TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

THE DEEP歌謡コレクション〜沢知美シングル集発売

SawaTomomi_all-about-sawa.jpg 1st LP「沢知美/魅力のすべて」より

 2月22日リリースの杏真理子につづいて、日本コロムビア〜THE DEEP歌謡コレクション企画第4弾、沢知美『コンプリートシングルズ』が4月19日にリリースされる。
 アルバムとしてCD化されるのは『人の気も知らないで~沢知美とあなたの夜』につづいて2枚目で、今や中古市場で7インチシングルを見つけるのが困難な現状で、オリジナル曲だけを網羅し、フェロモンあふれる歌声を余すことなく聴くことができるのは、嬉しいニュース…

 メーカーインフォメーションによる収録曲は、初CD化を含んだ16枚のシングルA面全曲と、B面楽曲で初CD化となる7曲を収録した全23曲。もちろん2017年最新リマスタリングで収録される。

01.私にいわせて
02.夜更けのロビイ
03.あなただけを
04.ひと夏の恋だった
05.蒼い月の光
06.セロシヤ・プロモーサ
07.夢はいらない
08.霧の夜のすすきの
09.雨になりたい
10.東京ミッドナイト
11.夜にとけたい
12.知りすぎたのね
13.モーニング・ブルース
14.恋の鏡
15.私はかもめ
16.罪ある女
17.夏の女
18.夏の夜のできごと
19.ブルー・モーニング・ブルース
20.雨の言葉
21.ガラスの城
22.甘い生活
23.気ままに愛して

印:初CD化

 さて、シングルA面コンプリートと謳いながら、1967年の2ndシングル「アンブレラのブルース」が抜けているのはどういう訳か。初CD化となるB面「あなただけを」を優先したというなら、「私はかもめ」のB面「明日がつらい」とか「罪ある女」のB面「エヴァの誘惑」も、と欲が出てしまうではないか。

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◆人の気も知らないで~沢知美とあなたの夜
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杏真理子のアルバム、念願入手…



さだめのように川は流れる

 1971年6月にリリースされた杏 真理子唯一のLPを、ついに入手。ただし、見開きに閉じてあるはずのピンナップはなく、ジャケには2cmほどの底割れ…まぁ、安価だったので仕方のないこと。以前、買いそびれた悔しさもあるので、とりあえず即買いである。


 アルバムは、A面にオリジナル曲4曲と“ロカビリー三人ひろし”の井上ひろしと水原弘の「雨に咲く花」と「黒い花びら」、B面には杏真理子が敬愛するサルヴァトーレ・アダモの6曲が収録されている。

side A
01. さだめのように川は流れる
02. 虹
03. 夜が明ける
04. 涙の空に虹が出る
05. 雨に咲く花
06. 黒い花びら

side B
01. 雪が降る
02. 君の名を呼べば
03. 夜のメロディー
04. ブルージーンと革ジャンパー
05. 明日は月の上で
06. ヘイ・ジュテーム


 享年23の若さで(当時のプロフィールでは1951年生まれと表記されているが、現在は1949年生まれとされるので25歳が正しいのかもしれない)人生に幕を下ろした杏真理子については、既出記事『歌謡曲外伝/杏真理子』に付け加えることもないので今回はスルーするが、彼女の非凡な歌声に惚れ込んだ阿久悠にしてもメジャー歌手となることが叶わなかった運命の流転を、アルバムB面のアダモの曲群に感じずにはいられない。
 低く、暗く、重い歌声に、あらためて歌の巧さと世情の儚さに惹き込まれるのである。

 「ブルージーンと革ジャンパー」と「ヘイ・ジュテーム」は、ザ・ハプニングス・フォー解散後のクニ河内がアレンジしている。

 アルバムでしか聴くことが出来ないオリジナル曲で、英語タイトルをDay breaksと謳った「夜が明ける」は、作詞阿久悠、作曲馬飼野俊一の重厚なやさぐれ歌謡だが、1974年追悼アルバムとして再発された時には何故か外され、4枚目のシングル「地下鉄のスー」に差し替えられていた。


 さて、ここで朗報。
『杏真理子・コンプリートシングルズ+』と名打ったCDが、2017年2月22日にリリースされる。
 全シングルA/B面曲とこのアルバム収録曲の全て、初CD楽曲23曲を含んだ全24曲最新マスタリングとのこと。
なかでも、未発表曲4曲が収録されるという驚き、そして、期待…日本コロムビアさん、ありがとう!
 満を持しての杏真理子再評価…彼女の実力が陽の目を見ることに感謝である。

女性ロッカーの先駆者、麻生レミ「OWN LINES」


OWN LINES/REMI ASO

 名門アトランティック・レコードから1976年にリリースされた麻生レミの1stソロアルバムは、井上堯之が発足したWATERレーベルから井上堯之Water Bandの全面バックアップで発表されたもので、同時に発表された井上堯之の1stソロアルバム『Water Mind』共々、当時大きな話題になった。

 沢渡朔撮影のセクシーショットのジャケットに惹かれもするが、それよりも、60年代初頭のデビューから内田裕也との出会い、日本のロック黎明期のフラワーズを経て、単身アメリカへと旅立った潔さから身に付けた女性ロッカーの凄みがでた素晴らしい表情をしている。
 このアルバムが出た頃は、すでにカルメン・マキや金子マリらが女性ロック・シンガーとしてしのぎを削っていたときだが、彼女らに道筋を残してくれたのが麻生レミだと云うことを忘れてはいけない。

 麻生レミの歌声を生で聴いたのが、1971年7月のグランド・ファンク・レイルロードのオープニングアクトとしてステージに立ったとき。と言っても、当日券を求めて後楽園に出向くもチケットを買えず、球場の外から聴いていたのだが…。
 この時、麻生レミのバックを務めたのが、井上堯之、大野克夫、原田裕臣、山内テツらのスーパー・セッション・バンドだった(本来の彼女のバンド〈WYND〉のメンバーが入国できずにいたため)。
 2度目の渡米でふたたび日本のロックファンの前から姿を消したのもあっという間だったが、1976年、久々に彼女の名前を目にしたのが、このアルバムだった。

OWN LINES
SIDE A
01 NOTHING DOING
02 RIVER DEEP、MOUNTAIN HIGH
03 OWN LINES
04 STUCK FOR WORDS


SIDE B
01 EVERYTING I HAD
02 I’D RATHER GO BLIND
03 SAME AGAIN
04 HOW LONG WOUD I LAST


 アルバム・プロデュースは井上堯之と内田裕也。レコーディングは、井上堯之の『Water Mind』と平行して新潟県塩沢スキー場のロッジで行われた。
 全編英語詞のソリッドなロック・アルバムは、井上堯之、大野克夫、速水清司、PANTA(頭脳警察)らのオリジナル曲とカヴァー曲が2曲。
 知らずに聴かされれば日本人のアルバムとは思えない英語力と、圧倒されるソウルフルなヴォーカルは、伊達にアメリカ各地をクラブサーキットしてきたわけではない証だろう。

 カヴァー曲のアイク&ティナ・ターナーの「RIVER DEEP、MOUNTAIN HIGH」とエタ・ジェームスの「I’D RATHER GO BLIND」は、どちらもソウルフルな名曲をロックテイスト豊かに歌いあげている。
 ブルーズあり、サザンロック風味あり、ヘヴィーなブリティッシュ・ロックありと、それぞれのタイプで歌いわける麻生レミのヴォーカルは、フラワーズ時代のパワフル・ヴォーカルを評価されていたとはいえ、やはり若さゆえの単調さは歪めなかったが、本場を渡り歩いた経験と年齢によるヴォーカル技術が血肉となり、ハスキーで艶のある声で、可憐さや、力強さを変幻自在に操るソウル・フィールを漂わせている。
 それこそ、当時あげあげのカルメン・マキら後輩女性ロッカーを足元にも寄せ付けない貫録ではないだろうか。

★麻生レミ、1971年の貴重音源!★

麻生レミ、1971年の貴重音源!

 1971年に渡米中だった元フラワーズの麻生レミと小林勝彦のことを、シンガー&ギタリストで写真家のRandy Bowlesという人のブログで見つけた。

https://randybowlestories.wordpress.com/category/flower-travellin-band/

 同時に、1971年ワシントンで麻生レミがジャニスの「Turtle Blues」を歌う音源がYouTubeにアップされているのだが、これ、かなり貴重なものだと思う。



    ◇

 女性ロッカーの先駆者と言われた麻生レミは、高校生のときにジャズ喫茶のステージに立ち、1962年、18歳のときに麻生京子の名前で歌手デビュー。1967年に、内田裕也の誘いで麻生レミと改名し、フラワーズにヴォーカリストとして参加。レコード・デビューには時間がかかったが、日本初の女性ロック・ヴォーカリストとして、陳腐な敬称だが〝和製ジャニス・ジョプリン〟の異名を付けられ、1969年6月、バンドは1stアルバム『Challenge!』をリリースした。 

 この『Challenge!』は1曲を除き、ステージ・レパートリーであるジャニス・ジョプリン、クリーム、ジミ・ヘンドリックス、ジェファーソン・エアプレインなどのカヴァーで占められているが、もう1枚、1970年1月のステージを収めたライヴ・アルバム「ロックン・ロール・ジャム’70」でも、そのソウルフルな声で存在を際立たせていた。
 
 その後、麻生レミはメンバーのスティール・ギタリスト小林勝彦とともに、アメリカでの活動を目指すためにグループを脱退。
当時は、いろんなグループが結成と解散を繰り返していた日本のロック時代の黎明期でもあり、はっぴいえんどの誕生に伴い、内田裕也との間で「日本語ロック」か「英語ロック」かと、今考えれば馬鹿馬鹿しい論争が真剣に交わされていた時代。
 普遍的ロックの追及のためには、英語で本場のロックに対抗するのだという内田の考えを実践するかのように、1970年3月、麻生と小林が渡米。クラブ・サーキットのバンドで活動していたという話を聞いていたが、このブログと音源により、少しだけふたりの足跡を知ることができる。

 1971年7月、グランド・ファンク・レイルロードの日本初来日公演のオープニングアクトとして麻生レミは一時帰国をしているので、この音源はその数か月前のものとなるのだろう。
 とにかく、貴重な音源と証言ということになる。

 久々に、麻生レミのレコードが聴きたくなった…。

★ロックン・ロール・ジャム’70★
★伝説のグランド・ファンク怒濤の後楽園球場★

「螢火」藤圭似子


藤圭似子◆ 螢火/恋狂い 1981年

 1979年に突然の引退宣言をし渡米した藤圭子が、2年後、〝藤圭似子(ふじ けいこ)〟と改名してムバック宣言。このシングルは、復帰のために用意された主演ドラマ「新・海峡物語」(原作五木寛之)の主題歌で、1981年にリリースされた。
 作詞は阿木燿子、作曲は三島大輔。未練を灯しながら情念の川に揺られる女の業が、阿木燿子らしい詞世界に息づいている。
 B面は作詞一文字まこと、作曲森川範一。純情女の色気が漂う、メロトロンが心地良く耳に残る楽曲。

 この後リリースされた藤圭似子名義唯一のアルバム『螢火~右・左』には、「螢火」と対になった世界が展開する「螢子…その後」など、阿木燿子作詞の歌が3曲収録されている。

Fuji-Keiko_Hotarubi_lp.jpg

「銀座流れ唄」藤圭子


藤圭子◆ 銀座流れ唄/猫と女 1978年

 1978年5月にリリースされた32枚目のシングル。
 A/B面ともに作詞阿木燿子、作曲宇崎竜童が担当。「面影平野」と次作「酔い酔い酒場」の3作で完結する宇崎&阿木コンビによるオーソドックスな演歌歌謡曲だ。

 B面「猫と女」の方が、竜童節全開の逸品で、内藤やす子の『One Last Night』(’79)にも納められているオススメ曲。
 〝あなたのほほに 浮かぶ うす情け〟と、阿木燿子の詞世界の怖さを堪能できる。
  
★内藤やす子/One Last Night★

MOOK本「蘇る!日活ロマンポルノ」



 去年(2016年)の11~12月頃に発刊された日活ロマンポルノのMOOK本だ。
 まず、表紙の写真が、ロマンポルノを代表する白川和子でも宮下順子でも谷ナオミでも、ましてやアイドル的存在だった美保純でもなく、80年代の作品『ブルーレイン大阪』で初主演デビューをした志水季里子というのが、彼女のファンとして嬉しい次第

 書籍としては、やはりMOOK本にした特性が活かされ、女優を中心に制作現場などのスチール写真がカラーで豊富に掲載されているし、特集を4つにわけた記事も的を射た豪華な執筆陣。団鬼六の娘・黒岩由紀子の寄稿は興味深い。

 著述家・プランナーの湯山玲子の、〝「女性も楽しめる」みたいなカギカッコはいらない〟発言や、映画音楽の役割についての辛口コメントも面白い。

 MOOK本としては女優&監督名鑑のほかに、男優、脚本家、音楽家名鑑の掲載が親切丁寧であり重宝する資料だ。
 巻末の全作品リストも、ぜんぶにコメントが付けられた労作。

 ただし、女優名鑑に「芹明香」の名前がないのは不可解…ロマンポルノの一角を支えた重要性を認識していないのだろうか?
また個人的に、「速水典子」「水原ゆう紀」「泉じゅん」の名前がないのも寂しい…

    ◇

蘇る!日活ロマンポルノ
【徳間書店】
定価 1,204円+税