軸をバラバラにした構成に絵画と音楽が装飾され、観る者を甘美で細密な迷宮へと誘ってゆくのである。



「エレファント・マン」*デヴィッド・リンチ

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するものです。

1981_エレファントマン
THE ELEPHANT MAN
監督:デヴィッド・リンチ
脚色:デヴィッド・リンチ
撮影:フレディ・フランシス
音楽:ジョン・モリス
出演:ジョン・ハート、アンソニー・ホプキンス、アン・バンクロフト、サー・ジョン・ギールガッド

☆☆☆ 1980年/アメリカ・イギリス/124分/BW

 初見1981年5月。
 19世紀末の英国。ロンドンの見世物小屋にたたされていた「エレファント・マン」と呼ばれる容貌奇異な青年の半生を描いたもの。

 のちのち知るデヴィッド・リンチのフリークス好きが、ただ好奇心なだけの捉え方ではないヒューマニズムなドラマとして描いているのは良識的だが、正直もう一度観たい映画かと問われれば、否……


「クルージング」*ウィリアム・フリードキン


CRUISING
監督:ウィリアム・フリードキン
脚本:ウィリアム・フリードキン
原作:ジェラルド・ウォーカー
撮影:ジェームズ・A・コントナー
音楽:ジャック・ニッチェ
出演:アル・パチーノ、ポール・ソルヴィノ、カレン・アレン、リチャード・コックス、ドン・スカーディノ

☆☆☆★ 1980年/アメリカ/102分

 初見1981年1月。
 アメリカン・ニュー・シネマの雄として『真夜中のパーティー』(’70)や『フレンチ・コネクション』)’71)『エクソシスト』(’73)など、話題作・傑作を生み出したウィリアム・フリードキンも、リメイクの『恐怖の報酬』(’77)の失敗から80年代以降その輝きを失っていくのだが、本作は鬼才ウィリアム・フリードキンの起死回生となる問題作。

 原作は、1962年から1979年までの17年間にNYで実際に起きたホモ・セクシャル連続惨殺事件を扱った実話もので、フリードキン監督はこれを題材に、実際の囮捜査などのを取材を活かしながらハード・ゲイの世界を真正面から描いている。

 タイトルの「クルージング」とはゲイ用語で「男を漁る」の意。
 ニューヨークのゲイ・エリアで起ったゲイの男が殺される連続殺人事件の捜査のため、ノーマルな感覚を持った青年刑事がゲイ社会に潜入し、次第にハード・ゲイの世界に嵌り変貌してゆくストーリーなのだが、男だけの世界で想像を絶する苦痛に伴う絶頂と陶酔とは何なのか、ノーマルな人間にはとても理解できる範疇ではないのである。

 ゲイ・エリアで知られるクリストファー・ストリートでのロケ映像はかなり強烈で、なかでもハードゲイたちの生々しい生態描写は当時のアメリカでさえ物議を呼んでいる。
 実在のゲイ・クラブが多数登場したり、バンダナをGパンの左右のポケットのどちらに入れるかとか、そのバンダナの色によってゲイ同士のコミュニケートがなされているなど、なかなか興味深い面白い描写が紹介される。

 さて、そのあまりに特異な題材にしてショッキングな描写のため、当時、日本での公開は1年間見合わされていた。本国でも「悪趣味映画」とされ、決して評判のよい映画ではない。アメリカでは2007年にDVD化されたが、日本ではVTR化されたことが一度あることはあるがDVD化は一切される方向にはないようだ。

Cruising_LPre.jpg

 音楽はニューウェーヴ系パンク・ロックの洪水で、これが最高にカッコいい……サウンド・トラックのアルバムは所持しているが、CDとなるとやっと2015年にリリースされたらしい。



「ジンジャーとフレッド」*フェデリコ・フェリーニ

 以下作品は、映画前売券のコレクションとして記録するものです。

1987_ジンジャーとフレッド
GINGER E FRED
監督:フェデリコ・フェリーニ
脚本:フェデリコ・フェリーニ、トニーグェッラ
美術:ダンテ・フェレッティ
撮影:エンニオ・グァルニエリ
音楽:ニコラ・ピオヴァーニ
出演:ジュリエッタ・マシーナ、マルチェロ・マストロヤンニ

☆☆☆☆ 1985年/イタリア・フランス・西ドイツ/128分

 初見1987年2月。
 30年も前に、アステア=ロジャース・コンビの踊りを物真似して人気のあった〝ジンジャー&フレッド〟と名乗る老芸人が、ローマのテレビ局のクリスマス・スペシャル番組のそっくりさんコーナーに引っ張り出され、それぞれ田舎で引退生活をしていたふたりが大都会のテレビで再会し、ふたたび別れてゆくまでが描かれる。

 フェリーニが大好きなサーカス的見せ物小屋と化すテレビ局の喧騒のなかに迷い込んだ老芸人が、華やかな照明の下に晒される老醜の残酷さと、それを包みこむ優しさ、そして人生の哀感がとても美しく感じられる。これぞまさしくフェリーニ流カーニヴァル。

 フェリーニの秘蔵っ子マルチェロ・マストロヤンニと、フェリーニ夫人であるジュリエッタ・マシーナはこの作品が初共演。
 当時ふたりとも60歳をはるかに過ぎた身での、引退した老芸人の役を切実に演じている。