TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

ぬくもりが伝わる、絵師・石井隆の画

 2017年、【天使のはらわた】Blu-ray BOXがリリースされた際に実施された「購入者限定描き下し原画プレゼント」でいただいた原画である…
 直接、石井画伯が筆を入れた温もりさえ伝わってくる逸品だ…

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 サイズは230×320mm、荒目の水彩紙に鉛筆の下書きもうっすらと、毛筆で彩色されている…

 5名限定で描かれた名美の姿はどれもお馴染みのものなれど、見事手にしたこの1枚は、名美の天使と夜叉の顔を併せ持つ表情の豊かさと、デザイン的構図の妙に快感をおぼえている…
 確立された石井劇画そのままに、ふたりの名美に絡み合う髪の毛一本一本から、妖気が匂い立つさまである…

    ◇

 こちらは2010年1月、『石井隆の世界』公式サイトのオープン記念における「名美プレゼント」でいただいた、石井隆画伯のサインと落款入りのイラスト版画…

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 同封のレターコピーには石井氏の言葉が添えられていた……

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 鉛筆描きの原画を銀刷りし、刷りあがったものに直接彩色されたもので、永いこと忘れていた石井氏の絵師としての快感が伝わってくるイラスト版画である…


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ツイートまとめ〜石井隆劇画本の毎日

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 石井隆の単行本…普段は陽が当たらぬように二重書棚の奥に仕舞い込んでいるのだが、このところ劇画を読み返すことが多くなり、平積みの数冊も別の場所から持ち込んで、入れ替え中だ…

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 石井隆の劇画が『ヤングコミック』に初登場したのは1975年8月号の【濡れた八月】で、これは単行本未収録のはず…
 そして、1977年6月号に掲載された短編【壁の中の悪夢】…サラ金の罠に堕ちた名美の反撃と解放で締めくくられ、扉絵の柱句には「石井隆の長期連載、準備完了!最後のワン・ストローク!」の文字…かくして次月号より超大作『天使のはらわた』の連載がはじまった…

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 名無しの女殺し屋が登場した最初期の石井劇画【パイソン357】…1981年の単行本化に際して再構成で書き下ろされた第三話は、のちに長編連載されるノワール・アクション【黒の天使】のヒロイン魔世のプロローグとして見て取れる…加えて、単行本表紙カバーは、もうひとりのヒロイン絵夢の画として新たに描かれている…

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 初期の傑作劇画【横須賀ロック】は、1979年の単行本時に新たに29頁描き加えられて発刊された…
 クライマックス、剣崎(村木)の凶弾にもんどりを打つ名美のスロウモーション画が大胆に見開き頁となって描き変えられている…前後数コマを含め、のちの【黒の天使】にも繋がるシャープで大胆な構図の連続となり、加えて、描き足された雨の量にも圧倒され物語の結末を迎える…

 また、完全版として物語に厚みを加えたほかに、剣崎(村木)の情婦・銀子姐さの左の目尻に黒子が新たに描かれた…この顔相の変貌は【黒の天使】がまんだらから再単行本化された時にも、黒天倶楽部を足抜けし魔世の命をつけ狙う明香(さやか)の左眼泪袋に黒子が描き足されている…狐眼をしたふたりのおんな、何を意味するかは…………

    ◇

 長編劇画【黒の天使】を読みながら、屋敷紘子と、福島リラと、水原希子で石井隆ヴァイオレンスを妄想してみると、果たして、とてつもない3人になってしまった…

 その【黒の天使】、魔世と絵夢以外の女たちのエピソードが脳内リピートする…黒天倶楽部を足抜けするも裏切られる明香(さやか)、幼馴染と逃亡した綾子、魔世を慕うスケ番みどり…オトコたちなら、蘭丸や始末屋の音坊もなくてはならない…映画で揃い踏み、観てみたい…

 そんなこんなで[妄想映画]である…

『黒の天使 サーガ』
監督・脚本:石井隆

魔世:東風万智子
絵夢:橋本愛
明香(さやか):屋敷紘子 
みどり:清野菜名
綾子:水原希子
綾子の妹:間宮夕貴

蘭丸:斎藤工
始末屋の音坊:松田龍平 
黒天倶楽部のママ:鶴見辰吾
黒天二代目ママ:福島リラ
葉山コンツェルン会長:竹中直人

    ☆

東風万智子は、顔だけで選んでみた…
橋本愛は、彼女の〝石井愛〟に応えて欲しく…
屋敷紘子は、どうしても敵役としての存在感かな…
清野菜名は、一度アクションが見たくて…
水原希子と間宮夕貴は、姉妹でイケる…
斎藤工は、色気…
松田龍平は、柄本佑のような存在になりそう…
鶴見辰吾は、『黒の天使 vol.2』と同じ役で…
竹中直人と福島リラも、もう一度悪辣コンビを…




ツイートまとめ~石井隆世界にこころ馳せ~2017.08

 『後妻業の女』を観た…大竹しのぶが「黄昏のビギン」を口ずさみながら、津川雅彦の息の根を止めるシーンで、石井隆映画『死んでもいい』を思い出すのだから、まったく石井隆中毒者だ…永瀬くんも出ていたし…

 さて、7月にリリースされた『天使のはらわた』Blu-ray BOXのアウターの石井隆描き下しのイラストについては、簡単に「石井隆の描き下ろし、Blu-rayに甦る名美」に書き留めてあるが、とにかく劇画時代からのファンにとっては、石井氏の濃密な筆さばきに感嘆の声をあげるしかない…
 そして映像も、過去にスクーリンで観た作品とは思えないほどのクォリティで蘇り、あらたな興奮の時間を過ごさせてもらっている…

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 『赤い眩暈』Blu-rayのみの特典コメンタリーは、過去の発言にくらべかなり突っ込んだところまで発言をする石井氏に竹中直人が慌てる箇所もあり、『天使のはらわた 赤い教室』における曽根中生監督と石井氏との因縁話は、ここ3年の間いくつかの活字媒体で真相発言がなされたが、今回、さらに石井氏の心情が痛いほど伝わってきた…

 何てことない話だが、相米慎二監督『ラブホテル』における速水典子の衣装に関しては、相米監督と石井氏との素敵な関係性が感じられ、ほっこり…

     ◇

 劇画『おんなの街 I&II』を読み返す度に、当時、巻末の続刊予告にこころ躍らせた思いが甦る…
 『フリーズ・ミー』公開に合わせたこの企画は、結局幻に終わったが、石井映画の原点回帰となる劇画を知らないファンのためにも、ふたたびの劇画本復刻企画を熱望する…

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 17年前の幻の企画CD『名美の総て』は、「死んでもいい」「ヌードの夜」「夜がまた来る」などの名美がヒロインの安川午朗作曲のサントラと「フリーズ・ミー」のメインテーマを収める、といった垂涎な内容だけに、あまりに惜しい、残酷な頓挫だった…

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 70年代最後にして石井隆センチメンタリズムを極めた長編「雨のエトランゼ」と中編「夜に頬よせ」、そして、個人的に勝手に命名したタナトス4部作を収めた『おんなの街 I&II 』は必読…
 「夜に頬よせ」はラスト15頁45コマにおよぶ雨の情景に、ひとコマの静寂、女と男の刹那に魂が揺さぶられる名作だ…

 石井隆の劇画本はほとんどが絶版になっているが、いまはネットで手軽に中古本を買える…
 映画しか知らないファンには劇画もぜひ読んでほしいよ…

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 1984年の長編『象牙の悪魔~赤い微光線』も名作の誉れ……
 ラスト画がたまらなく好き…

   パンと乾いた音がして
   赤い閃光が走った
   雨の遠くから
   パトカーのサイレンが
   近づいて来た
   暑い夏の終わりだった

 どこまでも、名美に、恋して…


2017年、夏の猟盤

 真夏の恒例イベント“中古/廃盤レコード・CDセール”に行ってきた。

 GWのレコセールよりかなり大きな会場だったが、今回は端からレア盤は外し、オーソドックスなもので低価格の良盤を、例えば黛ジュンはシングルは持っているがアルバムは1枚も所持していないので、帯なしでいいので赤盤でも探すつもりでいた。
 結果、ファースト・アルバム『恋のハレルヤ』を1500円で見つけたのだが、内ジャケにシミが多くカビの臭いも気になったので購入は見送った…

 で、今回仕入れたのはアルバム2枚とシングル5枚…

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 今の財布の中身に合ったお手頃価格だった北原ミレイ『流れ行く歌_vol.1』と内藤やす子『SONGS』のアルバムは、どちらもカヴァー集…
 『流れ行く歌_vol.1』は、A面に因幡晃「別涙」、河島英五「酒と泪と男と女」、アリス「帰らざる日々」、宇崎竜童「愚図」など、B面は「怨み節」「舟唄」「八月の濡れた砂」「アマン」など歌謡曲スタンダード的な選曲…

 内藤やす子のアルバムは、80年代に入ってのカバーアルバムに当時まったく興味をおぼえず、何枚ものアルバムを買いそびれていたので、いまこうして後追いをしている次第だ…
 『SONGS』もそんな1枚で、1曲を除いて女性シンガーの作品で、荻野目洋子「六本木純情派」、中村あゆみ「翼の折れたエンジェル」、中森明菜「DESIRE」、刀根麻理子「マリオネットの夜」、渡辺美里「My Revolution」など、やす子節が炸裂している…いまさらながら聴き惚れる…

 シングル盤はテレサ・テン、桂銀淑、中森明菜、烏丸せつこ、ロミ山田…150円と280円の箱から…
 そいえばテレサ・テンと桂銀淑はCDしか持っていないので、これからシングル盤を集めそうな予感…笑…桂銀淑はCD時代に入っているので7インチは少ないな…

 さて、今年の春から『Sgt.PEPPERS』BOXがあったり、石井隆『天使のはらわた』BOXがあったりの日々、今夏の猟盤はこんなもんで十分でしょ…
 

Blu-rayに石井隆描き下ろしの名美が…「ルージュ」

 10月リリースの『ルージュ』(’84/石井隆原作・脚本、那須博之監督)のBlu-rayと、『夢犯』(’85/石井隆原作・脚本、黒沢直輔監督)DVDのジャケットが、石井隆描き下しのイラスト仕様になるという…
 早くもどんな絵柄で描かれるのか、期待が膨らんでいる…

 原作で印象的なひとコマ、雨降る街のバーSAGAの裏手で煙草を吹かす名美がいいと思うも、これは7月4日リリースの「天使のはらわた」Blu-ray BOXのアウターに似てしまうので、ならばシナリオにおけるラストシーンではどうか…
 雨樋からあふれる雨のシャワーに軀をあずける裸身の名美に、雨に煙る二人乗りバイクを二重写しにしてみたり…ZIPPOライターもどこかに置きたい…

 などと、新たに描き下ろされる石井隆の筆さばきを想像しながら、久々に『ルージュ』を再見した…
 手持ちのVTRはかなり劣化が激しく、発色が悪く色つぶれで画面も暗いものなので、今回のBlu-ray化にはかなり期待をしているのだが、しかし、作品評価としては石井隆映画の中では下位になる代物…

 かつてオープニングの「YOKOHAMA HONKY TONK BLUES」を石井作品唯一の主題歌などと的外れなことを記したことがあったのだが、初見時には「これもアリなのか?」と…はじめはね…でも、重要な起点となるバーSAGAが映し出されたところで、原作を古くから読む者としては、石井隆ワールドを大きく離脱したものと、認識せざるおえなかった…

 『ルージュ』が不憫な作品だったことは以前「昼下りの青春~日活ロマンポルノ外伝」という書籍で紹介したのだが、『ルージュ』の企画者だった著者の山田耕大氏が明かした真実「(石井隆の)暗いホンをカリフォルニアの陽光あふれる作品にせよ……」と、石井脚本を否定する上層部の言葉には唖然とするしかないものだった…

 あのサイドカーにしても、あのバーSAGAにしても、あの雨の勢いにしても、石井ファンのもやもやとした事案は、完成作品が不時着に失敗したというより、端からパイロットの逆噴射から起きていたことが判り納得するも、1981年に一度流れた西村昭五郎監督版だったら如何に、と想像する虚しさである…


雑感:【天使のはらわた】Blu-ray化にこころ馳せ…



 石井隆公式ファンサイト『石井隆の世界』における「天使のはらわた」特集ページに、日塔滋郎氏のコラムが掲載開始された… 石井隆研究の第一人者として、最も信頼している氏の寄稿は必読!
石井隆の世界★天使のはらわた★


 石井隆公式ファンサイトのコラムで日塔滋郎氏が指摘していた70年代終わりの石井隆に対する社会現象…
 少し思い出してみるのだが、正直あまり実感はなかった…あの頃は、宮谷一彦や真崎守、上村一夫の単発作品が載っていると「ヤングコミック」誌を読んでいた時期だけに、石井劇画とは自然と巡り合っていたはず…

 ヤングコミック誌掲載で記憶に残る【おんなの顔】は、扉の画とクローズアップで描かれる女(名美)の倦怠が強烈だった…
 それでもまだ、石井劇画を主流にすることはなかった…積み上げられたヤンコミは、いまさら残念なことだが、30数年前の引っ越し時、大量に古本屋の店奥に消えたのだ…

 初めて〝石井隆作品集〟とタイトルショルダーを持った単行本「名美」…
 実相寺昭雄、金坂健二、権藤晋3氏の寄稿…石井隆と権藤晋の対談…ロマン・ポランスキーに言及している石井隆の作家性に共感を覚えた一冊だ…

 漫画誌を毎週欠かさず読んでいたのは高校生くらいまでで、以後、連載物は単行本を待って読む習慣…
 石井劇画も同じで『天使のはらわた』は曽根中生監督の映画が先…
 逆に『赤い教室』は劇画を読み劇場へ行った…劇画読者の期待を遙かに超えた映像と大きく波打つ物語性に、劇場の灯がついても暫く席を立つことが出来なかった…

 ロマンポルノの石井隆作品はタイトルに原作名を名乗っていても、過去の劇画作品を幾重に切り貼りすることで構成される場合が多く、特に『天使のはらわた 名美』における、石井劇画の映画的手法を逆手にとった田中登監督の裁量に興奮する…

 水原ゆう紀がヒロイン・オファーを断念したことで、石井劇画ファンだった鹿沼えりが名美役に自ら志願した『天使のはらわた 名美』…
 自己弁護で身を固める狂言まわし的ヒロインになったのは残念だが、高熱を押しての病院屋上雨の撮影や、過酷だったというラストシーンなど、鹿沼えりの表情の豊かさと圧倒的な美しさで魅力に輝く1作…

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「SGT. PEPPERS」50周年記念BOX 、届く


Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band〜50th Anniversary BOX

 高額で大型商品となるアーカイヴスものには手を出さぬようにしていた…ツェッペリンしかり、ストーンズしかり…今回は2015年年末の『ザ・リバーBOX』以来の散財といえる…
 しかし『SGT. PEPPERS』となれば、ビートルズのアルバムの中でも1~2位で好きな作品、スルーするわけにはいかない…

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 届いた梱包を開けてみてまず驚いたのが、BOX外カヴァーに貼付けてある3D写真…事前にはなにも告知されていなかったサプライズと言っていい…
 ストーンズ『SATANIC』への、洒落っ気ある嫉妬返しだ…(『SATANIC』のジャケット・デザインが『Sgt.PEPPERS』の模倣と言われていたとき、3Dのアイデアはストーンズに軍配を上げるだろ?と思っていた)

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 4CDを収めた紙ジャケのうち、3種類がアウトテイク写真だったのも驚き…撮影現場のモノクロ写真は既に公表されていたが、カラー写真は初めて見るものだ…
 オリジナル・ジャケではレオ・ゴーシーとガンジーの写真が消されたのは有名な話で、このアウトテイク写真は、修正されていないものをそのまま蔵出し…このようなことも、半世紀を過ぎたことでの賜物だろう…

 オープンリールの体裁になっている分厚いBOXを開ければ、見開きLPジャケに4枚のCDとBlu-rayとDVDが収められ、ポスター2枚と写真集と、日本版特典の《立版古》というペーパージオラマが付録…
 しかし正直いって、こういう付属物って不要なんだよね…大きなBOXは邪魔なだけ…
 4CDだけはいつでも聴けるように取り出しておいて、BOXは仕舞い込むしかないな…

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 さて、細かな音源紹介はマニアの方々にお任せして、一言だけ…
 今回の『Sgt.PEPPERS』のNew STEREO MIXは、まったくの別作品を聴いているくらいにクリアなサウンドに変身…それはそれは素晴らしすぎる…